2025-01-07

小説始めました

今日もサヨリは元気です(笑)”013 蛍火”

013 蛍火 ボクがここへ来て、初めての夜が訪れました。電気も街灯も何もないので、明かりはチラホラ見える焚たき火だけです。それにも増して、空に散らばる星々の輝きだけで、うっすらとトビちゃんの横顔が見えました。「ねぇ、トビちゃん。お星さまが動いてる。流れ星にしては動きが変みたい……」 宙を舞う小さな光が、何かの意思を持っているように飛んでいます。それがボクには不思議でした。「サヨリさん、ここにはお月さまもお星さまもないの。あれはお星さまではなくて、蛍火ほたるよ。わたしたちの心が光りになって飛んでいるの。サヨリさんの光だって、あのどこかで飛んでいるわ。明るいでしょ? その輝きは、待つ人への想いなの...