2025-05

レビュー

ポメラのユーザー辞書を再強化

昨日で小説のストックが切れた。頼れるアニキは、もういない。途方に暮れるのも当然だ。「カチカチ山かよ?」ってくらいに、お尻が絶賛炎上中! ホントにね。僕はこれから、どうしましょう(汗) ひとりでブログを書くのなら、これからも書き続けるつもりなら。やるべきことは、ひまわりちゃん(ポメラ)の再強化であるのに違いない。ユーザー辞書を鍛え直そう。 アニキとメールを交わした二年間。アニキの教えをポメラに宿す。お気づきだろうか? それは、五万冊を超える読書家からの教えである。そりゃもう、凡人以下の僕からすれば、それだけで大変な作業なんです。なんかもう……これでもかって、修羅の道(汗) 何はともあれ、表記ゆれ...
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後ろの席の飛川さん〝019 トイレで芽生える友情もある〟

生理現象とは不思議なもので、時間の法則性があるようだ。三時限目の休憩時間。決まってボクはトイレに駆け込む。明光中学に入学してからというもの、これがボクの習慣になっていた。 隣のクラスの中原君も、ボクと同じサイクルで生きているようだ。毎日のように、トイレで彼と顔を合わすけれど、言葉を交わしたことは一度もなかった。 まぁ、別のクラスの生徒である。率先して、ボクから話しかける相手でもない。「なんでやろ? モテないなぁ~」 これが彼の口癖だ。いつも前髪を弄りながら、鏡に向かって呟いている。まるで白雪姫の継母ままははのよう。気持ち悪いとボクは思った。 獲物を狙うトラの目で、津島君を追う姿はそこになく、モ...
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後ろの席の飛川さん〝018 ウィスキーボンボンも、食べすぎに注意しましょう〟

酔っぱらった美少女の隣で、飛川ひかわさんの声が荒れていた。スマホに向かって吠えている。「ばあちゃん! 忍に奈良漬け食べさせたでしょ。どうして、そんなことするのかな。今、こっちは大変なんだから!」 飛川さんのスマホから「ごめんねぇ」の声が漏れている。なんか……おばあちゃん、ごめんなさい。ボクは、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。 スマホを切ると、真っすぐボクを見つめる飛川さん。その顔から、いつもの幼さが抜けている。「忍の両親はね、岡山の人なの。だから、忍は岡山弁が抜けないの。方言が恥ずかしいってね、サヨちゃんと上手く話せなかったの……。忍はね、心を開いた人だけに、本当の自分を見せる子なの。私の知る限...
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後ろの席の飛川さん〝017 おいしい奈良漬けは、食べすぎに注意しましょう〟

前の席の広瀬さんは、ミステリアスな美少女だ。ポーカーフェイスで、ほとんど言葉を発しない。 ただ、例外もある。 コソコソと早口で、飛川ひかわさんだけに耳打ちをする。そして、屈託のない笑顔を見せるのだ。このふたり、どんな会話をしているのだろうか? ボクの悪口じゃないことを祈る。「ねぇ、きいちゃん」 後ろの席の飛川さんは、いつもの笑顔で問いかける。「放課後は、真っすぐ帰るの?」「ええ、そのつもりですけれど? 中間テスト期間は、海洋生物研究会もお休みだと聞いていたので……」 まさか……お休みだから、釣りに行こうとは言うまいね?「だったら、うちに寄ってくれる?」 飛川さんの家は学校に近い。行くのは別に構...
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後ろの席の飛川さん〝016 七つの海は、女の涙でできている〟

ボクへの誕生日プレゼントを発端に、姉ちゃんの初恋の相手が、桜木さんだと発覚した。でもそれは、ボクの想定の範囲内。うどん県は、日本で最も狭い県である。讃岐の田舎じゃ、あり得ないことでもない。むしろ、その逆。コミュニティは小さい。よくある話だ。「姉ちゃん、それから?」 姉ちゃんの恋バナに、ボクは耳を傾けた。「ウチの高校じゃ、桜木先輩は、神童って呼ばれていたんだ。成績は群を抜いていて、常に学年トップだった。てか、全国模試でも上位だったらしい」 桜木さんは、ボクの目から見てもそんな感じだ。「沈着冷静で、いつも穏やか。そして、あのフェイス。ウチのような隠れファンは多かったと思う。でも、目に見えない壁を感...
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後ろの席の飛川さん〝015 見かけで人を判断してはいけません〟

十三本のロウソクの火を吹き消して、誕生日の歌をみんなで歌って、ケーキを切り分けると歓談かんだんタイムが始まった。 鼻の下を伸ばした飛川ひかわさんは、尾辻おつじさんにべったりだ。「いつも主人がお世話になっています。未来の妻の月読つくよです。ほほほほほ……」 お客さんに、微笑みかける飛川さん。隣で終始無言の広瀬さん。そして、お客さんの苦笑い。 ボクにとっては、何もかもが非日常で、実感がまるで湧かない。さしずめ、映画を観ているような感覚だ。ボクはというと、芸能人の記者会見のように、ゆきさんと近藤さんから、鬼のような質問攻めだ。「黄瀬きせ君、彼女とかいる?」「もう、アケミちゃん。そんなのハラスメントに...
小説の話

天国からの贈りもの

5月9日早朝。 いつものように仕事へ出掛け、いつもと変わらぬ挨拶を交わし、何食わぬ顔して桃の摘果の作業を始める。空を仰げば曇天で、僕の心と同じ色。心身ともにボロボロだ。作業開始から一時間後、大粒の雨が降りだした───今日の作業は、ここまでだ。 頬を濡らす雨粒は、天国からの贈りもの。 僕の体調が気がかりな、相棒が降らせた雨に違いない。東雲しののめのメールに相棒の訃報があった。相棒が死んだ……そんなの嘘だ! この時でさえ、現実を受け止められない僕がいた。 二年前、友人が他界した。ブログの読者、茶熊さんだ。彼女の望みは、僕の小説を読むことだった。彼女の死と望みを知らせてくれたのが相棒だった。それを伝...
小説始めました

後ろの席の飛川さん〝014 誕生会の送迎は、事前に連絡を取りましょう〟

五月七日は、ボクの誕生日である。その前日、ゴールデンウィークの最終日。 お昼のうどんを済ませたボクが、部屋で三島文学を満喫しているのは、偶然ではなく必然だった。飛川ひかわさんの邪魔はない。それを見計らったかのように、ボクのマンションのチャイムが鳴った。「ガクちゃん。広瀬さんって子が、玄関にいるんだけど。それが、とても美人なの……」 予期せぬ美少女の訪問に、ママが驚いたのは語るまでもないのだが……。 何事も、度を越せば恐怖である。ママの複雑な表情が、そのすべてを物語っている。広瀬さんが美少女すぎるのだ。だからママに罪はない。「ボクが話すから大丈夫だよ、ママ」 玄関へ飛び出すと、広瀬さんが立ってい...
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後ろの席の飛川さん〝013 女の子の顔に傷がついたら大変です〟

ボクの同情心などつゆ知らず、声を荒げる飛川ひかわさん。「忍、代わって!」 広瀬さんから手際よくスマホを奪うと、飛川さんはテレビ通話に切り替えた。ボクにも会話が丸聞こえだけれど、気にも留めずに話を始める。「ちょっと、桜木君でしょ? 余計なことをしてくれたのは?」 甲高い声で、怒りをスマホにぶつけている。「なんのお話でしょうか?」 こっそりスマホを覗くと、そこには眼鏡をかけた男性が……飛川先生と同じくらいか? どう見ても……ボクが桜木君と呼べる年齢ではない。「ベルトの少女」 ぽつりと呟つぶやく広瀬さん。「あぁ、その件ですかぁ。春休みのうちに、T大の新入生を調査して、手を打ちましたが、何か問題でも?...
小説始めました

後ろの席の飛川さん〝012 体育館裏の正義の味方〟

───ゴールデンウィーク前日。 放課後の体育館裏で、ボクは三人の男子生徒に囲まれていた。辺りを見渡し、ボクは監視カメラを探すのだが……ない!「ようやく会えたね、黄瀬君。監視カメラがないのが残念だ。さぁ、お兄さんたちと遊ぼうよ」 三年生を意味する青いネームプレートに、忌まわしき過去の記憶が蘇る。───林 小五の二学期。ボクを登校拒否にまで追い込んだ、クラスメイトと同じ苗字に背筋が凍る。「三年一組の林です。小学校で弟がお世話になったようで、兄としてはお礼をしないと……でしょ?」 目の前で、不敵な笑みを浮かべる男こそ、ボクをいじめたクラスメイトの兄である。しかも一組、頭もキレる。 体育館裏の倉庫は、...
畑の話

今年の苺は大満足(笑)

───2025年4月30日(水) 野菜の支柱を竹に切り替えました。というのも、三年使う予定だった支柱がポキポキと折れ始めたからです。百均で購入すればよいのですが、折れた支柱の処分に困るので、山から竹を切って使うことにしました。朽ちた竹を菌ちゃん農法の畝の材料にすれば、現金の支出と処分の手間が省けます。畑の見かけが貧相に見えますが、そこは割り切ってやりましょう。野菜が育てば、葉っぱで支柱が隠れてしまうのですから(笑)よつぼし(苺) 去年、一昨年と、数粒だけをちまちま食べていた苺ですが、今期は大人食いができそうです。理由は分かりませんが、土が合っていたような気がします。 ランナーが出る向きを合わせ...