お気づきだろうか? 恐ろしいことに、今年も11月である。
なんつーこっちゃ! 今年が2ヶ月を切っている。ボヤボヤしていると、サンタさんがやってくる。もしも、プレゼントをくれるなら、僕も大人だ。無理は言わない。小さな靴下の中に、13月を入れてくださいな。どうしても、年内に積み本を消化したいのよ(笑)
今のペースじゃ、この積み本。とてもじゃないけど、年内に読み切れない。よく分からないけど、読まなきゃいけない。その先に、何かがありそうな気がして仕方ない。たぶんだけれど、アニキが何かを仕込んでいる。根拠なき予感みたいなものを抱いている。
エッホ、エッホ……ダッシュで読んで失速した。老眼鏡に酔ってしまう……乗り物酔いみたいな感覚だ。頭がクラクラして気持ちが悪い。かといって、眼鏡を外すと文字がぼやけて進めない。弱ったねぇ、老眼鏡の度数が合わない。悪いことではなくて、よき前兆ではあるのだけれど……。
この夏は、度数1.5がよかった。夏の終わりには、度数1.0がよかった。今、欲しいのは0.5。けれどそれが、100均には置いてない。仕方ない、眼鏡屋行くか?
そんなことを考えながら、ブックスタンドの本を見た……なんだこれ? 裸眼でも文字が読めるじゃないか! 近くで読めない文字が、遠くに離れるとよく見える。調べてみると、腕をピーンと伸ばした位置が、僕と文字とのベスポジだった。そっか、そっか、この距離か。昭和のテレビコマーシャルとかで、おじいちゃんが手を伸ばして新聞を読んでいた、あの距離だ。
見えるのだからやってみよう。わざわざ眼鏡をかける必要もない。
掲示板のポスターを読むような感じで、ヘミングウェイの「老人と海」を裸眼で読んだ。やっぱ裸眼、集中力と持久力とがアップする。目への負担は格段に減っている。ただ、問題も……ページを捲るのにタイムラグが発生するのだ。地味に嫌。そこで考える。二冊の本を並べて読むのは、どうだろう? 僕の枯れた脳みそに、そんな便利な機能が備わっているとは思えない。けれども、論より証拠。やってみなきゃ分からない。
ダイソーでブックスタンドを買ってきて、二冊の本を並べて読んだ。「老人と海」の隣には「老人と海」である。そう……「老人と海」
「おやおや……面白いことをやってんねぇ」失笑されてしまいそうだけれど、アニキからもらった「老人と海」は、なんと5種類もあったのだ。出版社が違ったり、翻訳家が違ったり、原文だったり、直訳だったり……読み比べるという点では、同時に読む方が理にかなっている。2冊並べて読んでいるのだから、表現の違いを見つけやすい。
ではでは、別々の作品を並べて読んだ場合はどうなる? ストーリーが混乱しないのか? 登場人物を認識できるのか? そこで、二冊の本を並べて読んでみると……嘘のような話だけれど、それぞれを、それぞれとして認識できた。片方を読んでいる間に、もう片方のページを捲ると、違和感なく読み進められる。両手が開いているのだから、付箋にメモを取ることにも困らない。面白くなったら、片方を読み進めればよいだけだ。
積み本の数が数である。味わうより消化を優先。今は目だけでも通しておきたい。思い立ったが吉日で、さらに3つのブックスタンドを用意した。5冊の本を読み始めると、それぞれの内容が混乱することもなく読めている。掲示板を眺めるような感覚で10ページが消化できる。
これには、もうひとつの利点があった。デスクに座った瞬間、パーンと文字が目に飛び込んでくる。普通に読む。ノーモーションでスタートできる。これ……本をバラバラにして、ページの順番に壁にペタペタと貼り付けて読んだら、すごい速度で読めそうな……しないけど(汗)
───邪道ですねぇ~。
こんな読み方は、読書家の方々から失笑を浴びる行為であるのに違いない。読書に対する冒涜だとも取られかねない。けれども、こちらにはこちらの事情ってのがあって、別にダイソーの回し者でもない。老眼鏡に酔っていても始まらないってことである。少しでも前に進めるならば、やらないよりはマシだろう。
邪道発動! 使えるものは、なんでも使おう。何はともあれ、目が楽だ(笑)

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