シュークリームが新メニュー
のんがグリムでバイトを始めると、客層が一気に変わった。のん目当ての客が増えたのだ。来客増加は売上げに繋がるけれど、マスターは困り顔だ。にしても、今日はお客が少ないな……そっか、のんは早上がりの日だったっけ。そんな日は、のんは一度、アパートへ戻る。ラフな服に着替えてから、お客として来店するのだ。そして、俺の隣で勉強を始める。本でパンパンに膨れた、のんのリュックを見る度に、俺は桜木のランドセルを思い出していた……。「ねぇ、飛川君。若い男の子が来てくれるのはうれしいけど……飛川君なら分かるでしょ? なんかいい案……持ってない?」 グリムの奥さんが俺に問うのだが、都会からレベチな天使が舞い降りたのだ。...