「構想1年、製作2時間。ついに出来た、にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222だぁ。」
「ニャンですか?。また、変なものを作りましたね、お父さん。お父さんも宣告ご承知のとおり、ボクはかぶりものが苦手ですよ。」
「そんな事は理解しているよ、サヨリちゃん。だから、だからこそだよ。Naru姐さんとの極秘共同開発した帽子が『にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222』なのです。」
「いや、いや。どこから見ても、白いドラえもんだから。青色の毛糸で編んだら、もはやリアルドラえもんにしか見えないから。大きな鈴を付ければ完璧だから。」
「馬鹿だかぁ、『にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222』はキミの頭に合わせて作られた一品物なのだよ。フィット感が全然違うだろーーーー!!!。」
「いやいや。このハゲーーー!!!。じゃないから。確かに、これまでの帽子とは格段に違うかぶり心地ですけれど、それでもずっとは嫌ですよ。耳が塞がれるのは、決して心地良い状態とは言えません。」
「そっかぁ~。その割には、ずっとかぶっているよね、サヨリちゃん。」
「まぁ、以前のものよりはマシですかね。」
「じゃぁ、この帽子に少し慣れてもらおっかなぁ~。特訓だぁ!。」
「え~!。」
『にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222』特訓開始!
「お父さん、目が引っ張られます。」
「どうしたら良いかな?、サヨリちゃん。」
「一度、首の後ろまで『にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222』を降ろして下さい。それから帽子をかぶせると目が引っ張られないのと、耳の場所が良くなります。」
「御意!。」
「でも、どうして『にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222』に対しては、訓練するの?。」
「これから、『にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222』が、サヨリちゃんのかぶりもののベースになるからだよ。」
「どういう意味?。」
「これまで、サイズや形を変えながら帽子をたくさんかぶったじゃない?。それは、サヨリちゃんが長時間かぶっていられる形を追い求めての事だったんだよ。その集大成が『にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222』というワケさ。」
「言っている意味がイマイチ分かりませんが?。」
「ようするに、この帽子が普通にかぶれるのなら、この帽子に目とか鼻とか口とか角とか付けるだけで、サヨリちゃんが100%かぶってくれる帽子になるでしょ?。もうね、キミがかぶってくれるか否かが僕らにとっては勝負だったの。」
「なるほどね。それで訓練ですか。」
「この形なら、普通に歩いたり出来るでしょ?。耳が痒くならない限り、普通に生活してるでしょ。その点で『にゃんこ帽子ベースタイプ プロットナンバー222』は、サヨリちゃんの帽子の完成形に極めて近いと判断しています。」
「まぁ、この帽子ならかぶってやってもいいかもね。でも、どうして長時間かぶる必要性があるの?。シャっとかぶせてパシャッと撮れば良いだけでしょうに。」
「サヨリちゃん、鏡で自分の顔を見た事がある?。」
「喧嘩売ってんのか?、ゴラァ~。オンドレぇ~いてまうぞっ!。」
「怒んないでよ、サヨリちゃん。サヨリちゃんの可愛いお顔って結構レアなんだよ。だいたい寝てるか、寝ぼけ顔かなんだよ。だから、可愛い顔のシャッターチャンスを逃してしまうのです。だから、長い間かぶってくれていた方が、カメラマンとしては助かるのです。」
「そうですか、だったら可能な限りご協力しましょう。別に眠っていても良いのでしょ?。」
「普通に生活してくれていたらそれでいいよ、サヨリちゃん。変わるのは帽子の上の部分だけだから。」
「まぁ、寒くなって来たので、こうやって温まれるのも良いかも知れませんね。ではボクはしばらく眠るので静かにして下さいね。アディオース!Zzzzzzz…………。」
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