小説の進行状況報告(1回目)

にゃんにゃんホイホイとポメラ
小説始めました

 小説を書くと記事にした。処女作公開は12月だとも記事に書いた。今回の小説は知人らに掲載許可を取っている。進行状況の報告も義務のひとつ。だってそうでしょう?、何を書かれているの分からないのだから不安になって当然で、今日もサヨリは元気です。

 現時点で、ストーリー構成は固まっている。頭とお尻は既に書いた。個々のエピソードも頭の中には出揃った。けれど、ブログと小説とは別物である。長文過ぎてまとまらないのである。同じ文字を使うのに勝手が違う。そこで、小説というテイのブログを書きはじめた。

 以前の記事にも書いたけれど、小説の文字数は十万文字程度なのだとか。エピソードを分割し、二千文字程度で区切る作戦に出た。五十個のエピソードで十万文字。毎日、ひとつ書き上げれば五十日後にカタチになる。頭から書く必要も無い。その日に浮かんだ情景を書いている。このやり方は僕に合っていたようで、設定がコロコロ変わりながらも、徐々にカタチになって来た。ようやく個々のキャラが動き始める。結局、当初とは別物になり、掲載をお願いした人たちが別人のように描かれ始めた。それはそれで良いのかも知れない。

 とは言え、書いてます、書いてますだけでは申し訳が立たない。何もしていないと思われて心配もさせたくも無い。だから、物語に支障の無いエピソードをひとつ投稿する事にした。伏線であるのだけれど、完成時には姿を変えるかも知れないから問題も無い。今回は、幼女とうどん屋へ行くまでの話である。幼女の名前は歩(アユミ)だけれど、この名前は変えるつもりだ。便宜上だとご理解下さい。また、全体構成から眺めれば、半ば辺りに登場するエピソードである。何が言いたいのかと言うと、ごめんな、ユッキー。おまいさん、うどん屋店主になったわ(汗)。

では、関係者の皆様、張り切ってどうぞ(笑)。

――日曜日のうどん時

 日曜日のお昼時、讃岐で言えばうどん時。そしてのんちゃんは、僕の心のレッドブル。ウハウハ気分で、のんちゃんからのメールへの返事の途中でスマホが鳴った。アケミからである。またですか?、何ですか?、そもそも僕が必要ですか?。

「うちの娘、そこに来てない?」

 スマホが爆発したかのような甲高い声。僕は反射的にスマホを耳から遠ざける。耳がキンキンしてるけれど、それは由々しき問題だ。だってそうでしょう?、学園クイーンの娘が居なくなっただと?。美幼女だけに悪い考えしか浮かばない。お姫ちゃん、どこ行った?。僕は平静を装いながら返事をする。

「チョット待てよ、畑見るから」

 アケミもパニックっている。煽ってはいけない。仕事部屋から畑を覗くと、チョコンとお姫ちゃんが立っていた。黙って家から出て来るなんて、ほんとに困ったお子ちゃまである。僕の姿を見つけると、お姫ちゃんは、こっち、こっちと手招きをし始めた。

「いたいた、お姫ちゃん、畑に……」

「あの子は何でアンタの畑が好きなんだろね、悪いけど連れて帰って来てもらえる?」

「お……おぅ。」

 母は強し。僕は被せるように畳み込まれる。でも、そんなの言葉の暴力じゃないか!。話の途中で被せる癖、やめてもらって良いですか?。断れる筈もなく畑に向かうと、お姫ちゃんが、テテテテテと僕の元に駆け寄った。おいおい何だよ、可愛いじゃん。

「キジトラさん、こんにちは」

「黙って家を出たらダメですよ、お姫ちゃん。お母さんがメッチャ心配するでしょう?。今さっき、電話でお母さんが心配していたよ」

 お姫ちゃんはうつむいてモジモジし始めた。いつもなら、人生何度目ってくらいハキハキとしている子なのだけれど……あれ、言葉が強すぎたかな……?。アケミと喧嘩でもしたのだろうか?。電話ではそんな素振りも無かったけれど。

「どうしたの?。怒らないから言ってごらん?」

 こんな時は子供の目線に合わせるんだっけか。何かの本に書いてあった記憶ある。僕はしゃがみ込んでお姫ちゃんに声を掛けた。見えるのは小さな頭の旋毛である。そこから先はどうするの?。幼女を無理矢理引きずって帰るわけにもいかないし。小さな子供への経験値が僕には足りない。俯いたままのお姫ちゃんの前で、僕は途方に暮れるしか無かった。あー、どないしよ、この子、耳たぶまで真っ赤だ。泣くのか?、泣くなよ。

「アユちゃん、お腹でもすいてんじゃない?。ご飯、食べさせてあげたら?。おばちゃん、アメちゃん持ってるけど食べるぅ?」

 グッジョブ!である。地獄に仏とはこの事で、隣のおばちゃんからの助け船に飛び乗った。ありがとう、ありがとう、ありがてぇ~……。今日に限って、おばちゃんの背中に羽が見えるよ。白く眩い天使の羽だ。おばちゃんが、あと30歳若ければ、直ぐにでもデートに誘っていたところなのに、残念だ。よし、お姫ちゃんとうどんでもシバキに行きますか。その前にアケミの了解を得ないとだな。今時だもの、食物アレルギーとか持っていたら大変だ。

「かくかくしかじか……うどん屋ゲンちゃんとこに行こうと思うけれど、小麦食わせて大丈夫か?」

「そう言えば、ブログに書いてたお店でトラくんとおうどんが食べたいって言ってたよぉ。だからこっちに帰って来てからうどんだけは食べてなかったわ。娘ちゃんの夢だから叶えてあげてね、この色男。それとこの子、アレルギー持ってないから、食べる量だけ気をつけてくれれば大丈夫よ。炭酸飲料は飲まさないでね」

「お、おぅ」

 アレルギーは無し、炭酸はダメ。はい、分かりました。取りあえず保護者の了解を得た。次は本人への了承確認である。もしかしたらハンバーガーとかチキンとかが食べたいかも知れないし、まわるお寿司とかも言いかねないし。自分だったらこのビッグウェーブにうどんの選択肢などあり得ない。

「お昼ご飯、一緒に食べに行かない?。お母さんも食べて来て良いってよ」

 お姫ちゃんは顔を上げて小さな声でつぶやいた。

「ゲンちゃんの、さぬきうどんが食べたいです。キジトラさんがブログに書いてた、天ぷらのおうどん食べてみたいの。パパも食べたいって言ってたの」

「じゃ、ゲンちゃんとこに食べに行こ。」

「ほんとに、ほんとに」

 ほんとにうどんで良いのか、チョロいな。お姫ちゃんはいつもの笑顔に戻り、僕はホッと胸を撫で下ろした。ゲンちゃんの店まで歩いて10分。お姫ちゃんとなら20分もあれば着けるだろう。細い畑道を歩けば、お姫ちゃんだって道中を楽しんでくれる。

「では、行きますかっ」

僕が立ち上がると、お姫ちゃんは僕に向かって小さな手のひらを差し出した。

「どうしたの?」

「パパは手を繋いでくれました……」

「あ、ごめん、ごめん」

 世のオヤジさんたちは愛娘にこんな可愛いおねだりをされているのか。そりゃ、嫁に出すときゃ辛かろうて。『お前に娘はくれてやらん!』その気持ちが少しだけ分かった気がした。将来、この子にもそんな日が来るのだろうな。その時、アケミはどう対処するのだろう。それは、ずっと未来の話にも思えるけれど、必ず訪れるであろう未来でもある。その時きゃ、僕に相談すれば良い。お姫ちゃんたちの味方になってあげるから。アケミたちにしたように。そんな事を思いながら、ゆっくり歩く散歩道。うどん屋ゲンちゃんの暖簾を潜るとエッちゃんが立っていた。今日は休みじゃなかったの?、最悪だった。

「あら、トラちゃんいらっしゃ……。あんたねぇ、いくら何でも彼女が出来ないからって、それはもう、ダメでしょ、犯罪だから、ダメだから!」

 エッちゃんが面白半分に子連れの僕を捲し立てた。その言葉にお客が一斉に振り返る。なんだかもうね、視線が痛い。その中に自治会長夫妻の姿も見える。終わったな……次の寄り合いが楽しみだ。美幼女を連れて歩くとは、危険との隣り合わせなのだと理解した。助けてよぉ~、ゲンちゃん先輩。店の奥でゲンちゃん先輩が腹を抱えて笑っているのがチラリと見えた。うどんを食べに来ただけなのに……。

 お姫ちゃんは、僕を見上げてクスクスと笑った。

つづく…みたいな(笑)。

コメント

  1. 小説の一部分だけとはいえ、早くもっと読みたい!って待ち遠しくなりました(笑)。初めての小説、でも雉虎さん流の小説の書き方も確立した様子に、さすがだなぁ~の一言です。仕事もしてブログも書き、更に小説…、時には息抜きもしてお体だけは大切にして下さいね。

    • いつもありがとうございます(笑)。
      友人からも、ブログのようにとアドバイスされていたのですが、何だか要領が違っていて、ようやくスタイルが出来たようです。現実と空想の狭間で苦悩した甲斐もあって、ようやく自分なりの落とし所が見つかりました。相棒からの助言が単調だった物語にスパイスを加えてくれました。と言う事で第三案は序章にしか過ぎなくなってしまいました。出来た時は凄いと思ったのに、その向こう側があるなんて…(汗)。

  2. 12月がめちゃくちゃ楽しみなんですけどー

    • ココさんには、発表前に読んで貰おうと思っています。ご感想を先ず聞きたい(笑)。

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