2025年、春───通年よりも気温が低い。野菜の成長が、中山七里の〝さよならドビュッシー〟くらい読めなくて……てか、頼みの綱のYahoo!天気がハズレに外れた。朝、明日の予報が100パーセント〝雨〟だったのに、夕方になると、しれっと50%になるのも慣れっこで、下手すりゃお日さまマークに変わっている。朝令暮改とはこのことだ。この春の天候は、岬洋介だってお手上げだ(笑)
とはいえ、この春の寒さは明らかだ。通年よりも、桃の摘果が一週間遅く始まった。桃の実が、ある程度育たなければ、間引きの判断ができないからだ。一週間だけの遅れなのに、未だにゴールは遥かに遠く。いつ終わんの? って感じである。いつもなら、全身汗びっしょりで行う作業も、涼しい中での作業となった。そしてようやっと、今日になって夏を感じた。それでも、汗の量は微々たるものだけれど。この夏は、冷夏だろうか?……嫌だな。
「トウモロコシ、植えた?」
摘果の最中に訊かれた話だ。桃畑のメンバーは、全員がなんらかの野菜を育てている。プロ、セミプロに加え、僕のような素人もいる。キュウリ、トマト、ビワ……何かしらをお土産にもらえるのは、素人の特権である。畑の作物と合わせると、野菜を買う必要がまるでない(笑)
「植えたけど?」
「もう?」
どういうこと?
「もうって、トウモロコシとしては出遅れなんだけど……」
「じゃなくて、ジャガイモの後でしょ? 植えつけるの早くない?」
そう、ジャガイモを収穫してすぐにトウモロコシの苗を植えたのだ。それは、うどん団子を寝かせないくらい、栽培セオリーに反する行為である。畝はしばらく寝かせるものだ。欲を言えば二週間。けれども、僕には事情があったのだ。背に腹は代えられない……。
「セルトレイのトウモロコシが老化苗になっちゃって、時間がなかったんよ」
老化苗とは、育苗期間が長く根が老化した苗のこと。ジャガイモの収穫タイミングに合わせて、トウモロコシの苗を植えたのだけれど、ジャガイモの収穫が遅れた結果、トウモロコシが老化苗になってしまったのだ。
「あぁ、老化苗かぁ。仕方ないねぇ……でも、ちっちゃいトウモロコシになるよ」
「それは、覚悟の上っす!」
苦笑いで答える僕である(汗)

これは、6月3日に撮影したトウモロコシの苗だけれど、葉の色がとても薄い。プロならば、売り物ならば、破棄するレベルの苗である。僕としては収穫できなくとも痛手にならない。むしろ、老化苗の末路が気になって、実験のつもりで植えてみた。これもまた、素人栽培の特権である。失敗は許されるのだから(笑)
-2025年6月3日-800x600.jpg)
ちなみに、先に植え付けたトウモロコシの葉は緑が濃い。全数で14本。収穫予定は24本。これが収穫できれば、それでヨシ。そう、割り切って今年は育てている。
乱暴な作戦ではあるけれど、7月まで様子を見て、無理だと判断すれば白紙に戻して、種をまけばよいだけだ。敗者復活戦も視野に入れよう。サンドウィッチマンだって、敗者復活戦からM1を制して現在の地位にあるのだ。諦めなければ、なんとかなる。
ちなみに諦めていた里芋も、気づけば一気に芽が吹き出して、10本ほどが発芽した。順当に育てば、この冬は里芋には困らないだろう───なんかもう、すごくラッキー。だから畑はやめられない(笑)

コメント