2025-05-05

小説始めました

後ろの席の飛川さん〝013 女の子の顔に傷がついたら大変です〟

ボクの同情心などつゆ知らず、声を荒げる飛川ひかわさん。「忍、代わって!」 広瀬さんから手際よくスマホを奪うと、飛川さんはテレビ通話に切り替えた。ボクにも会話が丸聞こえだけれど、気にも留めずに話を始める。「ちょっと、桜木君でしょ? 余計なことをしてくれたのは?」 甲高い声で、怒りをスマホにぶつけている。「なんのお話でしょうか?」 こっそりスマホを覗くと、そこには眼鏡をかけた男性が……飛川先生と同じくらいか? どう見ても……ボクが桜木君と呼べる年齢ではない。「ベルトの少女」 ぽつりと呟つぶやく広瀬さん。「あぁ、その件ですかぁ。春休みのうちに、T大の新入生を調査して、手を打ちましたが、何か問題でも?...