
春じゃが植えよう
友人が、この世を去って二度目の冬。 今朝は、この冬一番の冷え込みだった。裏を返せば、これから暖かくなるだろう───だから、春じゃがを植えようじゃないか。すでに畝の土はできている。あとは種芋を植えるだけ。 種芋を手に持って、畑にしゃがんで作業を始める。じゃがいもの品種は、キタアカリ。やっぱ寒いな、息が白い。畝にスコップを突き立てると、何かの気配を感じた……幼女が僕の隣で座っている。おかっぱ頭が、ちょこん……って、感じだ。背格好なら五歳くらいか? 見たことないけど、近所の子だろうか? いずれにしても、これはよろしくない状態だ。今のご時世、何を言われるやら分からない。この場を切り抜ける手立てはあるか...