プログラミングとはじめてのおつかい

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パソコンを見つめるキジトラ
PC・タブレット・スマホ

「困った」

「そうですか」

「え?」

「は?」

 昔の同僚の主語無き「困った」にどう返答すれば良いのだろう。「何があったの?」「どうしたの?」そう言って欲しい気持ちは分かる。けれど、あれだ……面倒じゃん。ごめんよ、僕は忙しい。「そうですか」で切り抜けてやろうとしたのだけれど、逆ギレされて、今日もサヨリは元気です。

「5分だけ時間をちょうだい」

「やだ」

「そんな事、言わないで」

「なんで?」

「プログラミングの概念を誰にでも分かるような例え話無いかな?。今度、講座で話す事になったんよ」

 そうなの。どっから拾ってきたその案件。で、僕はノーギャラなの。いつもそう、いつだってそう。ぼかぁ~ね、都合の良い男だと思われているんだなぁ。ヨシ、昼飯で手を打とう。話はうどん屋……マックが良いかな、高級ランチでサムライマック(笑)。この手の話は5分なんかじゃ終わらない。僕らは場所を移して話を始めた。久々のサムライは美味であった。

「では、ドラゴンボールでお話しましょうか?、悟空さん。おやおや、浮かぬ顔ですね。なんなら、ドドリアさんも、ザーボンさんも、お話にお出しして差し上げましょうか?」

「もっと、誰でも分かるように。ドラゴンボールを知らない人だっているから。」

 こいつは驚いたな…とんだ衝撃の告白だ。ドラゴンボールが通じないだなんて。鳥山先生に謝れ!、お前が謝れ!。

「サザエさん、ドラえもん、ちびまる子ちゃん……どれが良い?」

「そういうのじゃ無くて」

「はじめてのおつかいとか?」

「それでよろしく(笑)」

「ビッグダディは?」

「却下です(怒)」

 僕は飯の分だけ持ちネタをばらした。コンピュータを語る者は何かと横文字を使いたがる。先生と呼ばれる人種にはかなり多い。けれど、さほど興味無き受け手にとって、それは呪文や暗号にしか聞こえない。つまり、聞き手は全然詰まらない。

 話す内容は同じだけれど、何かに例えて話すだけで眠らずに聞いては貰える。目の前でウトウトされたらそりゃ凹むから。それは、若い頃に散々経験させてもらった。ゼロ年代、僕は高齢者向けの担当であった。だから主に「水戸黄門」と「暴れん坊将軍」を使ってパソコンを説明していた。気が向けば「必殺仕事人」も偶に使った。ご婦人たちには「奥様は18歳」のウケが良かった。遠い昔の話である。はじめてのおつかいならこんな感じ。

「はじめてのおつかい。お母さんは何でしょう?。お子ちゃまは何でしょう?。お母さんからのお願いは何でしょう?」

「何言ってんの?、やる気あんの?。」

「断じて、無い!。でも、はじめてのおつかいの登場人物をプログラミングに置き換えると面白いよ。お子ちゃまに指示を出すお母さんはプログラマー。指示を実行するお子ちゃまはパソコン。この子は優秀なので言いつけは絶対に守る子、言いつけ以外は絶対にやらない子。お母さんのお願いを手順化したものがフローチャート。親子の国籍を条件に加えればコンピュータ言語にまで話を飛躍させられるでしょ?」

「あっ(笑)」

「ねっ(笑)」

「家を出て、お店に行って、お母さん(プログラマー)に頼まれた商品を探して、レジでお金を払って、家に帰る。これに新たな条件を加えます。例えば、途中で雨が降ったら傘を取りに帰るとか、信号機のルールを加えるとか。おつかいの道中で想定される条件を増やせば増やすほど、プログラムはより複雑化され、最終的に人間の大人と同じような行動をPC内で取る事も可能になります。それをペッパー君とかに覚え込ませれば、実際のお買い物だって夢じゃ無いですよと。その気になれば、ルンバだっておつかいに行けちゃいますよと。うちのニャンコはルンバに乗っていますよと。まぁ、こんな感じでやんすかねw」

「エラーとかバグは?」

「適当で良いんじゃない。エラーとかバグって言葉すら、受講生さんも知らないでしょ?。そんな質問が飛び出したら、キミがフリーズでもして見せたら?。『今、キミ、良いこと言った!』の褒め言葉を添えて。プログラム内に想定されていない事態が起こるとパソコンはこんな感じで固まります。それがエラーとかバグと呼ばれるものの本質です」

「なんだか、インチキっぽのなw」

「だなwww」

 本来、コンピュータが理解できる言語はマシン語と呼ばれるものである。僕らの頃は16進数を使っていたけれど、本来は2進数、つまり、コンピュータとは「0」と「1」で動かすもの。言い換えれば、回路のどの部分のスイッチオンでスイッチオフかで全てが決定づけられている。ウィンドウズOSだって何だってそれで作られているのだ。ではそのOSの意味と役割とは……。そんなお話、誰が聞いてくれるというの?。これくらいかみ砕いて話さないと聴いてすら頂けません。僕らはお偉い先生でも無いからね。悲しいけど、これ現実なのよね(汗)。

コメント

  1. こんな事を言ったら昔の同僚の方に失礼だけど、雉虎さんがその方の代理をしたら良いくらい…なんて思ってしまいました。単純に自分自身がその知識を知っているよりも、教えたり説明が出来る事の方が、更にその1つ上の事だと思います。雉虎さんが講師なら僕も受講したいなぁ。話しを聞き漏らす事が無いように席は一番前の席に座りますよ~(笑)。

    • はははは。あちらさんは現役なのでレベルは僕よりもずっと上ですよ(汗)。僕はスタート地点に立たせるまでが好き。そこから先は論破戦で、一定のレベルを超えた人が相手なら誰が喋っても大差は無いです。でも、やってみると面白いですよぉ。分からない所って十人十色だといつも思いますし、発見が楽しい(笑)。

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