トコロ変わればネコ変わる?地球ドラマチック「子ねこ三都物語」

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エンタメ・テレビ

毎週土曜日の夜、NHK Eテレで放送されている『地球ドラマチック』。この番組では恐竜の謎や宇宙の神秘、大自然の驚異や建築遺跡など地球と地球の住むものとの現在・過去・未来を美しい映像と分かり易い説明で紹介してくれる良番組。私も良く見ている番組のひとつです(笑)。

地球ドラマチック「子ねこ三都物語」

昭和の頃は「野生の王国」、「知られざる世界」、「すばらしい世界旅行」など民放でも放送されていたのですが、平成に入ってからはこのような番組が減ってしまいましたね。

さて、2016年6月11日(土) 午後7時00分、NHK Eテレ放送予定の『地球ドラマチック』の主役は仔猫。2015年にフランスが制作した「子ねこ三都物語」が放送されます。リアルタイムで放送を見たので感想や詳しい情報も加えてご紹介したいと思います。ナレーションは渡辺徹さん。渡辺さんの優しさがそのまま伝わるナレーションでした。

「子ねこ三都物語」は、フランス、ギリシャ、東京で生まれた仔猫の生活に密着したドキュメンタリー番組。愛らしい仔猫に癒されながら、ところ変われば猫の生活スタイルも比較出来て楽しそうです。

まずはフランスの猫。フランスの農場で生まれた5匹の仔猫たち。その中でもネズミ捕りのハンターの資質を買われたモリセット。貰われた先の農場で犬と先住家畜たちとの共同生活が始まります。農場で伸び伸びと成長し、やがて農場の害獣であるネズミ捕りを担った猫として活躍する事でしょう。

次にギリシャの島で生まれたジンジャーは天涯孤独の身。母親も兄弟も飼い主も無く本能だけを武器に野良猫として生き抜く姿が画面に映し出されます。ギリシャの猫は毎日がサバイバル。気を抜くと食事にありつけない生活が続きます。

東京生まれのクルミは、住居・食事・おもちゃなど全てが人工的に管理された猫カフェでの生活。猫カフェの先住猫たちとの生活を垣間見る事が出来ます。

農場でネズミ捕りハンターして生きるモリセット。ギリシャで野良猫として生き抜くジンジャー。全て人間に管理された安全な環境で生活するクルミ。三種三様な生活スタイル。どの生活が仔猫にとってすばらしいのでしょうか?。

放送を見ていると、一番猫らしいく生きている感があった仔猫がギリシャのジンジャー。猫は本来の姿は小さな猛獣。今日を生きる為に全力を尽くしている姿に自由を感じました。水を嫌う猫の習性を克服し、海岸で魚を捉えた映像には感動すら覚えました。猫のスキルを最大限に引き出せば、海で魚を捉える事も出来てしまうのですね。

農場でネズミ捕りを担うモリセットは、人間に役立つ仕事をしながら自由気ままに生きています。猫にとって、ただのペットでは無い人間との関わり合い方が最も理想的な気がしました。現在、先進国では猫がネズミを捕獲する必要性もありません。日本では出番が薄い役回りですが、ネズミを追っかけている姿が猫には良く似合いますね。

20㎡という閉ざされた空間で一生を終える猫カフェのクルミ。考えて見れば不幸な人生なのかも知れません。安全の代償として自由が奪われている感じがしてならなかったからです。ですが、日本で猫が自由に生きて勝手に繁殖し、文字通り自然体で生きる事は不可能の近い事です。日本の猫を大切にしているのは人間です。その逆に猫の最大の脅威となるのも人間です。その脅威から逃れて一生を全うするのも考え方によれば幸せな人生です。

異なる世界で生まれた仔猫たち。最終的に大人になった姿までは放送されませんでした。しかし、どの仔猫も自分の置かれた環境と状況に応じて小さな体で順応している姿には、生命の力強さを感じました。

それぞれの環境で育つ複数の仔猫の成長記録。昭和の人間にとって特別珍しい放送だとは思いません。毎週、トラだのライオンだの強烈な自然の営みが放送されていたのですから。ですが、現在のテレビでは、

「猫ちゃん可愛い」

が最優先。猫が雀を襲ったりヘビと戦ったりする映像を放送すると、後で面倒な事になるでしょう。ですが、野良猫や外飼いの猫の日常は殺戮の日々であって然るべき。今夜の「子ねこ三都物語」は、そんな意味でも良番組だったと思います。

見逃された方。安心して下さい。2016年6月20日 午前0時(日曜深夜)で再放送されます。リアルタイムでご覧頂けない場合は録画の準備をお忘れなく(笑)。

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