2024-06

ブログ王スピンオフ

シュークリームが新メニュー

のんがグリムでバイトを始めると、客層が一気に変わった。のん目当ての客が増えたのだ。来客増加は売上げに繋がるけれど、マスターは困り顔だ。にしても、今日はお客が少ないな……そっか、のんは早上がりの日だったっけ。そんな日は、のんは一度、アパートへ戻る。ラフな服に着替えてから、お客として来店するのだ。そして、俺の隣で勉強を始める。本でパンパンに膨れた、のんのリュックを見る度に、俺は桜木のランドセルを思い出していた……。「ねぇ、飛川君。若い男の子が来てくれるのはうれしいけど……飛川君なら分かるでしょ? なんかいい案……持ってない?」 グリムの奥さんが俺に問うのだが、都会からレベチな天使が舞い降りたのだ。...
ショート・ショート

九十分間の奇跡

彼の顔は青ざめていた。 本日投稿予定のショート・ショート。その準備が整わない。ブログ公開時間まで、九十分を切っている。なのに一行も書けていない。てか、書くことすら決めていないふうに見える。ザ・ピンチ! 絶体絶命とはこのことである。「やるっきゃねぇーんだよ」 そうつぶやくと、彼はキーボードに指を乗せた。画面を睨むこと三分経過。画面は三分前と同じまま。一文字も打ち込まれていない。空白すらも何もない。 わたしは彼を見守るだけ。わたしには、それしかできない。わたしは一年前から、これと同じ光景を何度も見守った。彼の毎日は、時間とのチキンラン。それが彼のライフスタイルになっていた。それでも彼は、間一髪で切...
小説の話

のんちゃんのブログ王は、しれっと第二章へ突入しました

小説を書き上げた達成感の裏側で、モヤモヤした不完全燃焼な気持ちがあった。僕はプロじゃないのだから、ここは好きにやらせてもらおうか(笑) そんな気持ちで、描ききれなかったアレコレを、スピンオフで書き始めた。てか、このまま終わるのが寂しくて、今日もサヨリは元気です(笑) オッツーには悲しい過去がある。桜木には次元を超越した背景がある。ツクヨのパパには深い愛があって、じいちゃんには叶わぬ恋が……。それを書き進めていれば、本編への熱だって冷めないだろう。処女作だから、てか、長編だもの。どれだけ伸びても構わない。どこまで行っても構わない。 ちょいちょいと、本編から未来の話も書いたけれど、基本的に過去のエ...
雑談

ショート・ショートの手直し開始

ショート・ショートの手直しをします。 つい先日、相棒からの予告があった。ショート・ショートの手直しに着手したのには、きっと、今がそのタイミングなのだろう。そう僕は勝手に思っている。僕は彼に従うのみで、今日もサヨリは元気です(笑) 料理、パソコン、イラスト、将棋……何かの技術を習得する。その最短コースは簡単である。〝指導者に黙って従う〟これに限る。本を与えられれば本を読み、言われたことを実行する。余計なことは考えない。これに限る。それでも覚えの悪い僕である。今だって、イージーミスの連発だ。ホント、相棒には頭が上がらない日々なのだ(汗) 話は変わるけれど、先週、相棒から新しい本を受け取った。〝天狐...
猫の話

飼い猫信長と野良猫家康(裏切り者)

───裏切り者……信長の心は怒りに震えていた。 屋根の上、仲睦まじく語らう猫。それは紛れもなく家康とケイテイの姿であった───それを目撃した信長は、怒りで身も心も震えていた。ジジイのくせして、お前は孫ほど若い女に手を出すのか? なぁ、家康。そうなんだな? お前、生粋のロリコンなんだな! 初めて外の世界で信頼した男の裏切に世界のすべてが歪んで見えた。歪みの果はてに信長は誓う。俺の殺すリスト。最初に書く名は〝家康〟であると……。「じゃ、またね♡」「せやな……お前も、がんばれや」 ケイテイが屋根から降りるや否や、信長は家康に駆け寄った。「裏切り者ぉぉぉぉぉ!!!!」 やんのかステップで威嚇いかくする...
レビュー

苺の屋根の日焼け避け(クールホワイト)

桃畑(摘果&袋掛)の最終日。 日差しが強くて苺(よつぼし)がイマイチ。日焼けしたのか実が固い。とはいえ味は上々で、今日もサヨリは元気です(笑) 去年は水が切れて枯れた苺だけれど、今年はまだまだ実をならす。この調子ならまだまだイケる。四季なりの名は伊達じゃない! こうなれば、ようやく君の出番だよ(笑) 〝農家さんが使ってる! 明るさ残して熱線カットのクールホワイト〟 昨年、友人が僕に伝授した秘密兵器の出番が来たぜ。 友人が、この事態を予見していたのは確かである。だから去年、準備してくれたのだ。僕が水切れの失敗さえしなければ……昨年もクールホワイトを使っていたに違いない。 一年跨またぎの登場だけれ...
畑の話

きゅうりに入ったやる気スイッチ

今年もどうやら失敗ですか? そんな、きゅうりが本気を出した。追肥と摘芯とのダブルパンチが、やる気スイッチを押したのだろうか? 気を抜けば……きゅうりである(汗) 今は自己消費で賄まかなえるのだが、三本の苗だけならよかったけれど……保険に仕込んだ二本の苗まで、ニョキニョキと加速を始めた。きゅうりの苗が五本になれば、自己消費の限界値を大幅に超えるのは明らかだ。そして、摘芯したきゅうり。事務所で密かに根出し中だなんて、お釈迦様でも気づくまい。僕は心配性なのである(汗) それもこれも、去年の不作が原因だった。もうね、誰でも作れるきゅうりなのに、今年もダメだったらどうしよう……そんな不安できゅうりを育て...
ブログ王スピンオフ

喫茶グリム

パワースポットと呼ばれる場所がある。 ブログ王を完成に導いた場所は、八栗寺(四国八十八箇所第八十五番札所)の境内だった。境内けいだいにある青いベンチに座ると、不思議とアイディアが浮かぶのだ。そして俺には、もうひとつのパワースポットがある───喫茶グリム。老夫婦が営む店内は、カフェと呼ぶにはほど遠く、俺のじいちゃん好みの昔ながらの雰囲気だ。 この店で俺は、ブログ王にさらなるブラッシュアップを施した。謎の編集者、青葉さんに奨められた新人賞に〝のんちゃんのブログ王〟を応募するため。そして俺たち放課後クラブが、高校最後の打ち上げをした店でもある。 ただ、ひとつだけ……俺には不思議に思うことがあった。こ...
満月だからスイカの話

猫砂袋でスイカ栽培にゃのです(笑)

───土曜日はショート・ショート。だけど、満月だからスイカの話。 六月の満月は、ストロベリームーンと呼ばれている。苺のお月さまの日。昨日も雨が降ったから、水やりに行く必要はない。ゆっくりとした土曜日なんて久しぶり。読書をして過ごしましょう……とはならない。どうしても畑に行かねばならぬ理由があった……スイカの写真を撮ってない(汗) せっかくスイカの記事を書くのだ。スイカの写真は必須だろう。僕のスイカの成長を楽しみにしてくれる人もいて、今日もサヨリは元気です(笑) 天気予報では午後から雨。だから、午前中に畑に出向く。───ほう。順調、順調! 去年の成功体験に味をしめて、今年は袋栽培をメインとした。...
小説の話

週末は読書をしよう

毎日毎日飽きもせず、ブログで何かしらの文章を書き続けている僕だけど、実はその……えっと……まぁ……読む行為が苦手である。とてもとても苦手なのだ。単行本を読み終えるまで何日もの時間を要する。小松左京先生の〝日本沈没〟は、一ヶ月くらいの時間を要した。それに加えて、一年前から読み始めたのに、未だに読み終えられない本もある。これもまた、若い頃から読む訓練を怠って生きてきた結果なのだろう。音読は大事だな。ってか、僕らの時代に音読って言葉なんてあったっけ? そんな僕が小説を書いているのだから、自分でも笑ってしまう。 すべてが夢なのかもしれない。そう、何度も思ったけれど、僕が小説を書く世界線は、どうやら現実...
雑談

地獄で拾ったお土産

二〇二四年六月十八日(火曜日)に桃の摘果と袋掛けが終わった。五月二日からのスタートだから、約一ヶ月半の道のりだった。今年は人手が少なかったのだが、去年と比較しても三日遅れでエンドです(笑) 人手不足は理解している。でも、暇を持て余したコロナ禍とは事情が違う。僕の時間も限られている。悪いなと思いながらも作業時間をセーブした。つまり、一日あたり三時間以内での参加だった。やれるだけ手伝う気持ちの向こう側。僕は新たな技を獲得した。それは、エレガントで画期的で作業の速度を一気に早めた……それを実現させたのが100均の手袋だった。 桃の摘果に必要なのは、瞬時に悪い子を見極める目である。それは、やっていれば...
猫の話

飼い猫信長と野良猫家康(エモいの使い方)

いつもの屋根で家康はくつろいでいた。この一帯が家康の縄張りであり、見張りをするのに丁度いいのだ。そこのブロック塀の上、高々と尻尾を上げて歩く白い猫───ケイテイか……。家康は、ぼんやりとケイテイの姿を眺めていた。「なぁ、家康ぅ~」 聞いたような声の先に、見たことあるような茶トラがいた……誰だっけ?「馴れなれしいやんか? わけぇ~の。お前、誰だっけ?」 思ってもみない言葉に、信長は驚いた。「ほら、あそこ。白猫の名前を教えてくれたやろ? どんだけ、高齢やっつーたって。二、三日前のことくらい覚えてるやろ? な、そんな目で俺を見るなよぉ~ 家康ぅ~」 信長は寂しげな瞳で家康を見つめた。 二、三日前?…...
レビュー

よつぼし苺の種のすべてが発芽か?

五月七日にまいた種。小さな苺の種が発芽した……未だに自信がないのだけれど、苺の苗のカタチっぽくも見えてきた。きっとたぶん、苺だな? 前回、発芽を確認……否、確信した目は四粒中二粒だった。50パーセンなら上出来だろう。全滅よりも全然マシだ。 四つのポッドに水を与え続けて一ヶ月を余裕で超えた。もはやこれまで。そう思って、未発芽のポットの処分を考えていると、苺の芽らしい物体を確認した。そう、最初のふた粒は半信半疑で、ぬか喜びが怖くて、撮影しなかった小さな芽。それとよく似た双葉が見えて、今日もサヨリは元気です(笑) 普段食べる苺を思い出してほしい。苺の表面に見える白いゴマのような無数のつぶつぶ。これが...
畑の話

プリンスメロン立体栽培

これまで話題にしなかったけれど、畑でプリンスメロンも育てている。もちろん種から発芽させていた。プリンスメロンを話題にしなかった理由は簡単である。育てる自信がまるでなくて、今日もサヨリは元気です(笑) だって、そうでしょ? 去年と一昨年、メロンにチャレンジしたものの、成功事例が一度もない。これにはさすがに凹んでしまった。だから、発芽程度じゃ喜べない。 慎重に、慎重に……。畝に植え付けたら記事にしよう。そんなぶらり散歩気分で、気長に苗の様子を見ていた───そろそろじゃ! 苗を畝に植えた翌日、幼い葉っぱがウリハムシに齧られた。齧られた葉っぱは穴だらけで、それはそれは無惨な姿になっていた。終わったと言...
ブログ王スピンオフ

ツクヨの父の日

今日は、六月第三日曜日───全国的に父の日である。 父の日だからって、我が家の夕食はいつもどおりだ。かろうじて、母の日の名残りはあるのだが、父の日はごくありふれた日曜日。けれどツクヨが我が家の一員となった今、状況が少し変わった。ツクヨには父と呼べる存在がいない。それを気遣い、お茶の間をピリピリさせていたのは、俺とオトンだけであった……。 口チャックにテレビまで消して、父の日情報を遮断する。父の日は───ツクヨに禁句だ。 いつものように夕食を始めると、思い出したように、ツクヨがテテテと部屋に戻っていった。条件反射で俺は訊く。「アヤ姉、ツクヨは?」 トボけた感じでアヤ姉が答える。「そっか、今日は父...
ショート・ショート

偽りの読書感想文

───彼女の気持ちを知るために、僕は、目を塞ぎ、耳を塞ぎ、口を塞いだ。彼女の名は、ヘレン・ケラー……。 夏休みの読書感想文。それが、僕のトラウマだ。 小学四年の春、新学期。島の小学校に新しい教師が赴任した。若い女の先生だった。新しい先生に、僕らは興味津々だったけれど、行動も、言動も、授業も……彼女のすべてがギクシャクしていた。 島の子どもはコミュニュケーション能力に欠ける。意見があっても言葉にできない。考えがあっても文書にできない。つまり……上手く反論できない。それは、どうしようもないことだ。何をするにも高圧的でヒステリック。僕らに手を上げることが何度もあった。彼女の器が小さすぎたのだ。 彼女...
小説の話

飼い猫信長と野良猫家康は苦肉の策

水曜日に投稿した〝飼い猫信長と野良猫家康(出会い)〟は、これまで温めた物語……ではなかった。締切に追い込まれた結果、偶発的に生まれたイレギュラーが彼らである。だって、そうでしょ? ポンポンといい感じのストーリーなんて思いつかない。言葉が通じない人間と猫との組み合わせにも無理がある。エグい描写のホラーなら、何本か書けるしアイディアもある。でもそれは、僕のスタイルじゃない。少なくとも、それを書くのは今じゃない。水曜日の投稿当日。筆が止まって何も浮かばず、今日もサヨリは元気です(笑) うん、ピンチだ(汗)───二匹の猫が会話する。 その発想へ辿りつたのは、仕事を終えた午後の五時。仮にこの案で書き進め...
雑談

ブログ読者様からのリクエスト

ブログを書き続ける最大の壁がネタである。それは、ブロガーすべてのラスボスと称しても過言ではない。書き慣れたブロガーが書き続けることは容易い。けれど書くことを探すこと。それが事態をより困難にさせているのだ。だって、そうでしょ? これまで幾度も書いているけど、毎日の更新にはネタがいる。何かを書こう。そう思わせる動機と言い換えてもいい。それが思い付かない時の焦りたるや……地獄である(汗) 端的にネットニュースから情報を拾えば、アクセスに繋がるし、日々のネタにも困らない。無限に書き続けることが可能なのも知っている。平成の時代にそれは経験済みだ。アクセスを稼ぎたいのなら、Yahoo!ニュースからネタを拾...
猫の話

飼い猫信長と野良猫家康(出会い)

───四国のとある田舎町。 とある民家の瓦屋根の上で、二匹の猫が睨み合っていた……。「おい、茶色のわけぇ~の! 誰の許可を得て、そこで座ってる?」 大柄なキジトラ猫が、スリムな茶トラ猫を威嚇する。「うっせーわ。おっさんこそ目障りや! どっか行きぃ~な」 若い茶トラも負けずと応戦。「はっはーん! お前、飼い猫やな。赤い首輪なんてしやがって。そっか、そっか。世間知らずか。だから、ワイに楯突けるんやな。今日のところは大目に見たるから、家に帰って、ウンチして寝てろ。お坊ちゃまのボンボンに、外の世界は無理やで。外は弱肉強食の世界やからな」「はぁ? この老害がっ! おっさんの方こそ、ホームレスなんやろが?...
レビュー

パイロットの万年筆を使い始めて

スマホとか、タブレットとか、パソコンとか……。 若い頃は便利な道具だった。覚え書きとか写真で記録とか……とても、とても、便利だった。そう、とても便利に使っていた……と……思う。けれど時期がくれば分かるよ、付箋が最強アイテムなのだと。そもそも記憶力のない僕である。記録したことを忘れたり、記録を探すのに時間がかかったり、記録した内容が違っていたり……その便利さが時間泥棒になってきた。 だから、手書きにシフトしたのだが、スケッチブックやノートつーのも良し悪し。最速で最短。それを突き詰めた先に付箋があった。この手法、友人方式と呼ぶべきか? パッと書いてサッと壁に貼り付ける。困ったら壁を見れば、目の前に...