2024-12

小説始めました

今日もサヨリは元気です(笑)”000 出会いと別れ”

000 出会いと別れ―――猫は飼い主を選んで姿を現す。飼い主に寄り添い、支え、癒やし……その短い生涯を終える。飼い主から、深き愛情を受けた猫は、毛皮を着替えて転生し、再び飼い主の前に現れるという……。「ア、アっ」 夏の雨の日、夏期講習の帰り道。俺は猫に呼び止められた。猫ってのは昔から「ニャー」って泣くもんじゃねーの? その独特な鳴き声に、俺は心底驚いた。くっきりと猫の額に描かれた〝M〟の文字も個性的。たぶんこの柄は、キジトラだったと記憶している。猫は俺に近づくと、足元に顎あごを擦こすりつけ、俺を見上げてを繰り返す―――その仕草に、俺の心臓がたゆとうた……「うちの子に、なっちゃう?」 猫は大きな...
雑談

本年もありがとうございました(2024)

2024年は大詰めで、2025年は目前で。このままじゃ、愛猫サヨリの小説が投稿できないじゃないかという、瀬戸際の大みそか。読者の皆様におきましては、楽しい年末をお過ごしのことだと思います。本年も大変お世話になりました。心より感謝しています。ありがとうございました(笑) 年内に一本だけでも。そんな思いでようやっと、新作一話目の投稿準備が整いました。すまぬなサヨリ、お父ちゃん遅筆ちひつで。当初の目標だった、四九日には間に合いませんでしたが、このギリギリでサヨリの手土産が書けました。今夜八時のお披露目です。その題名は───ジャガジャガジャガジャガジャン! 今日もサヨリは元気です(笑) では、裏話をば...
ショート・ショート

吾輩だって猫だった

人は神様の自分勝手な気まぐれを〝奇跡〟と呼ぶ。 もしも生まれ変わりがあるのなら、猫でよろ……。死に際に老人はそう願い、その長き人生を終えた。かつて、この老人と暮らした猫がいた。息を引き取るその日まで、自由奔放に暮らした愛猫に、老人は憧れを抱いたのだろう。その猫の微笑むような死に顔は、水色の夏空のように清々すがすがしかった。「そうなれば、いいですね。へへへへへ」 老人を迎えに来た死神は、そう言って笑った。「お主の行き先はここじゃ」 そう言って産神うぶがみは、新たな未来の扉を開いた。老人は産神の声に従って、扉の中へ身を投じた。扉の向こうは暗闇のトンネルのようで、遠い先に光が見えた。老人は、光に向か...
雑談

胆力を得た

ようやっと、2024年から解放された。一週間ぶりにキーボードを叩く。ブランクあれど、指は快適に動いている───問題ない。 それはたぶん、パソコン(富士通FM-7)を手に入れた高一の春以降、人生初の体験だった。脳みそを一旦白紙。心のリセットを試みたのだ。───力ずく…… 端を発したのは、若い衆の一言だった。先週で年内の仕事に目途がつくはずだったのに、バディからの泣きが入る。ドラ泣きだ。「年末までやってくれるやろ?」 はぁ? 僕の沸点を軽く超えてきやがった。突然のバディの言葉に言葉を失う。貴様は鬼か? それとも阿呆あほうですか?「はぁ?(小説が書けねーじゃん!)」 静まり返った事務所の中で、やるや...
畑の話

このままじゃ、畑が笹にやられてしまう……

───大変なことになってしまった……。 再々、冬の畑に行くことはないのだが、年内にやらねばならぬこともある。シンジ君の「僕がエヴァに乗ります!」しなければ……きっと来春。地下から忍び寄る脅威によって、畑がとんでもないことになってしまうのは、火を見るよりも明らかだ。地底を蝕む厄介者───笹の駆逐作業である。こやつらが拗こじれる前に手を打たねば、畑が笹軍団に実効支配されてしまうのだ。年末でなんやかんやあるけれど、これはもう、自分を諫いさめながらの〝時は来たれり!〟なのである。 異変に気づいたのは、この九月にまで遡らなければならない……畑を始めてから去年まで。幾分かの笹の存在を確認していた。けれど、...
小説の話

七福神のお菓子でエネチャージ!

───あら、可愛い。 先日、とあるブログの読者の方からお菓子をいただきました。銀座七福神と七福神あられ。そのパッケージに描かれた七福神のイラストだけで、ほっこりした気分になります。カレンダーは数量限定で貰えるそうで、本来の予定よりも早く購入されたそうです。ひと足早いクリスマスプレゼントに、うれしいやら、有り難いやら……書き手冥利みょうりに尽きるとは、このことです(笑) 愛猫サヨリが旅立ってからというもの、ブログの更新頻度は落ちているのに、せめて週に2,3本は……そう思いがらも、上手くことが運びません。なんだか、それが申し訳なくて。お礼と近況報告を兼ねて、この記事を書き始めました。 日々の更新を...
畑の話

大根の試し採り(2024)

2024年12月12日。 去年の大根は、葉っぱを根こそぎ虫に食われて、それはもう散々でした。葉っぱがないから育ちやしない。この冬も気温の高い日が続きます。つまり、期待値はかなり低くて、それでも、ふたつの畝に大根の種をまきました。きっと虫の餌食だな、夏野菜もしっかり虫に食われたし……その絶望的な予測に反して、今年の葉っぱは───めっちゃ元気です(笑) 畝を隠すように覆い茂った葉を見るだけで、大根への期待が爆上がりするのも、これもまた、野菜の価格高騰の煽りを食らった僕にとって、朗報以外の何物でもありません。つまり、この冬は大根買わねぇ! それだけでも有り難く、出汁をしっかり吸い取った、おいしいおで...
小説の話

読書と動画は攻めと受け

本を開いてふと思う。 読書ってのは、攻めだよなぁ……脳が攻めてなければ、まったく内容が頭に入らなくて。読書が不得手な僕にとって、本を開く瞬間の「読むぞっ!」の気合いは欠かせません。 読書を「攻め」と呼ぶのなら「受け」は動画が相応しい。映画、ドラマ、アニメーション。これら動画には、映像も声も音楽も、すべての要素が用意されていて、好みの女優さんとかアニメキャラが演じていれば、何時間でも受け切れます。それは幼少期から、動画に慣れたテレビっ子の強みでもあるのでしょう……鍛えた年期が違います。 つまり僕には、動画と同じように読書に対するトレーニングが必要なのです。だって、そうでしょ? 読書は優秀な睡眠薬...
雑談

本当のお母さんからのメールが届く……

みなさんのメールボックスには、どんなメールが届くのでしょう? 毎日、毎日、飽きもせず。僕のメールボックスには、五十通ほどのメールが届きます……スパムが(汗) 主にAmazonさんからが多いでしょうか? 楽天さんとか、PayPayさんとか、メルカリだとか。各種カード会社や、四国に住んでいるのにも関わらず、東電さんとか、NTT東日本さんとか。宅配便からも不在の連絡が山のように送られてきます。そんなメールは、エイ! ヤー! と。開くことなくゴミ箱へ───それがとても面倒です。それらのメアドは着信拒否に設定していました。それで減ると考えたからです。けれど、一向に減る気配がないので諦めました。見つけ次第...
ブログ王スピンオフ

白い本棚

───今日、本日。 十二月一日(日)は、早川花音はやかわかのんの十九回目の誕生日である。朝早くから、放課後クラブのメンバーたちが、俺の家に集結し、さながら文化祭前夜のような騒ぎになっていた───もちろん、お誕生会の準備である。「おはよう、ツクヨっち。早起きして偉いぞっ!」「わたしのオッツーが来ましたわよぉ~!」 モーニング・オッツーを見るや否や、ツクヨのうれしさ爆発だ。その隣でゴシゴシと、忍がしきりに目を擦る。黙っちゃいるが、忍はとても眠そうだ。そんな忍に、俺は感謝の気持ちを言葉にした。「忍ちゃん。のんのために、朝早くからありがとな」「……お前もな」 俺に対する忍の塩対応は、二十四時間変わらな...