スプーンに鼻を近づければ、嵐の夜の難破船。謎のスパイスの香りが、突風のように駆け抜ける。その後に微かに鼻腔を擽るバターの香り。送れて牛の群れ…それとオニオン。口に含めば、唇と舌先を一斉に襲うミツバチたち。攻撃的な辛味、渋味、酸味、安達祐実。チクチクと舌を刺す刺激が心地良い痛みをもたらす。
それは、1982年創業当時から守られて来た味。愛知の風を感じます。その先にはグレンが背負う活火山が4K解像度。噴火直前です。では、カレーハウスCoCo壱番屋のファイブスパイシーの世界をとくと味わってみましょう。
CoCo壱番屋 手仕込とんかつカレー5辛
スプーンを口に入れた瞬間。紛れも無く5辛カレーはミツバチでした。ルーが舌の上で転がるに連れて、ミツバチは獰猛なスズメバチへと姿を変えます。フォームチェンジと呼ばれる変化です。チクチクという刺激がズシンと重い刺激へと変わるのです。額から流れる汗。首筋、襟元、シャツ、パンツ、ビショビショ。しばらくサウナ通いはお休みです。
一口、二口と食べ進めて行くと、口内では更なる変化が起こります。進化と表現しても良いでしょう。スズメバチが黒い神龍となって暴れて始めるのです。それは、喉を越え胃の粘膜にまで攻撃を仕掛けます。小腸の入り口に見える秀樹感激！。そして、夏は男のジャワ。
邪王炎殺黒龍波、暗黒武術会、飛影…邪眼の力をなめると試合終了。ライスの無駄遣いにも注意を払います。水を飲む行為も逆効果。長年のCoCo壱との戦いで得た教訓です。店内には強力な助っ人が隠れています。決して見逃してはいけません。
それは、ひっそりとテーブルの上に置かれた福神漬け。その姿は、まるで飛雄馬を案じる明子姉ちゃんのよう。明子姉ちゃんを口に含めば、スパイスの花畑、猫のおしっこ、濡れた犬、ジャコウネコ、そして、鳥のうんちシール。ワイン好きなら誰にでも分かる表現です。
その分厚い雲の隙間から差し込む天国の階段。ルーと福神を優しく混ぜると、その階段はいく筋にもなって難破船を照らすのです。無数の天使たちが祝福のラッパを鳴らします。これぞ5倍カレーの楽しみ方。大人には大人のカレー。
ルーの半分を消費したら、トッピングに優しくスプーンを突き刺します。僕の場合、概ねトンカツ。ここまで来たら登頂成功。後は下山の帰り道。折り返しです。ゆっくりと慎重に。そして確実にスプーンの上に小さなカツカレーを盛り付けて口の中へ。
あなたのお財布にもう一枚、英世という名の希望があれば、ポテトサラダも強い味方となるでしょう。冷たくもほのかに甘いマヨとポテトがスパイスの嵐と共に、あなたを異次元へと誘います。絞り出した汗の後。乾いた喉を潤すアイスコーヒーも捨てがたいですね。ワンコインの余裕があれば追加注文したい場面です。
土曜の昼のひと時。今日のお昼はCoCo壱番屋でカレーライスを食べてみませんか？。大切な誰かさんと一緒に。満足度は私が保証します。
では、良い休日をお過ごし下さい。アディオス。
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