飼い猫信長と野良猫家康(ホワイトタイガー)
木々の隙間から差し込む月光が、閻魔の白き体毛に反射して、神秘的な輝きを放っていた。その神々しい姿を囲むように、猫だかりができている。最前列に座るのは、各エリアを統治するボス猫たちだ。その背後に手下てしたたちが次々と並ぶ。この集会は、閻魔が鬼猫おにねこと呼ばれた昔から、満月の夜に行われていた。 「皆さん、お揃いですね」 「オリクが来たよ、道を開けな」 ケイテイとオリクが祠ほこらの前に到着すると、手下たちが自動ドアのように道を開けた。二匹は閻魔の前でお辞儀をしている。家康は手下たちの背後から、その様子を見つめていた。 「家康ぅ! ケイテイちゃんって、凄い猫なの? なんか俺、感動してるぅ~」 幻...