猫から見た人間の不思議

「『あら、可愛い!』とか言って、野良猫をナデナデして、飽きたら『バイバイ』とか言って帰っちゃう人。どう思います?、お父さん。」

「ありがちな話だよね、サヨリちゃん。人懐っこい野良猫とか、ついついナデナデしちゃうよね。サヨリちゃんと関わるまでは、お父さんもそんな感じだったかな?。猫なんて飼っている人の数が圧倒的に少ないのだから、その辺を口論しても始まらないと思うのだけれど。」

「大人の猫なら、それでも野良としての人生を全う出来ると思うのですが、捨てられた仔猫は可哀想だと、お父さんは思いませんか?。」

「そうだよね。『あら、可愛い!』とか言われてナデナデされている間、きっと、仔猫は自分の居場所が見つかったような錯覚を起こすだろうね。でも、その幻想は儚くも消えちゃうわけなのだから、猫目線で見れば悪質かつ無責任な行動だよね。猫ブームに乗っかって、俄猫好きなんて人も多いだろうから、そんな事例は日常茶飯事だとも思うよ。たまにそんな話を聞かされると、『え~、飼わないのぉ~。何でナデナデしたのぉ~、女子力アピールの一環?、残酷やわ〜。』とか思ってしまうけれどね。」

「仔猫を助ける気もないのに、仔猫に気を持たせるのは酷い話です。そんな人間の行動は、猫から見た人間の不思議そのものですよ。でも良かったです。お父さんは猫好きで。」

「いや、そんな事は1ミリだって無いよ。だってお父さん、元々、猫なんて好きじゃなかったし、割りと猫を敵視していたからね。しっこ臭いし。」

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お父さんは、猫嫌いだった!?

「ニャンですと!?。今、しれっと、つるっと、ぼそっと、驚愕の事実が飛び出しましたね、お父さん。猫なんて・・・好きじゃなかったの?。」

「猫だけじゃなくって、犬でも何でも動物は好きじゃなかったよ。好きにならないようにしていたと言うべきかな。だって、動物を好きになると人間強度が下がるから。だから、家でペットを飼うなんて論外だよ。絶対、自分よりも先に死んでしまうでしょ。下手に動物と関わっちゃって情が移ったら、そして、その子が虹の橋を渡っちゃったら。お父さんは立ち直れませんよ、そんなにメンタルが強い人では無いからね。でも、フェニックスだったら飼っても良いかも。火で焼いたら甦るらしいから。」

「フェニックスって、あんたは聖闘士星矢か?。そんな鳥は実在しませんから、そもそも飼うなんてレベルのお話でもありませんよ。フェニックスが家にいたらテレビが騒ぐわ。でも、もしボクが死んじゃったらどうするの?。あぁーーー、お父さんは部屋に引き籠もって寂しい余生を送るんだ。そして、独りでこっそりと人生の幕を下ろすんだぁーーー。可愛いそうな、お父さん。お父さん、可哀想。」

「そんなの、どうもしませんよ。成り行きに任せるしか無いでしょう?。そんなに気になるのなら、サヨリちゃんは、お父さんよりも1日でも1秒でも長生きしなさい。最近の飼い猫の寿命は相当伸びたようだから。頑張ればサヨリちゃんだって、あと20年くらいは生きられるんじゃないのかな?。」

「そんな簡単に言わないで下さいよ、お父さん。猫と人間との寿命の違いは明白ですから、今から20年も生きられる自信はありませんね。ちなみに、お父さんは幾つまで生きるおつもりですか?。」

「僕は死なないから。サヨリちゃんも死ねないね。」

「お前がフェニックスかっ!。」

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