玉子のパックは小さなビニールハウス。
───捨てるには惜しよな、カリメロ。高騰止まらぬ玉子のパックが捨てられない。分別用にシールを剥がして小膝を叩く。そうだ、この手があった。この中に種をまこう。フタをすれば透明な屋根にもなる。保温効果にも期待が持てそう。もはや玉子パックがビニールハウスに見え始めた。───ど・れ・に・し・よ・お・か・な・?買い込んだ種からゴールドラッシュに白羽の矢。去年、畑でもぎたてを頬張ったトウモロコシの種である。その味が旨いを通り越して、記憶をかき消しもう一度、初見で食べたい味わいあった。その味を育てない選択肢など僕は知らない。2023年2月25日(土)、翌日の予想最低気温は零度。その低温に不安も残る。けれど室...