この夏はキュウリが僕のポカリスエット

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夏空
自家菜園

───このままでは死んでしまう、この僕が。

猛暑、梅雨明け、炎天下───この夏は暑い。この陽気である、朝の水やりには危険が伴う。だってそうでしょう?、土が煮えてしまうから。下手すると野菜が一気に枯れてしまう。文月に差し掛かった頃、僕は野菜の水分補給を夕方6時に固定した。行けない時は前倒す、レディース4が始まる頃に出陣だ。これがまぁ、暑いわけです。3分で汗が噴き出し、10分もすれば立ちくらみ。控えめに言っても激アツだ。

───行きたくないけど、行くっきゃない。

ペットボトルは命の絆。

畑のお供は麦茶かお水、危険を察してスポーツ飲料。生命維持費は費は必要だけれど、サウナへ行くよりお安い買い物。汗の質も涙の量もサウナ以上の効果すら感じてしまうのも不思議です。いつの頃からか、そこに冷えたキュウリも加わった。いづれトマトも加わるだろう。そのうちスイカも持って行きたい。

───今はキュウリが僕のポカリスエット。

固くて冷たい緑の棒が五臓六腑へ染み渡る。額の汗が復活し、乾いた皮膚が蘇る。これ以上のキュウリの食べ方を僕は知らない。食材は成仏させるまでが責任です。それは半分本当だけれど半分は嘘。ポカリが飲みたい日だってある。それが出来ない懐事情と冷蔵庫。

───キュウリの取れ過ぎで、レインボーブリッジ封鎖出来ません!。

事件は現場で起きている、気を抜くとゼニは貯まらずキュウリが貯まる。

その増殖っぷりは貞子のよう、井戸の底から必ず君に届くやつ。収容、許容、受容、包容…茄子やトマトもそのうちキャパ越え。そんな未来が見えてクル。もうね、食べても食べても減らないんです。うっすら、なんとなく、おぼろげに。まるっと、ぬるっと、お見通しはしていたけれど、畑を見渡すだけでもちとマズい。マネーと違ってこいつら腐る。

太陽の恵みを浴びながら、額の汗を拭いながら、ぼりぼりキュウリを噛みながら、偶に、一瞬、希に思う。

───マネーも腐れば経済回らん?。

お金に有効期限さえあれば、経済が循環して当たり前。使わないと腐もの。通貨単位は、円でも、ゼニーでも、ペリカでも、この際、キュウリだって構わない。キュウリは見た目も変わるから、使い忘れも無いでしょや。

ここだけの話、お金にだって有効期限や賞味期限は書いてある。僕の諭吉のほっぺにだって、見えない期限が書いてある。それはアナタも同じでしょ?。

───「支払い日」という名の有効期限。

地球は温暖化で財布は氷河期。毎月、毎月、さらば諭吉。だからこそ、この夏はキュウリが僕のポカリスエット、青い空と白い雲。CMガールは?、そんなの森高千里に決まってる。

今日も一日ご安全に。

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