のんちゃんのブログ王〝020 じいちゃん〟
020 じいちゃん 3度目の審査の帰り道。 俺はじいちゃんの畑に寄った。オッツーからの助言もあって、じいちゃんと話がしたくなったのだ。俺には、じいちゃんに悩みを打ち明けた過去があった。───ブログをやめたい……。 そう、愚痴った日。 俺は中学卒業を間近に控えていた。俺の愚痴に、いつもトボケたじいちゃんが真顔になった。「三縁も春には高校生か……」 そう言って、じいちゃんは黙り込んでしまった。しばらくの沈黙の後、決意したように口を開いた。「この話は、ワシとお前だけの秘密じゃぞ。約束できるか?」「……」 俺は無言で頷うなずいた。 小春日和の畑のベンチにふたり並んで腰掛けると、じいちゃんは遠い昔話を語...