不気味に土をほじくられ、不自然に荒らされた地面……これは、玉ねぎの植え付けをした日に撮影した写真である。すでに、お気づきだろうか?───好物のミミズを求めたイノシシの仕業である。向かいの畑、田んぼのあぜ道……イノシシなんて見たことないのに。どこもかしこも、このありさまだ。
にしても……場所が悪い。だって、そうでしょ? うちの畑の前だもの。気になって調べてみると、外柵周りがぐるりとやられて、もうね、イノシシ襲来。うちのATフィールド、大丈夫? まっ茶っ茶に錆びちゃって、老朽化が進んでいる……。

イノシシ対策として、畑の2面に鉄製のワイヤーメッシュを張っている。イノシシ専用として、ステンレス製のワイヤーメッシュがあるにはあるが、何さまお高い。なので、建築用のワイヤーメッシュで代用している。残りの2面はアニマルフェンスで囲って、その上から防獣ネットを被せている。値段の分だけ強度が弱いが、そこは大人の事情である。何はともあれ、銭がない(汗)
過去に一度だけ、外柵を突破されたことがある。出入口の僅かな隙間から、グニャリとワイヤーメッシュを曲げて侵入し、サツマイモ畑が荒らされた。もうね、芋を食い散らかして逃げてった……茶熊さんのコメントじゃないけど、食い散らかすのはよくないぞ。
あの日のガッカリがトラウマとなって、補強と強化を繰り返す。すると、あら不思議。うちの畑から出入口がなくなった。これで、ウィークポイントゼロである(笑)
しかし、万全とは言い切れない。滅多にあることではないのだけれど、何かの拍子でイノシシが柵に向かって追突すれば、こんな柵など一撃だ。とはいえ、野生動物が最も嫌うのが怪我である。自然界での怪我は、死に直結するだからだ。イノシシは臆病で、慎重で、賢い動物。無理をしてまで、柵に突っ込むアホなどいない……そう、信じたい。
何はともあれ、畑への被害はないようだ。さて、日暮れまでに玉ねぎの植え付けをしましょうか……。ダッシュで畝にマルチを張っていると、
「今年のイノシシ、スゴくね?」
通りがかりの知人の声。
「あ、久しぶりっす!」
「うちの畑が荒らされて、もう大変だ。お宅さんは?」
「うちは、柵の周りだけやった……」
大きな被害があったのだろう。その声に覇気がない。地面に転がるカボチャを見つめて、知人がぽつりと呟いた。
「それ、おいしくないんやろか?」
「せやな……」
イノシシは、うちのカボチャに見向きもしない。そう言われると、なんか……悲しい。


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