「何か違いますよ、お父さん。方向性があらぬ方向へ向かっているようですけど?。」
「そっかなぁ~。猫粘土の初オーダーの条件は、
”玄関にくっつけられる猫をお願い!”
だったよね、サヨリちゃん。玄関先でお客様をお出迎えするのだから、お尻を向けるわけにはいかないよね?。当然だけれど正面を向いている必要性は大だよね?。」
「それにしてもそれはマズイでしょ?。分からない人にはアレですけれど、分かる人には嫌がらせにしか見えませんもの。いくらNaru姐さんが温厚だとは言ってもですよ、玄関先で貞子にゃんは無理ですっって。」
何故そうなった?。貞子にゃん製作までのグダグダ話
「それはそうとお父さん。このミニチュアの設定はにゃんですか?。意味不明ですけど・・・。」
「貞子にゃんがテレビから出てくる場面に遭遇したサヨリちゃんが、ガールフレンドと見ているところだよ、サヨリちゃん。サイズ比較用のダミーチロルも一緒に置いているよ。」
「ボクのミニチュアの後ろのふぐりはどういう意味でしょう?。加えてモザイクが必要だとも思っています。」
「あそこと貞子にゃんは異次元で繋がっているんだよ。あそこから覗いたらテレビから上半身が出てきたイメージだね。そしてモザイクは要らないでしょ?。」
「もしかしてですけれど、
”玄関にくっつけられる猫をお願い!”
から直ぐに貞子にゃんへ行き着いたのですか?。アナタは悪魔ですか?。」
「そんな事は無いよ、サヨリちゃん。最初は上半身に磁石を付けようかと思ったんだ。でもね、」
「でもね?。」
「おもろない。なので、障子を破って飛び出すイメージが涌いたんだよ。でもね、」
「更に、『でもね』とっ!。」
「それはベタでしょ?。ベタベタでしょ?。そんな時、とある情報をゲットしたんだよ、サヨリちゃん。」
「碌でもない情報ですね。わかります。」
「お父さんは全然知らなかったのだけれど、今ってハリウッド版リングを放映しているそうだよね。それは乗らなきゃ!。ハリウッド版リングには興味無いけど。」
「あぁ、『ザ・リング リバース』の話ですか?。障子にせよ、貞子にせよ。発想としてはベタベタだと思うのですが・・・。それにしてもクラシカルなテレビですね。回すチャンネルタイプって・・・。」
「貞子はビデオが元祖だよ。スマホから貞子が出て来るなんて邪道だよ。初回劇場版リングが放映されたのは1998年なのだけれど、小説は1989年の作品なんだ。1989年のテレビったら、1インチ1万円時代だっただろ?。30インチで30万円みたいな。ちなみに、1989年の月9ドラマは『君の瞳に恋してる!(主演:中山美穂)』だったよ。」
「そんなん知らんわ。」
「時代はVHSとベーターとの関が原の合戦の真っ只中の戦国乱世。そして、その当時のテレビの中にはガチャガチャとチャンネルを回すタイプのものだって当たり前にあったんだよ、サヨリちゃん。リングの世界観を堪能するのなら、ここはアナログガチャガチャTVでしょ?。ビデオは当然、後ろのアンテナ端子からビデオを繋ぐタイプね。ビデオ端子なんて付いてないから。」
「何を言っているのか全然分かりませんよ、お父さん。テレビの後ろの黒いのは何ですか?。今のテレビにはありませんけど。」
「ブラウン管のカバーだよ、サヨリちゃん。ブラウン管テレビの後ろは大抵こんな感じになっていたよ。昔は家具調何とかって流行っていてね、家具調こたつとかやたらと電化製品に家具調って枕が付いてる製品が多かったよね。家具調テレビの裏側は木製のカバーがあって、ブラウン管の所だけがプラスチック製だったんだよ。今と違って、テレビの厚みも凄かったな。安定性という点では、今のテレビよりも優秀だった気がするよ。液晶テレビはつるペタすぎて、面白みにかけるよね。」
「そうにゃんですか・・・。で、貞子にゃんの顔写真が一切公開されていなのは、怖い顔で作っているからですか?。昨日は節分でしたから、鬼の形相でもしているの?。もしかして、目が合ったら石にされちゃう設定でしょうか?。」
「貞子にゃんはメデューサか?。だったら、頭にヘビを沢山付けないといけないね。でも、それって面倒だよね。別に普通の猫ですけれど?。ほら。」
「そこは普通に作るんかーーーい!。」
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