雉虎細魚

畑の話

強風続きで、ナスの葉っぱがバラバラです

───2025年4月10日(木) 夏野菜の準備もひと段落。さりとて、種の発芽が気になって、畑に行くと事件です! アイキャッチ画像でお気づきだろうか? 辻斬つじぎりに襲われたかのように、ナスの葉っぱが切れてます!───このバラバラ事件の犯人は、やはりハキリの野郎だろうか? 第一容疑者に浮上したのがハキリムシ。こいつは苗の葉っぱを切り落とす。とても手癖の悪い虫で、去年はマスクメロンの新芽を軒並みやられた。その苦い記憶が蘇るのだけれど。この現状……果たして、ハキリ野郎の仕業だろうか? ここまで育ったナスの茎。それを切る猛者もさともなれば、ゴジラ上陸くらいの脅威である……そんなことって、ある? そもそ...
畑の話

スイカの種まき(2025)

───2025年4月8日(火) ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば……もうちょっと、風流に鳴いてくれないか? 山の麓ふもとでせわしなく、カラスとホトトの大合唱。おまけに暴風だって、春何番だよ?……営業妨害も甚だしい(汗) それに加えて玉ねぎの葉が倒れてる……つまり、待ったなし! これそまさしく、収穫のサインなのである。 やりたくないけど、やりますかぁ! おやおや……アスパラガスは初物だ(笑) 玉ねぎを収穫すると、畝うねがひとつ空き家になった。実に寂しい……サツマイモを植えるべく、古い黒マルチを剥がして、牡蠣殻かきがら石灰を振り撒いた。そして丹念に土を耕し、新たに黒マルチを施した。蔓ボケするから...
小説始めました

後ろの席の飛川さん〝004 先駆者、飛川月読〟

後ろの席の飛川ひかわさんは変わり者だ。その表現に問題があるのなら、先駆者せんくしゃと言い換えてもいいだろう。パイオニアだ。「きいちゃん、おはよう」 学校の下駄箱の前。甲高い声で、朝のあいさつをする飛川さん。「飛川さん、おはようございます……げっ!」 制服のスカートの下に体育のジャージをはいている。これって……セーフなの? 教室に向かって並んで歩くと、飛川さんが歩を進める度に、パカパカと上履きが音を出す。 飛川さんの制服姿は、上着の袖は指先まで覆い、スカートは膝小僧をすっぽりと隠す。上から下までブカブカだ。これもまた、小柄な飛川さんの成長を見越してのことであろうけれど……。 ボクは飛川さんの服装...
小説始めました

後ろの席の飛川さん〝003 便所飯の脅威は去った〟

平岡修斗ひらおかしゅうと君からの助け舟で、便所飯の脅威は免れた。平岡君に吸い込まれるように、ボクは彼の席へと移動する。「まぁ、黄瀬きせ君。ここに座んなよ。にしても、すげぇ~のな。飛川月読ひかわつくよだっけ? 夢が花嫁って、ピュアの申し子って感じだな。それとも、ウケ狙いかな? でも、あの子……どっかで見た気がするんだけどなぁ。思い出せないのがモヤモヤする」 平岡君が首をひねる。飛川さんの容姿に、ボクも同じことを感じていた。彼女は、芸能人や有名人の誰かに似ているのだろうか? そう言われたら……誰かに似ている。「そんなことより、飯だ、飯」 制服の上からもうっすら分かる筋肉が、彼の自信の源なのだろう。...
畑の話

トマト、ナス、キュウリ、ピーマンの苗の定植(2025)

2025年4月6日(日) 桜吹雪を眺むれば、そろそろ頃合いの気配を感じた。やっとけ……か? いずれにせよ、今週は夏野菜の定植をしなければならず、どうせなら早く済ませたい。そんなぶらり散歩気分で、スーパー(マルナカ)とホムセン(ダイキ)で、トマト、ナス、キュウリ、ピーマンの苗を一本ずつ購入した。スーパーは70円台でホムセンは80円台の苗ばかり。この10円の差が後に響くか否か? 今年も興味本位の実験である(笑) 値段が値段だけに品種がよくわからない。ピーマンは京みどり。トマトは共にホーム桃太郎。スーパーのナスは千両二号で、ホムセンのナスには中長ナスと書いてあった。200円代台、300円台の苗もある...
小説始めました

後ろの席の飛川さん〝002 学級委員長は瀬戸の花嫁〟

これから学級委員長の発表だというのに、飛川ひかわさんはネームプレート磨きに精を出し、広瀬さんは時が停止したように、ぴくりとも動かない。 我が明光中学は、ひとクラス三十名の三組編成で、受験テストの順位で振り分けられる。上位の三十名は、ボクが所属する一組だ。そして、新入生が慣れていない今回に限り、入学試験の成績トップが学級委員長に任命される。副委員長は二番手である。スクールカースト……いやだ、イヤだ、嫌だ……。そんなものになりたくない。 ボクは図書委員になると決めていた。夏は冷房、冬は暖房。設備環境が整う図書室で、ボクは三島文学を満喫するのだ。図書委員の肩書きさえ手にすれば、誰にも邪魔されることは...
小説始めました

後ろの席の飛川さん〝001 悪しき習わし自己紹介〟

001 悪しき習わし自己紹介 あがり症のボクにとって、自己紹介とは学校の悪しき習わしだ。刹那にボクの顔面が、血の赤に染まるのが分かる……ドクドクと心臓が波打って、焼けるように顔が熱い。ボクの後ろの席から伝わる、背中の振動と相まって、生き地獄とはこのことだ。早くお家に帰りたい。ボクの気持ちなどつゆ知らず、己の才能と知識を見せびらかすように、クラスメイトの自分語りが始まった。こんなの、自己紹介という名の自慢大会じゃないか! 承認欲求の塊に、ボクの叫びは届かない……憂鬱だ。 ボクが通う明光中学は、県下有数の進学校である。中学生といえどもプライドは高く、夢のスケールもかなり大きい。医者、学者、官僚、弁...
小説始めました

後ろの席の飛川さん〝000 ネームプレートの都市伝説〟

000 ネームプレートの都市伝説 卒業式の日。ネームプレートを交換したカップルは、将来必ず結ばれる─── 登校初日。小耳に挟んだ情報では、ネームプレートの争奪戦が、今年も盛大に繰り広げられたらしい。ふふふ……ぬるいな。実にぬるい。机上に彫られた謎の窪み。ボクはそれを見つめてほくそ笑む。 だって、そうだろ? 友だちいない歴、十三年目のボクである。この学校の誰よりも、現実の辛さを知っている。小学時代は給食だった。だから便所飯の経験こそないけれど、イジメの辛さは体験済みだ。それに、不登校……引きこもりの日々だって。 引きこもり生活で出会った文豪たち。三島も太宰も、苦悩ばかりの小説じゃないか。太宰の名...
小説の話

本も読めたし、桜も見たし、今宵は新作の投稿準備───

僕の読書は三冊ワンセット。先ずは文豪読破が先決で、その気持ちがとても強い。というのも……文豪の作品は削られるんですよ、僕のピュアな心を(笑) なんかねぇ~……重いっつーか、しんどいつーか。文豪が生きた時代には、人生の選択肢があまりにも少なくて、生きるか死ぬしかないようで。読んでいる僕としても、どんどん逃げ場を塞がれるような気分にもなるのです。苦悩と苦痛、ジレンマと地団駄じたんだ、嫉妬と裏切り。彼らの語彙力で追いつめられる気分たるや……。 二月と三月を費やして、せっせと読書に勤しんだけれど、積み本制覇には至らなく。そうこうしているうちに、明日から四月。つまり、明日から新作の投稿が始まるわけです。...
レビュー

業務スーパーの不思議なお菓子、ハルヴァ プレーン

「これ、昔から気になってたのぉ~。一年前だったかなぁ~、テレビで見たの。ハルヴァなんとか」 読書中、謎のタッパーがデスクに置かれた。ドスって感じの音がした。同僚ワーちゃん、久々の登場である。どうにかならんか? その、ファブルのヨウコさんみたいな話し方。「そ」 広瀬忍そのままに、返事を返す僕である。広瀬忍とは、四月から公開予定の小説の主要キャラの名前である。つまり現段階において、相棒しか知らない人物なのだ(汗)「これ、ブログのネタにしてよぉ~。本ばっか、読まずにさぁ~。いっつも、本ばっか読んじゃってさぁ~。ほれ、記事ネタよぉ~……」 大きなお世話じゃ!「それ……何?」「知らん、業務スーパーで買っ...
ブログ王スピンオフ

新人作家と老作家

小説家は物事に敏感な生き物で、些細なことにも興味を示す。新人作家、飛川三縁ひかわさよりも例外ではない。駅で花音を待つ間、ひとりの老人に目が留まる。本を読む老人の姿が輝いて見えたのだ───〝檸檬れもん〟か……。 誰かのお迎えだろうか? それとも旅行? 老人の表情が実に明るい。まるで、恋人でも待っているかのような……もしかして、奥さんだろうか? だったら、ロマンチックな待ち合わせである。三縁は思う───かくありたい。 ぼんやりと老人の所作を眺めていると、三縁のスマホにメッセージが入った───〝少し遅れます。ごめんなさい〟花音かのんからの連絡だ。一旦、引き返そう。そう考えた三縁であるが、その老人が気...
小説の話

今さらながら、読書を通して思うこと

本を読む……なかなかどうして、これが辛い。今だからこそ書けるのだけれど、昨年末。相棒からの書籍が山積みだった。未読の山にため息が漏れた。この冊数……僕の寿命が尽きぬうちに読めるのか? そんな不安が脳裏を掠める。 けれど、おざなりはできない。なおざりなどあり得ない。ブログを書いて、小説を書いて、本を読む。この道を歩むのなら、当然で、必然で、必須条件になるのだろう。にしても……読んでも読んでも本が減らないわけで。相棒に申し訳ねぇ~……そんな気持ちでいっぱいだった。 文庫本一冊あたり、早くても一ヶ月を要する僕である。興味が薄れた本は、当然のように年をまたぐ。カメよりも遅読な速度でテクテクと読み始めた...
畑の話

夏野菜の土作り(2025)

今日は、全国的に春分の日である。 自然をたたえ生物をいつくしむ日に、夏野菜の準備をするのもおつなもの。午後から畝にすき込む鶏糞を買いに、最寄りのホムセンへ出掛けたのだが……致命的なミスを僕は犯した───ポッケに入れたはずの財布がないじゃないか! お金がないのだから鶏糞が買えなくて、今日はやけに道が混んでいて、引き返すのが億劫で、いっそのこと、今日の作業を中止にしよう! そんな、おざなりな……渋々、とんぼ返りで財布を探して、ようやく畑に到着したのが午後三時。なんつーか、畝が三つに笹の根を駆除する予定だけれど、二時間しか時間が取れない。気合を入れてギアを上げて、やれるだけやってみよう。さりとてこの...
畑の話

ホムセンで見つけた茄子の苗

月曜日、本を読んでいると謎のめまいに襲われた。グルグルと天井が回って立ってられない……。ふと〝脳血栓〟の文字が頭に浮かぶ。それを考える年齢でもある。でも、そうでもない気もするのだが?───推しの子か? 推しの子なんだな? 心当たりがあるとすれば〝推しの子〟だ。日曜日、コミックス全16巻と小説版(二冊)の一気読みには、自分でも無茶があると思っていた。薄いからという理由だけで、春琴抄(谷崎潤一郎)まで読んだのだから、これまでの経験上、常軌を逸する行動だったのは明らかだ。知恵熱ならぬ知恵めまい。アクアマリンに、めまいがしたとて当然だろう。アイドルは、人を酔わせてナンボだし。 けれど、原因はまったく別...
畑の話

よつぼし苺の花が咲く(2025)

2025年3月14日(金)……世間では、ホワイトデーと呼ばれる日であるらしいのだが、特別なことなど何もなく、気になるのは明日からの雨。暖かいのと畑の具合が気になって、仕事終わりに畑に寄ると、ホトケノザが花満開! この世に大切なのは愛し合うことだけとばかりに、春の風におしべとめしべが揺れている。 それはいいけど、松崎かっ? ってくらい、茂りすぎ。ホトケノザの勢いに、マンバ(高菜)の成長が負けそうだ───ちょっとだけでも、間引かなければ! 明日と明後日は雨予報。雨の日に畑を弄るのは、一般的によろしくないと言われている。湿った畑の上を歩くと、土を練った状態になって土壌が固くなるからだ。つまり、今日を...
小説の話

谷崎潤一郎の猫の描写が〝猫あるある〟の連続で。この人、めっちゃ猫好きじゃん!

夏目漱石は、一八六七年生まれって……慶応じゃね? 江戸じゃん! 夏目漱石の生まれ年が、大政奉還と坂本龍馬の近江屋おうみや事件と同年なのも、ついさっき判明して……こりゃぁ、読書どころでは済まないわ……。『通信簿、万年国語2』 これがキャッチフレーズの僕だけれど、社会科だって負けず劣らずで、まさかの江戸の響きにグフっとなった。 こんなことを調べ始めたのは、相棒からの小包が切っ掛けで、開封の儀の場には、同僚ワーちゃんが同席していた。相棒からの頼まれ物があったからだ。初めて見る開封の儀では、クリスマスプレゼントを開く幼子のように、ワーちゃんの好奇心の目がギラギラしている。「うわぁ~、ちゃんと区分してる...
レビュー

こんなことある? 充電できなくて壊れたはずのKindleが、しれっと復活したのだが?

2021年に購入した、Kindle paperwhiteから充電を拒否られたのは、去年の今頃のことである。何度も何度も果てしなく。Kindleへの充電を試みても、一向に「Kindleを使用する前に充電してください」のメッセージが消えやしない。ネットで調べてみると、この症状は割とあるようで、なのに解決策は皆無であった……。 とはいえ、Kindleの仕組みは単純なはずである。つまり、電源回路の不具合が原因なのだろう。思いたくもないけれど……Kindle壊れた。そう判断するのが正解だけれど、新しいKindleを買うのも気が乗らない。安い買い物ではないからだ。数千円なら買うのだけれど……対応策があるに...
雑談

文章には、人となりが滲み出る。

外套がいとうとは、防寒防雨のため服上に着用する衣服のこと。 シャーロックホームズや怪盗ルパン。ハリーポッターが制服の上から、冬の野外で着こなす上着。それが、僕の持つイメージである。現代の言葉に言い換えればコートであるが、昔の僕はその意味すら知らずにいた……。 文章には、人となりが滲み出る。 ブログに寄せられるメールから、僕が得られるのは文字情報だけである。人気ブログでないのだから、恥ずかしながら、その数も希少である。若い人たちなら意気投合し、オフ会と称して実際に会うこともあるのだろう。そこで親睦を深めたり、ブログ仲間を増やしてみたり……。 けれど、僕のようなオールドタイプにとって〝会う〟という...
雑談

取りあえず、何かを書こう。

ブログに関して、今の僕はナマケモノだ。 のらりくらりと、ブラブラしている。 下書きだけは、富士山ほど書いているけど、読み返せば愚痴ばかり。何ひとつ、ネットに出せる代物じゃない。ブログつーのは、酔ったサラリーマンが愚痴を吐く居酒屋じゃねーんだよ。自虐ネタにして面白ければ出せるけど、そうじゃない文章なんて出しちゃダメ。公衆の面前で、笑えない愚痴など書いてはいけない。それこそ、友人が泣くだけじゃ(笑) とはいえだ……取りあえず、何かを書こう。 ブログの更新は、ご存じのとおり牛歩ぎゅうほだけれど、小説は至極真面目に書いていて、四月分のチェックも終わり、五月分の原稿は相棒と共有済で、すでに来月の準備は整...
畑の話

冬の雑草、ホトケノザ

畑に生えた雑草の種類で、土の状態が分かるらしい……。 畑を始めた2022年。畝以外の土は固く、雑草とは無縁の状態だった。当時は、コロナ禍であり、三密が叫ばれていた。まぁ、普通に人とも会えず、外出することも少ない。軽い運動を兼ねて、せっせと畑の土質改良に取りかかる。 世界中で暗雲が立ち込めた時期である。下手をすれば、食料危機の恐れもある。多少なりとも、備えあれば憂いなし。それに加えて、ブログを毎日更新していたのだから、記事に華でも添えましょう。そんなぶらり散歩気分で畑を始めると、大喜びしたのが友人だった。後で知った話だけれど、友人の畑の腕前はプロ級だった。嫌でも会話が盛り上がる。 何もかも、神の...