
後ろの席の飛川さん〝020 友だちを誘うなら、何をするのか伝えましょう〟
五月、最後の金曜日。 太宰で攻めるか、それとも三島か。最近、川端文学にも興味湧く。この休みを利用して、古本屋めぐりもしてみたい。休日の読書に想いを馳せる。それが、ボクの楽しみなのだから、自然に顔がにやけてしまう……。「ねぇ、きいちゃん」 後ろの席の飛川ひかわさんは、いつも笑顔で問いかける。至福の時間を邪魔されたボクは、悟られぬようにムッとした。 にしても……最近、釣りでもしたのだろうか? すっかり小麦色の肌になっちゃって。太陽の光を体に浴びて、パワーアップでもしたかのようだ。ただでさえパワフルなのに、飛川さんの戦闘力が増している。「お休みの日。きいちゃんは、何をしているの? やっぱり、塾とかに...