飼い猫信長と野良猫家康(軽い決断)
梅雨も明けたある日。 縄張りを監視する家康のニャルソックだが、焼けるように熱い瓦の上になんていられない。野良猫のサマータイムの導入だ。日中は海の木陰で涼をとる。海に出たついでに、釣人から魚を分けてもらう。人間なんて、チョロい、チョロい。近づいて、ニャーニャー鳴いてりゃ勘違いを起こす生き物だ。あわよくば、ちゅーるがもらえる特典もある。家康はのんびりと、夏のバカンスを楽しんでいた。 「こんなところにおったんか? やっと見つけたぞぉ、家康ぅ!」 木陰で涼む家康に、暑苦しい猫の声。信長が家康に向かって走り寄る。 「久しぶりやな、秀吉」 「信長じゃ!」 毎回、繰り広げられる茶番にも、そろそろ家康は...