2025-01-04

小説始めました

今日もサヨリは元気です(笑)”009 大往生”

009 大往生 ボクの先達せんだつさんが人間だと知ったチョコは、ボクの前でひれ伏しました。その理由が、ボクにはさっぱり分かりません。「サヨっ……いいえ、サヨリさま。大変なご無礼をお許しください。自分、不器用ですから……」 さっきまでの威勢は、どこへ行ったのでしょう……チョコがあたふたしています。その大変貌に、ボクの方が困ります。「いや、チョコさん。サヨっちでいいと思うよ」 ブンブンと、チョコは首を横に振ります。「滅相もないっすよ、サヨリさま。自分に〝さん〟付けなど不要です。チョコとお呼びください」「じゃ……チョコちゃんで」「自分は、サヨリさまと出会えて、光栄っす!」 言葉遣いまで別人です。「サ...
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今日もサヨリは元気です(笑)”008 四十九日”

008 四十九日「はぁ……そこからですか? ほんと、あんたの先達せんだつさんは雑だわぁ」 チョコは、四十九日を知らないボクに、深いため息をつきました。ボクの先達さんは、雑なのだそうです……。「ウチらはね、これからここで、四十九日を過ごすのよ。その間に、三つの選択肢から、ひとつだけ選ぶの」「何を?」「天国か、転生か、このままこの場に居残るか―――どれにするかを、決めるのよ」 チハルにそんなの聞いてない……。「どうして?」「それがここの決まりだからよ。ウチは天国に行くって決めてるの。生まれ変わっても、ヒカルちゃんに会える保証がないからよ。ここに残っても、その可能性は同じだし。で……サヨっちは、どう...