猫の話

初七日

元気か? サヨリ! 父ちゃんは元気だ(笑) つーのも、変な言い方ではあるのだけれど、キミがあの世へ旅立ってから一週間が経ちました。友人とは逢えたかな? きっと、逢えたに違いない。だって、今日。僕は友人から手紙を受け取りました。懐かしい文字を見て、とても不思議な気持ちになりました。 キミが逝った翌日。キミの旅立ちの準備をして、畑にキミのお墓を作って、全てを済ませて仕事に出かけて……深夜作業から戻ったのは、午前四時を過ぎていました……なんたるブラック(汗) 習慣とは恐ろしいもので、無意識に事務所へ足が向かいます。そーっと……事務所のドアを開いて闇の中。いるはずのないキミの姿を探していました。まぁ…...
猫の話

ごめん、ごめん……

事務所のドアを開くといつだって、事務所の中にはサヨリがいて、音も立てずに僕の足元に纏わりつくものだから、尻尾なんか踏んじゃったりして───ごめん、ごめん(笑) こんな毎日が日常でした。サヨリに向かって「ごめん、ごめん(笑)」と、僕が言うと「にゃー!」っつーて。サヨリ様がお怒りになるものだから「ご・め・ん・な・さ・ぃ~!」っと、謝罪するのが常でした(汗) 二日前。サヨリが自分で立てなくなって、自分で歩けなくなって、自分でトイレにも行けなくなって……お尻をオシッコで濡らしちゃって。自分でご飯も……食べられなくて……。事務所のドアを開ける瞬間、嫌な予感ばかりがして……。あ、オムツ買うの忘れてた。ごめ...
猫の話

八年間、ありがとうございました

サヨリは今、僕の膝の上で眠っています。今夜はずっと、そうするつもりで、サヨリの体を抱きしめています。辛気臭いのは嫌なので、文面に嫌な表現や不謹慎などがあればお許しください。 2024年10月8日22時34分。 サヨリは虹の橋に向かって旅立ちました。僕はずっと、サヨリの隣にいたけれど、少しだけ目を離した隙に、眠るように……苦しむこともなく……静かにこの世を去りました。いつもの「今日もサヨリは元気です(笑)」が……もう、永遠に書けなくなりました。「ひと言ぐらい、言って逝け」 そう思うほど、サヨリは安らかな顔をしています。とても静かです……寝てんじゃね? サヨリの小さな体を揺すってみたり、何度も胸に...
猫の話

猫の恩返し

真夏には、ギュイーンと伸びて木陰で転がり。真冬になるとま~るくなって、ブロック塀の上に座って日向ぼっこ。時には狂ったように背中をアスファルトに擦り付け、絶対に視線を合わせず、何を考えているのかも分からない。未知の存在。それが、僕にとっての猫でした。好きか嫌いかと問われれば、まぁ、飼う気にもなれない存在です。あの縦細い、ヘビのような目が嫌い。 だって、そうでしょ? 呼んでも来ない生き物だもの。そんな僕が十年近くも、猫のお世話しているのですから、人生なんて、先に何が起こるか分かりません(汗) うちの猫の名前は、サヨリと言います。冒頭のちゅーるを持ったサヨリの画像は、このブログを始めた頃の姿です。今...
小説の話

主人公の背景描写が甘すぎた

まだまだ、書き込みが足りぬ……。 ほかでもない、僕が書いている小説の主人公の話である。のんちゃんのブログ王シリーズの主人公は、飛川三縁ひかわさよりさんなのだけれど、趣味趣向に対する描写が少ない。それは常々思っていたのだが、大所帯になりすぎて、三縁への愛が足りなかったようである。それは、全体的に言えるのだけれど……。 漫画好きとか、アニメ好きとか、そんな描写を盛り込んでいれば、使える単語の幅も広がっていたのに、そこまで気が回らずにここまで書いた。それが僕のミスである。オッツーの変身ベルトくらいやっときゃよかった(汗) 昭和の世界では、共通認識が多くあった。松田聖子、ツッパリ、ヤンキー、アラレちゃ...
ブログ王スピンオフ

女の子同士のひみつ

オッツーが美男子になった翌朝、のんが俺の家に来た。「おはようございます。わたし……早川花音はやかわかのんと申します。三縁さよりさん、いらっしゃいますか?」 玄関に爽やかな風が吹き抜けて、オカンの奇声がこだました。「さ、さ、さ───三縁ぃぃぃぃぃ! 美人が来たよぉ~!」 それはたぶん……絶叫だった。二階の部屋から階段を降りると、オカンがすがるような目で俺を見る。オーバーオールに白いパーカー。白い野球帽を手に持って、ボーイッシュな出で立ちから、滲にじみ出る美しさ。のんである。そうかい、そうかい。それは、そうなのだろうけれども。可愛い我が子に、そのリアクションは酷くはないか? 階段から降りる俺を見た...
ショート・ショート

明晰夢(アタエ)

日曜日から月曜日に日付が替わる直前で、今夜は寝ないと心に決めた。金閣寺に興奮して眠れないのだ。書きたい、書きたい、書きたい……腕がうずいて眠れない。机の上に原稿用紙の束を置き、その横に新聞広告に書いたメモを添えた。もう、舞台は整った。さぁ、書こう。パン、パン、パン。気合を入れて頬を叩く。すると、俺の脳裏に不安がよぎった。アタエ……俺に小説が書けるだろうか? お前が満足するような小説を……。 一度目の人生で、俺を陰で支えたアタエはいない。俺の最高の理解者だった。アタエとの二人三脚に慣れ切った俺が、ひとりで小説を書けるのか? だが、今の俺にはアタエがいない。腹を括くくって、芥川あくたがわの万年筆…...
雑談

どうしましょう、太宰さん(笑)

筆が止まった───洒落にもならん(笑) 書くには書くけど、書いた文章が暗いのだ。どうやっても明るくならない。だから書くのを途中でやめる。書いては保存、書いては保存。僕は書いた文章を絶対に捨てない。どんな駄作であったとて、いつか日の目を見るだろう。そんなケチな思いがそうさせるのだが、それはいつもの〝読む読む詐欺〟で、読み返すこともないのだろう。書いては保存。それは、僕の無意味な癖へきのようなもので、今日もサヨリは元気です(笑) だから取りあえず、保存である。 で、こんな状態に陥った原因も理解している。それは、秋の夜長のお友だち。太宰シリーズがエヴァシリーズのように刺さるのだ。太宰さん、あんたすげ...
レビュー

ダイソーの読書台

相棒からの太宰シリーズ。文豪ナビ、ヴィヨンの嫁、斜陽……そしてようやく、走れメロス(新潮文庫)に差し掛かる。とはいえ、まだまだ序の口、序盤戦。まだまだ先は長いのだ(汗) これらの本は、お楽しみではなくお勉強。つまり、面白かったじゃ終われない。とはいえ僕だって、IQ201の当麻紗綾とうまさやではないのだから、そんなSPECなど持ってない。さらりと読んで、頭に記憶できるわけもない。つまり、原始的ではあるけれど、やっぱ、書いて覚える他に道はないようだ。凡人だもの、王道も、ショートカットの道はない。 もうね、こんなの、ノート如きじゃ追いつかなくて、今日もサヨリは元気です(笑) コスパ重視でコピー用紙に...
猫の話

飼い猫信長と野良猫家康(悪魔の子)

悪魔…… 信長のぶながの寝息を背に感じながら、閻魔えんまは己の過去を振り返っていた。それは、楽しくも悲しい過去であった。閻魔がチャッピーと呼ばれていた過去の記憶が蘇る……。「今日から貴様は、俺の仲間だ!」 あの日から、わたしは光秀みつひでのグループに入った。そして、わたしは光秀を兄様あにさまと呼んで、心から慕っていた。わたしには、新しい世界が広がって見えた。仲間と寝食を共にする。共にじゃれ合い、共に笑う……みんな気さくで優しかった。だが、それも長くは続かなかった。わたしは日を追うごとに大きくなった。我が子のように遊んでくれた、姉あねさんたちの優しい目が、わたしが大きくなるにつれて冷ややかになっ...
雑談

仏の顔も三度まで

金曜日。 バディから電話が入る。来週、二日ほど体を貸してほしいのだとか。僕はスケジュールに目を通す。目を通しながら日時を訊く。「何曜日?」「もう……体がだるくて、月曜日は休みたいんや。だから、火曜日と水曜日で構わんか?」 蚊の鳴くような声で言う。こりゃ、夏バテだな……と、僕は思って、今日もサヨリは元気です(笑)「火、水ね? 間違いない?」「お、おう……」 バディも年だ、仕事を休むのは構わないのだが、日時はカッチリしておかないと。僕は再確認を怠らない。これまで、幾度も泣かされてきたからだ。仕事の詳細を聞きながら、合間、合間で、僕は口を酸っぱくして確認を怠らない。「火、水ね? 間違いない?」「お、...
雑談

知らぬが花とは、このことだ(汗)

金曜日、嫌な気分で帰宅した。余計な心配がひとつ増えた。とはいえ、人間関係とか、金の話だとか……そんな、人間臭い話ではない。いうなれば、身に差し迫る危機と呼ぶべきか……それがワンランクアップしたのは確実だった。 金曜日は夜勤の日。いつものように仕事を終え、いつものように施錠する。そして、これまた、いつものように出入口をチェーンで封鎖するのだけれど、その夜は少し勝手が違った。職場は山の中にあり、月夜の晩は明るいけれど、闇夜の晩には一気に視界が奪われる。数メートル先に貞子がいたとて、それに気づかぬほどの暗がりで、僕は手探りでチェーンを張っていた。チェーンの先の南京錠を取り付け終わると、僕の真横を何か...
ブログ王スピンオフ

へんしん!

俺は恥ずかしかった。とても、とても……恥ずかしかった。もう、お家に帰りたい。何かを思っただけなのに、ウィーン、ウィーンと頭の上で踊る猫耳。それを動かすモーターから、頭皮に伝わる小刻みな振動に、不快な気分しか感じない。 なぁ、ゆきよ。いつからお前は、そんな悪い子になったんだい? 恨めしい目で俺が睨むと、ウインクで返すゆきである……どこで、そんな仕草を覚えたか? 俺、知ってんだ。ゴールデンウィーク明け、フラウ・ボウのコスプレで、アムロとここに来てたこと。「セルフ、行きまーす!」って、うどんを注文したって、ゲンちゃんから聞いたんだ。まぁ、それはそれとして……なぁ、ゆきよ。後生だから、俺の頭の猫耳を、...
ショート・ショート

明晰夢(三島)

日曜日の図書室で古文書に目を通すサクラギは、古代の謎でも解くかのように、背筋を伸ばしてパイプ椅子に座っている。彼が放つ眼光が、俺には武術の達人のように見えた。その一方で、芥川あくたがわは受付デスクに足を乗せ、俺に足の裏を向けている。緊張と弛緩しかん。相反する読書スタイルを横目に、俺は裏が白紙の新聞広告の束を長机の上に置き、その上にBOXYのシャーペンを乗せた───いざ、金閣寺! 俺の準備は整った。 早朝六時を過ぎれば、剣道部、卓球部、バドミントン部、バレー部……体育館も部活の生徒で賑わい始め、グランドからの声出しの響きと相まって、図書室も平日さながらとなるのだが、俺の耳には何も届かなかった。こ...
レビュー

すあま(ヤマザキ)

───ヤマザキのすあま。 かれこれ、一年半ほど。僕はヤマザキの〝すあま〟という和菓子を探していた。スーパー、コンビニ、ドラックストア……ヤマザキ製品がありそうな店に入ると必ず、すあまを探して店内を歩く。本家本元、デイリーヤマザキの看板を見つけると、必ず入店するのだけれど、すあまと出会うことは一度もなかった。 僕は、どういうわけだか求肥が好きだ。例えるのなら、ロッテの雪見だいふく。アイスを包む皮の部分。アイスはどうでもよくて、もっちりとした皮が好き。どれだけ好きかと言えば、自分で作って食べるほど。それを知った友人が───求肥だけを食べたい時は、代用として“すあま”を買ってました。と、ヤマザキのす...
雑談

山ピーじゃん

───いつもと違って、今回は敬体で書きます。書いている人は同じ人ですよ(汗) 僕は勉強ができません。得意分野は? と尋ねられても、人に胸を張って言えるような得意な分野もありません。アニメや映画など、オタクの専門知識だって、誰でも知ってる陳腐なものです。「でも、アナタ。ブロガーですよね? ネットやパソコンなら得意でしょ?」そう言われそうですが、そんなわけがありません。何ひとつ自慢できるものなど、僕のおつむには無いのです。 縁あって、ブログや小説のようなものを書いていますが、それが得意かとなれば話は別で、ふらふらと、ぐずぐずと、ポメラの前でたゆとうているのに過ぎません。そして僕が最も不得手なのが、...
猫の話

飼い猫信長と野良猫家康(生き写し)

それにしても、このニャンコ。恐れを知らぬバカなのか? それとも、天然のアホなのか? 好奇心に満ちた目で閻魔えんまに顔を近づけて。信長のぶながは物珍しそうに、閻魔の細部に至るまで観察している。その無礼千万とも思える行動に、固唾かたずを呑んで見守る猫たちは、同じ未来を思い描く……もうすぐ血の雨が降るのだろう───と。 淡い月光を反射させた閻魔の瞳は愛しい恋人を愛でるかのようで、閻魔の表情は夜空を流れる雲のように穏やかであった。虎柄の白く太い指先を、閻魔が信長に向かってゆっくり伸ばすと、桜色の肉球が信長の頭を優しく撫でた。触れただけで壊れてしまう、そんな……ガラス細工に触れるが如く、慎重に丁寧に、閻...
雑談

中古レッツノートCF-SZ6、購入してから9ヶ月後のレビュー

スペック、デザイン、そして価格。 パソコン選定への道のりは、思う以上に多難です。とはいえ、僕が買うわけでもないのだから、誰がどの機種を選ぼうと、実は僕にはどうでもよくて、今日もサヨリは元気です(笑)「マックかサーフェスにしておけば?」 2024年9月現在で、僕の率直な回答はこれである。そして、きっと───来年も、再来年も、同じ回答をするのだろう。だって、そうでしょ? アップルもマイクロソフトも、共にOSメーカーだから。OSとパソコンには謎の相性みたいなものがあって、そりゃ、OS開発元のパソコンが、最も安定して動くのに決まってる。逆にそうでなければ、恐ろしい。 分かってますとも、理解していますと...
小説の話

読書をすると眠くなる……

秋ですね。秋の夜長と言えば、虫の音と読書です。でもね、本を開くと眠くなるのです。どういうわけだか、とてもとても……グ~。 読書をすると脳が活発に働いて、そのうち脳の息が切れて、疲れて眠くなるのだとか。ラノベでは、そうでもなかったのに、太宰と三島が紡ぐ語彙ラッシュに、僕の脳がついていけない。特に三島由紀夫の睡眠効果は、睡眠薬に匹敵しているようで……読みながら寝落ちして。はっと目覚めて、また読んで。今日もサヨリは元気です(笑) 読書に対する体力が、人並み以下な僕だから、言葉の意味を考える手間暇たるや……これもまた、カレーでも食うかの如く、いくばくかでも脳が語彙を吸収すれば、いつかは眠くならなくなの...
ブログ王スピンオフ

太宰と、三島と、猫耳と。

うどんに並ぶ列の中、ツクヨはゆいから目を離さない。オッツーを取られてなるものか! そんな眼差しで睨んでいる。無論、ゆいにはその気がないのだが、ゆいから漂うお姉さんの魅力が、ツクヨの危機感を煽っていた。「あれをやるわよ!」 ツクヨの心境を察したアケミが、俺とオッツーに提案する。アケミは、ツクヨの意識を別のところへ向けようとしたのだ。俺たちはアケミの案に乗っかった。「じゃ、アケミ。俺たちの注文はいつもので頼むわ。ゲンちゃんにも、あれをやると伝えておいてな。オッツー、行こう───合体だ!」「了解!」 俺たちは、列を阿吽の呼吸で離脱すると、ゆきが懐かしげに手を振った。俺たちの会話が理解できない、のんと...