2025-05-20

小説始めました

後ろの席の飛川さん〝018 ウィスキーボンボンも、食べすぎに注意しましょう〟

酔っぱらった美少女の隣で、飛川ひかわさんの声が荒れていた。スマホに向かって吠えている。「ばあちゃん! 忍に奈良漬け食べさせたでしょ。どうして、そんなことするのかな。今、こっちは大変なんだから!」 飛川さんのスマホから「ごめんねぇ」の声が漏れている。なんか……おばあちゃん、ごめんなさい。ボクは、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。 スマホを切ると、真っすぐボクを見つめる飛川さん。その顔から、いつもの幼さが抜けている。「忍の両親はね、岡山の人なの。だから、忍は岡山弁が抜けないの。方言が恥ずかしいってね、サヨちゃんと上手く話せなかったの……。忍はね、心を開いた人だけに、本当の自分を見せる子なの。私の知る限...