読者だけに見える小説の世界
少し前。輪華りんかのイメージに沿った画像を、ネットから探して僕にくれた読者がいた。輪華りんかとは、僕の短編小説〝邂逅〟で、未来に転生したヒロインの名だ。華やかに輪廻転生を遂げる少女。その思いを込めて〝輪華〟と命名した。初めて手掛けた小説なだけに、彼女への思い入れも深い─── ネットを開けばAI時代。SNSやブログで、AIが生成した画像が毎日のように投稿される。現存する人物の画像に至っては、星の数ほど存在する。その中から読者が選んだ画像となれば、話の次元が大きく変わる。だって、そうでしょ? うちの子をイメージして選んでくれた画像なのだ。うれしいじゃん、作家冥利が天元突破してるじゃん(笑) 嫌で...