雉虎細魚

土曜日(ショート・ショート)

明晰夢(序)

あの頃に戻れたら……  これが還暦ブルーというものか? 六十歳を前にして過去の記憶が蘇る。大人の記憶は曖昧で、幼い記憶は鮮明だ。認知症になると自分を若く思い込む。それが理解できる年になった。受け入れたというべきか……。  人生を振り返る夜。それは、誰にでもあるのだろう。あの頃に戻れたら……いや、もう人間なんて一度で十分。俺は人生を諦めていた。後は年老いて死ぬだけだ。  そんな俺にも、ひと目会いたい人がいた。数年前、彼女は先に旅立った。だから、あっちで会おうと心に決めた。言えずに終わった言葉があった。  とはいえ、俺の健康ばかり気遣った女である。何よりも、俺の長寿を願った女である。おいそれと死ぬ...
金曜日(小説の話)

生きた文章とは?

───金曜日は小説の話。  以前の僕は、執筆テクニックだけを追い求めていた。哀愁とか情景とかの類に興味もなかった。SEO(検索エンジン最適化)を駆使して、それっぽい文章にフックを絡めて記事を書いていた。なにはともあれ、検索上位表示が最優先。アフィリエイトするなら王道の手段で、今日もサヨリは元気です(笑)  キジとら(このブログ)を書き始めて八年が経過した。過去記事を遡れば、書き始めてから二年ほどの期間。それに準じた文章を書いている。その証拠に、今でも古い記事へのアクセスが幾分かあり、さらに売上も発生している。アフィリ界隈での常識〝記事は資産〟の具現化だ(笑) 今でもそれを続けていれば、収入面で...
木曜日(雑談)

薫る花は凛と咲くをジジイが読んでみると……

───木曜日は雑談の日。  珍しく、今日は漫画の話でも。  このブログの前のブログでは、漫画の記事を書いていた。漫画ネタは集客力があるからだ。とはいえ、猫ブログに漫画はいらぬ。つーか、コンビニで立ち読み禁止になってから、漫画との接点がプツリと切れた。こう見えて、ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン……ひと通りの雑誌に目を通していたのだ。その当時の僕には、漫画は教養……そいうことです(笑)  漫画と離れた僕にも転機が訪れる。すべては、SPY×FAMILYから始まった。執筆の肥やしにと、相棒が送ってくれたのだ。流行りの漫画の知識くらい、僕のオツムに入れておいてほしかったのかもしれない。「雉虎...
水曜日(猫の話)

ザブンとプール、二度目の夏

───水曜日は猫の話。  地球上に猫が誕生したのは13万年前。中東の砂漠を生息地としたリビアヤマネコだと考えられている。猫が水を苦手なのは、その影響があるからだ。そして、DNAに刻み込まれた生態は今も残る。猫はコタツで丸くなる(ならないけど)のは、猫が寒さに弱いからである。裏を返せば夏が好き。脈々と受け継がれた習性は、しっかりと愛猫サヨリにも残っていた。冬はコタツで越冬だ(汗) 夏は割と快適そうだった。とはいえ、2020年以降になると話は変わる。今でも可愛い顔だが老いには勝てない。夏の暑さが辛そうだった。気温が上がると体調が狂う。 ───サヨリさんは夏に弱くて……  過去の記事を読み返すと、そ...
火曜日(レビュー)

腕のコリにせんねん灸

───火曜日はレビューの日。  腕の筋肉がパンパンだ、腕橈骨筋わんとうこつきんがガチガチなんだよ……痛い。もはやこれは職業病である。職業病であるが故、この筋肉を休めることは不可能で、今日もサヨリは元気です(笑) 床に転がる愛猫を眺めて我思う。お前はいいなぁ……ずっと寝てて(汗)  とはいえ、この痛み。対策が必要である。美人トレーナーさんが、毎晩、腕をモミモミしてくれたらよいのだけれど、そんな都合のいい話はどこにもない。だから、セルフマッサージに勤しむけれど、回復には及ばない。左手に痺れが出始めて、脳の病気を勘ぐるほどだ。六十近くなれば、そんなこともある。それこそ、半年以上もそんな感じが続いてい...
月曜日(畑の話)

今年はミニトマトが豊作らしい(2024)

───月曜日は畑の話。  日曜日に畑に行った。  お目当てはきゅうりである。三日ほど行けなかったけれど、そこそこ採れるんじゃね? そんなぶらり散歩気分で、今日もサヨリは元気です(笑) 畑を見た瞬間に異変に気づく。一番最初に畝に植えたきゅうりが……完璧に枯れていた。摘芯すると、きゅうりは一気に実をつけ、一気に枯れると耳にしていた。そのとおりの展開だった。思ったよりも早く感じるのだが……仕方ない。残った苗にがんばってもらおう。畑やってりゃ、こんなこともある。  きゅうりの隣で元気なのがミニトマトだった。アイコ(ミニトマト)とフルティカ(中玉トマト)を交互に植えている。去年の経験上、そうすると出来が...
日曜日(ブログ王スピンオフ)

のんちゃん、初めてのさぬきうどん

サヨちゃんを追いかけて、四国の大学へ進学したのんちゃんには夢があった。それは、サヨちゃんと本場のうどんを食べること。それが叶う前日の夜。わたしは、明日の予定をサヨちゃんに訊いた。そう……わたしがまだ、小学五年生だった頃の話である。 「サヨちゃん。明日もグリム? グリムでのんちゃんと会うの?」  わたしは訊いた。 「明日は、のんと一緒にゲンちゃん行くけど。のんちゃん、ずっと我慢してたんだって。さぬきうどんを食べるのを。だから、食べさせてあげようかと思って。ツクヨも行くか?」 「あわわ……」  わたしは一瞬、固まった。わたしだって五年生。子どもみたいな野暮などしない。わたしに構わず行ってこい! 「...
土曜日(ショート・ショート)

琥珀と涼子の恋バナ

お好み焼き屋のカウンター席で、私は緑川涼子みどりかわりょうこと談笑をしていた。涼子は同じ大学に通う親友だ。唐突に、涼子は私に質問を投げた。 「なんで琥珀こはくは、アイツなの?」  それは、涼子からの剛速球のストレートだった。 「なにが?」  一瞬、私は答えに困った。アイツとは、同じ大学に通う赤城純主あかぎよしゆきのことである。 「どうして琥珀が、あのバカなんだろう……って、思ってね。バカと言ったのには悪意はないのよ。でも、バカでしょ? 赤城君」  アイツをバカと呼べるのは、私の専売特許なんですけどぉ……その気持ちを私は抑えた。大きな会社のご令嬢が、あのプライドの塊が、庶民の恋愛事情に興味を示し...
金曜日(小説の話)

名作か? それとも迷作か?

───金曜日は小説の話。  日曜日、新作の滑り出しを確定させた。とはいえ、いつも最初が難しい。いつまで経っても決まらない。下手すりゃ最後まで決まらねぇ(汗)  プロローグと第一話の原稿を、そっくりそのまま相棒へ送る。締め切りなしの期限なし。ゆっくり読んで下さいね。そんなぶらり散歩気分で送ったけれど、翌日に回答メールが飛んできた(汗)  プロローグは短文で、エピローグも短文で、第一話は長文で、今日もサヨリは元気です(笑) プロローグはフックの役目で、第一話は主人公とヒロインの紹介だ。今回は登場人物がガチで多い。主要キャラの全員を登場させたパターンは、すでに相棒に送信済み。けれど、どう考えても今回...
木曜日(雑談)

喫茶アンデルセン

───木曜日は雑談の日  きゅうりってのは、放っておくと大変なことになる。どんどんデカくなって味が落ちる。その成長速度も早い。一本残らず収穫しても、三日もすれば、今日と同じ光景が目の前に広がるのだ。既視感(デジャブ)なんて甘い話じゃない。もはやこれはループである───今年のきゅうりは強敵だ。  きゅうりの貰い手を考えないと、冷蔵庫が飽和する。ついでに、僕の胃袋だって、そこまで寛大にはできてない。農作物が金を介さず流通するのが田舎である。捨てるなら、誰かにあげよう畑の野菜。それは美しい考えだ。けれど、分ければ余る、奪えば足りない。この現実に直面する。今年はきゅうり余りの年なのだろう。その証拠に、...
水曜日(猫の話)

飼い猫信長と野良猫家康(浮気発覚)

降り続く雨の中、茶色い猫は屋根に通った。友達と会うために。しかし、家康が姿を見せることはなかった。雨雲を眺めて信長は思う。きっと晴れたら、家康も姿を現すだろうと。  翌朝。信長が窓の外を見ると、空いっぱいの青天だった。よし、晴れた。今日は家康に会えるだろう。信長は、ご主人様が準備してくれたカリカリを少しだけ残し、猫砂の上に用を足し、外の世界へ飛び出した。いわゆるこれが脱走である。 ───いた! 家康だ。  信長は、家康めがけて一目散に駆け寄った。 「家康ぅ! 家康、家康ぅ!」 「久しぶり。秀吉」  いつもどおりの〝秀吉〟に、信長は少しうれしくなった。それでこそ、家康だ。 「信長じゃ!」  信長...
火曜日(レビュー)

パイロットの万年筆のインクが切れた

───火曜日はレビューの日。  ほ? マジで……。  万年筆が書けなくなった。いや、いや、いや……あれだぞ。今月、買ったばっかやん。6月12日の記事に書いたばっかやん? ない、ない、ない。壊れるには早すぎだ。  もしかして、これがインク詰まりというやつか? つまり、ペン先をぬるま湯に浸けたら復活するやつ? そう思ってやってみたけど、お湯に浸けても復活しない。あ、そうですか。これはまさかのガス欠ですか。万年筆をバラしてみると、カートリッジが空っぽだった。でも、スペアなんて買ってない。だって、そうでしょ? そんなに早く、インクが切れるなんて想定外で、今日もサヨリは元気です(笑) 予想の3倍、インク...
月曜日(畑の話)

トウモロコシ(ゴールドラッシュ)を収穫しました 2024

───月曜日は畑の話。  2024年6月26日(水)。  トウモロコシ(ゴールドラッシュ)を収穫した。とはいえ、苗の成長速度がマチマチなのだ。五本だけの収穫だった。素人菜園の落とし穴(汗) 一昨年から書いているけど、僕はトウモロコシをその場で食べる主義である。煮たり焼いたりするよりも、それが最も美味いからだ。野良仕事の合間にトウモロコシを採ってかぶりつく。一度でもそれを味わえば、これ以外の食べ方を僕は知らない。だから、畑から持ち出したトウモロコシに興味が持てない胃袋になった。だって、そうでしょ? ガリッと齧るとコーンの粒が口の中で弾け飛んで、ジュワッと甘い果汁が口いっぱいに広がって、穀物よりも...
日曜日(ブログ王スピンオフ)

シュークリームが新メニュー

のんがグリムでバイトを始めると、客層が一気に変わった。のん目当ての客が増えたのだ。来客増加は売上げに繋がるけれど、マスターは困り顔だ。にしても、今日はお客が少ないな……そっか、のんは早上がりの日だったっけ。そんな日は、のんは一度、アパートへ戻る。ラフな姿に着替えてから、お客として来店するのだ。そして、俺の隣で勉強を始める。本でパンパンに膨れた、のんのリュックを見る度に、俺は桜木のランドセルを思い出していた……。 「ねぇ、飛川君。若い男の子が来てくるのはうれしいけど……飛川君なら分かるでしょ? 何かいい案……持ってない?」  グリムの奥さんが俺に問うのだが、都会からレベチな天使が舞い降りたのだ。...
土曜日(ショート・ショート)

90分間の奇跡

彼の顔は青ざめていた。  本日投稿予定のショート・ショート。その準備が整わない。ブログ公開時間まで、90分を切っている。なのに一行も書けていない。てか、書くことすら決めていないふうに見える。ザ・ピンチ! 絶体絶命とはこのことである。 「やるっきゃねぇーんだよ」  そうつぶやくと、彼はキーボードに指を乗せた。画面を睨むこと3分経過。画面は3分前と同じまま。一文字も打ち込まれていない。空白すらも何もない。  わたしは彼を見守るだけ。わたしには、それしかできない。わたしは一年前から、これと同じ光景を何度も見守った。彼の毎日は、時間とのチキンラン。それが彼のライフスタイルになっていた。それでも彼は、間...
金曜日(小説の話)

のんちゃんのブログ王は、しれっと第二章へ突入しました

───金曜日は小説の話。  小説を書き上げた達成感の裏側で、モヤモヤした不完全燃焼な気持ちがあった。僕はプロじゃないのだから、ここは好きにやらせてもらおうか(笑) そんな気持ちで、描ききれなかったアレコレを、スピンオフで書き始めた。てか、このまま終わるのが寂しくて、今日もサヨリは元気です(笑)  オッツーには悲しい過去がある。桜木には次元を超越した背景がある。ツクヨのパパには深い愛があって、じいちゃんには叶わぬ恋が……。それを書き進めていれば、本編への熱だって冷めないだろう。処女作だから、てか、長編だもの。どれだけ伸びても構わない。どこまで行っても構わない。  ちょいちょいと、本編から未来の話...
木曜日(雑談)

ショート・ショートの手直し開始

───木曜日は雑談の日。  ショート・ショートの手直しをします。  つい先日、相棒からの予告があった。ショート・ショートの手直しに着手したのには、きっと、今がそのタイミングなのだろう。そう僕は勝手に思っている。僕は彼に従うのみで、今日もサヨリは元気です(笑) 料理、パソコン、イラスト、将棋……何かの技術を習得する。その最短コースは簡単である。〝指導者に黙って従う〟これに限る。本を与えられれば本を読み、言われたことを実行する。余計なことは考えない。これに限る。それでも覚えの悪い僕である。今だって、イージーミスの連発だ。ホント、相棒には頭が上がらない日々なのだ(汗)  話は変わるけれど、先週、相棒...
水曜日(猫の話)

飼い猫信長と野良猫家康(裏切り者)

───裏切り者……信長の心は怒りに震えていた。  屋根の上、仲睦まじく語らう猫。それは紛れもなく家康とケイテイの姿であった───それを目撃した信長は、怒りで身も心も震えていた。ジジイのくせして、お前は孫ほど若い女に手を出すのか? なぁ、家康。そうなんだな? お前、生粋のロリコンなんだな! 初めて外の世界で信頼した男の裏切に世界のすべてが歪んで見えた。歪みの果はてに信長は誓う。俺の殺すリスト。最初に書く名は〝家康〟であると……。 「じゃ、またね♡」 「せやな……お前も、がんばれや」  ケイテイが屋根から降りるやいなや、信長は家康に駆け寄った。 「裏切り者ぉぉぉぉぉ!!!!」  やんのかステップで...
火曜日(レビュー)

苺の屋根の日焼け避け(クールホワイト)

───火曜日はレビューの日。  桃畑(摘果&袋掛)の最終日。  日差しが強くて苺(よつぼし)がイマイチ。日焼けしたのか実が固い。とはいえ味は上々で、今日もサヨリは元気です(笑)  去年は水が切れて枯れた苺だけれど、今年はまだまだ実をならす。この調子ならまだまだイケる。四季なりの名は伊達じゃない! こうなれば、ようやく君の出番だよ(笑) 〝農家さんが使ってる! 明るさ残して熱線カットのクールホワイト〟 昨年、友人が僕に伝授した秘密兵器の出番が来たぜ。  友人が、この事態を予見していたのは確かである。だから去年、準備してくれたのだ。僕が水切れの失敗さえしなければ……昨年もクールホワイトを使っていた...
月曜日(畑の話)

きゅうりに入ったやる気スイッチ

───月曜日は畑の話。  今年もどうやら失敗ですか? そんな、きゅうりが本気を出した。追肥と摘芯とのダブルパンチが、やる気スイッチを押したのだろうか? 気を抜けば……きゅうりである(汗)  今は自己消費で賄まかなえるのだが、三本の苗だけならよかったけれど……保険に仕込んだ二本の苗まで、ニョキニョキと加速を始めた。きゅうりの苗が五本になれば、自己消費の限界値を大幅に超えるのは明らかだ。そして、摘芯したきゅうり。事務所で密かに根出し中だなんて、お釈迦様でも気づくまい。僕は心配性なのである(汗)  それもこれも、去年の不作が原因だった。もうね、誰でも作れるきゅうりなのに、今年もダメだったらどうしよう...