
後ろの席の飛川さん〝028 演歌は愛する人へのメッセージ〟
今日のメンバーは、飛川ひかわさんと、麩菓子ふがしのヒロミさんと、シゲじいさんと、ハルカさん。そして、ボク。総勢五名で摘果に挑む。「黄瀬きせです。中一です。よろしくお願いします」 ボクの挨拶に「麩菓子おいしかった?」「挨拶ができるのか。偉いぞ、小僧!」「あら、孫と同級生ね」 その反応は様々だ。「月読つくよ、いっきまーす!」 桃の根元に脚立を立てると、忍者のように梯子を登った飛川さん。手慣れた手つきで桃の実を落としてゆく。それを合図にするように、お年寄りたちが腰のラジオの電源を入れた。いくらボクでも、ラジオくらいは知っている。けれど、ラジオの音を耳にしたのは初めてだ。「高松まつり事務局では、今年も...