2025-05-06

小説始めました

後ろの席の飛川さん〝014 誕生会の送迎は、事前に連絡を取りましょう〟

五月七日は、ボクの誕生日である。その前日、ゴールデンウィークの最終日。 お昼のうどんを済ませたボクが、部屋で三島文学を満喫しているのは、偶然ではなく必然だった。飛川ひかわさんの邪魔はない。それを見計らったかのように、ボクのマンションのチャイムが鳴った。「ガクちゃん。広瀬さんって子が、玄関にいるんだけど。それが、とても美人なの……」 予期せぬ美少女の訪問に、ママが驚いたのは語るまでもないのだが……。 何事も、度を越せば恐怖である。ママの複雑な表情が、そのすべてを物語っている。広瀬さんが美少女すぎるのだ。だからママに罪はない。「ボクが話すから大丈夫だよ、ママ」 玄関へ飛び出すと、広瀬さんが立ってい...