夏は、早朝『猫』散歩

「お盆も終わりましたよ、お父さん。お約束でしたよね、アレですよ、アレ。」

「どうでも良いけど、サヨリちゃん。まだ、朝の6時だよ。お父さんは、猛烈に眠いのですが。それと、軽くとはいえ、側頭部を連打するは止めてくれないか?。」

「そんなの知りませんよ、約束は約束です。黙っていたら、スルーされてしまいそうですしね。『鉄は熱いうちに打て』です!。さぁ、出かけましょう。ボクをいつものバッグの中に入れなさい。私たちには時間が無いのよ。夏はあっという間に過ぎ去ってしまうものなのよ。」

「僕の寝る間の方がよっぽど無いような気がするのだけれど、そこまでおっしゃるのなら出かけましょうか。ガラス越しに見える空の色は、清々しいまでに曇天ですけれど。海で良いよね、オネエさん。」

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今朝の猫散歩は海です

「青く無い空、青く無い海。でも、気持ちの良い朝ですね、お父さん。」

「凄く黄昏れてる風に見えるのは僕の気のせいかな?、サヨリちゃん。屍のようにも見えるのだけれど。だから言ったじゃない。外は曇天だって。雨降りそうだって。そんな顔で、お天道様を見ていても、晴れる気配はありませんよ。」

「全然、黄昏てなんかいませんよ、お父さん。久しぶりの海ですからね。ガンガン楽しみますよ。たとえ雨でも楽しんでやりますよ。」

「そうだね、クールを装ってはいるものの、キミの尻尾が全てを物語っているよ。もう、嬉しくってルンルンなんだろ?。」

「ボクはお散歩に来られた事が嬉しいんじゃ無いんです。曇り空でも良いんです。雨の日だって良いんです。お父さんの気持ちが嬉しんです。お父さんの優しさが…嬉しいのです。いつもニコニコしているお父さんの笑顔が好きなんです!。」

「いや…なんか、ありがとう。それと、なんか…ゴメン。」

「それはそうと、お父さん。バーベキューや花火の残骸が凄いですね。みなさんが大切に使ってくれれば、いつまでも綺麗な海と砂浜だと思うのですが。猫であるボクが言うのもなんですけれどね。こういうところが少し残念ですね。そして、内心ゆるすマジです。」

「そもそも、この辺でBBQとか花火とかは禁止だったと思うのだけれど、禁を破って楽しむのなら掃除くらいは最低限のマナーだよね。来た時よりも美しくだよね。ホントにけしからんですな。」

「お父さん、こっちの海は綺麗ですよ。」

「そうだね。こっちは綺麗だね。きっと、バーベキューの食材やら花火やらを、ここまで運ぶのは遠かったんだろうね。疲れるから仕方ないよね。」

「嫌味ですねぇ~。」

「嫌味です。」

「こうやって、砂浜の上で寝そべると気持ちが良いですよ、お父さん。お盆も過ぎたことですし、この際、日課にしてみては如何ですか?、朝のお散歩。ダイエットも兼ねれば一石二鳥だと思いますけれど。」

「じじいかよ!、早朝散歩って。今日は曇り空だから良かったけれど、これが晴れていたら暑くて後悔する事になると思うよ。朝のお散歩をするにしても、もう少し涼しくなってからにしませんか?。サヨリちゃんは重いから、抱っこするのも大変だし。」

「それもそうですね。あんまり暑いのも堪えますから。その代わり、今日はもう少しウロウロしてみたいです。」

「はい、はい。お供いたします。」

「いやぁ~、久々のシャバは気持ちが良いのう~。極楽、極楽。」

「元気なのも良いのだけれど、さっきから僕はキミの後ろ姿しか撮影出来ていないのですが?。少しは撮影に協力する気持ちはありませんか?。サービスタイムはおあずけですか?。」

「いいの、いいの。『また』海やら山やらに連れて来てくれれば良い事あるかもよ。」

「『また』ですか?。毎日は辛いです。」

「小一時間ほど歩きましたね、お父さん。これからお仕事もある事でしょうから、今日はお家に帰りましょう。」

「今日は、えらく素直だね。いつもなら、帰らないって暴れるのにね。僕を凄い目で睨みつけるのにね。」

「人聞きの悪い言い方がやめてくれませんか、お父さん。これでも一応、気を使っているのですから。ボクを自転車まで抱っこして、バックのところまで連れて行って下さい。ボヤボヤしないで早くしろ!。」

「仰せのとおりに、お殿様。」

「ボクはバッグの中で休憩するので、後はお任せしましたよ、お父さん。」

「御意。それではお家まで、自転車でひと走りしましょうかね、お殿様。」

30分後…。

「はい。お疲れ様でした、サヨリちゃん。お父さんは、お家の用事が終わったらお仕事に行きますよ。カリカリとお水を用意しているので好きな時に食べてね。今日も良い子にしているんだよ。」

「良きに計らえ。」

「バカ殿かっ!。」

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