月曜日に畑に行くと、割れそうなスイカとプリンスメロンを収穫した。連日の日照り続きで一雨降れば、スイカもメロンも気持ちいいほど割れるだろう。そんな嫌な予感が働いて、今日もサヨリは元気です(笑)
カゴにメロンとスイカを入れて、畑から出る瞬間。ゴロリと何かが落ちた音がする。メロンか? 大丈夫、大丈夫。プリンスメロンはナンボでもあるから大丈夫。そんなぶらり散歩気分で、僕は地面に転がる物体を二度見した。
スイカだった……。
こんなのオウンゴールじゃないか! でも、スイカは生きているぅぅぅ! これくらいなら、ぜったい食える! 日向小次郎なら、きっと食う! 僕はレジ袋にスイカを入れて、そのまま事務所へ持ち帰る。
スクーターのアクセルを持つ手が、スイカの汁で濡れている。指がヌルヌルして気持ちが悪い。だが……しかし、それは糖分が高いって意味じゃね? 糖分があるからヌルヌルしてるんじゃね? その気持ち悪さに期待を込めた。なにはともあれ、割れたスイカを洗いましょう。全ては……それからだ(笑)
収穫したトマトときゅうりも一緒に洗おう。スイカの裏側もお見せしたいところだけれど、なんかね~……パックリ割れた頭みたいだから、なんかグロい。だから写真の撮影をしなかった。高度1メートル上空から、スイカが落下したのだ。その衝撃を……察して下さい(汗)
つーことで、これからオペを始めます。
なんつーの? 猛暑の太陽光線でホカホカになったスイカを、丸ごと食べるのなんて不可能じゃん。たぶん、ぬるいスイカは美味くない。冷蔵庫で冷やせる部分を切り分けて、ぬるいスイカを食べてみた───なんか……すんげー、昭和の味がするのだが?
幼稚園の夏の夜。
庭先で手持ち花火をした後に、食べたスイカの味がする。凄く甘くでもなく、味が薄くでもなく。庭にスイカの種を飛ばしながら、オカンにハイミーを振りかけられて、激怒しながら食うスイカ。何故、その記憶が蘇ったのか分からない。でもこの味は、あの日のスイカと似ている気がした。もしかしたら、オカンがぬるいスイカを出したのかもしれないけれど、その可能性だって否めないけれど、幼き記憶の味が蘇るのが不思議に思えた。
つーことで、友人のお待ちかね。キンキンに冷やしたスイカレビューは、この後すぐ(笑)
猫のお皿にスイカを乗せて、冷蔵庫の中に入れた四時間後。
───整いました(笑)
落としてしまった部分への損傷はあるものの……ナニコレ美味しい。口いっぱいにスイカの果汁が広がると、舌先から喉奥へ程よい甘味と酸味が消化器官を刺激する。その後で、猛暑で乾いた胃袋が水分を吸い尽くす。自分で作っておいてなんだけれど、極上という表現が的確だった。この一個あれば十分だ。一年前の目標が果たせた気さえしている。無いはずの未来を手にした気にもなる。個人評価は合格だ(笑) スイカを堪能したその後で、ほのかに感じる謎の塩っぱさ。それは、たぶん気のせいだと思うけれど……。欲を言えばもう一個、完全体を食してみたい。だからこのまま割れないで(笑)
去年も同じ品種のスイカを食べた。美味しかった記憶はあれど、味の評価などしなかった。そのスイカには物語があったから。そういうのは、美食家のワーちゃんにでも訊けばいい。スイカの味を味蕾に記憶済みらしいから。とはいえ、無事に残ったスイカが実ればの話である(汗)
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