雉虎細魚

レビュー

おしぼりショック!

あるべきものが、そこにない……。 その現実に直面したら、アナタは何を思うのでしょう。僕にとって、それは耐え難きショックでした。きっと多くのお客さまが、僕と同じ衝撃を受けたでしょう。あてどなくさまよいながら、店内を探し回ったのに違いありません。少し不機嫌な顔つきで、店員さんに尋ねたりもしたのでしょう。「ここにあった、アレは?」「もう……ありません」 おしぼりですよ、おしぼりです。紙のじゃなくて布のやつ。夏は冷たく、冬暖かいおしぼりで、汗にまみれた顔を拭ぬぐう。それは女性に嫌われる、オヤジのキモい行動上位ではあるのだけれど、そんなお昼休みのひと時に、小さな幸せを感じる人もいるのです。たかが、おしぼ...
小説の話

小説とブログは楽しく書くのが理想的

ブログのアクセスとは不思議なものです。楽しんで書いた記事こそアクセスなんぞが跳ねちゃって。これまで書いた渾身こんしんの一本が、どれだけ不発に終わったことやら(汗) もうね、「これ、好きぃぃぃ!!!」な気分で書いた、勢いだけの、他愛もない記事ほど跳ねるのです。経験則として、そりゃそうなのだろうなと諦めもしています。 とはいえ、24時間縛りとなれば、それこそ、気力と体力と時間との戦いです。書けなきゃ死ぬの勢いで書きました。膝の上に愛猫を乗っけて、あたふたと、怒涛のごとく、記事を書く日々が続きます。小説という未知の領域に、片足を突っ込んでからは、そりゃもう、僕の思考回路の中では、昭和の体育会系理論が...
ショート・ショート

飼い猫信長と野良猫家康(いつものアレ)

「今日も暑いなぁ~家康いえやすぅ!」 いつもの海の木陰で釣り人を眺めている家康に、信長のぶながが声をかけた。「そんなに外出して、ご主人様に怒られないのか? 信長! 今朝だって午前様だったろ?」 昨晩、閻魔えんまの背中で眠りこけた信長である。睡眠不足の家康とは裏腹に、絶好調な面持ちの信長に、家康は思う。このバカに聞くんじゃなかった……と。「ご主人様はお優しい人なのじゃ。てか、信長じゃ! あれ、いつものアレは?」「アレとは、なんじゃ?」 肩透かしを食らった信長は、急に不安な顔を見せた。「なぁ、光秀みつひでは? ミ・ツ・ヒ・デ!」「お前への光秀の呼び名はな、閻魔様に譲ったんじゃ。だからこれからワシは...
小説の話

書きかけのストーリー

2週間前の夜、サヨリが去った雨の夜。僕は小説の続きを書いていました。水曜日は〝飼い猫信長と野良猫家康〟の更新日だったので、サヨリを僕の隣で寝かしつけて、その続きを書きました。手を伸ばせばいつだって、小さな頭に手が届く。早くこれを書き終えて、大好きなちゅーるを食べようね(笑) そうやって、僕は執筆ゾーンに入りました。 とても静かな夜で、サヨリの寝息だけが聞こえていて、その寝息さえもが静かになって、ここで一息。さぁ、ちゅーるを食べようか?……僕の隣のサヨリには、もう呼吸する力さえありませんでした。いつもの可愛い寝顔そのままに、サヨリはこの世を去りました。ゼイゼイと息を荒げて苦しんだり、死に際に声を...
畑の話

玉ねぎ苗の定植完了(2024)

この冬は、畑を休むつもりでした。サツマイモの収穫を終わらせて、来春まで畝うねを寝かせよう。玉ねぎのタネすら撒まかず仕舞いで、今さら何もできません。だからこの冬は、よつぼしと大根だけ……そのつもりでいましたが、ホームセンターで気が変わりました───まだゲームは終わっていない。ばったり玉ねぎの苗を見てしまうと、そんな気になったのです。少しだけ、やる気というのが芽吹きました。 わけの分からぬ物価高。来年の春、玉ねぎだって更にお高くなるのでしょう。運良く育てばめっけものです。395円で45本、〝育てやすい玉ねぎ〟の謳うたい文句に釣られました。春玉(早生)と、玉しずく(極早生)。気分が落ち込んでいるとき...
猫の話

キッチンペーパー

高松の早朝は、秋をすっ飛ばして冬のような寒さになりました。不要な買い物をしてしまいました。キッチンペーパーです。相棒からも言われましたが、習慣とは、中々どうして……抜けないものだと知りました。何処の家庭にもあるでしょう? でも、事務所では不要なのです。そんな、キッチンペーパーの話題をするのは初めてですが、僕と愛猫サヨリにとって、キッチンペーパーとは、とても大切なアイテムでした。 8年前から、サヨリは目やにと鼻水が酷い子でした。10年ほど昔、サヨリは一度目の瀕死という状態に陥りました。生死の境を彷徨った原因はウィルスの感染でした。病院で胃袋に直接管を通して、そこから食事を取る日々が続きました。当...
レビュー

ココイチ The 牛咖喱を喰ってみた

火曜日。 いつものように目が覚めて、いつものように仕事に出かけ、いつものようにボーっとする。特別なことがあるとすれば、愛猫サヨリの初七日ということくらいで、だからといって、何をするわけでもありません……。いうなれば、僕個人の私的な話なのだから、それに際してお客様が訪れる予定さえありません。 いつもと同じ火曜日なのに、あるはずのない封筒が、僕の手元に届きました。そこには、ひと目で分かる懐かしい文字が並んでいます。友人は控えめな人なので、目的地に向かって地球を逆回りして伝えるような、そんな遠回しのメッセージが、彼女らしいなと思いました……「ごはん、たべてる?」そんな内容です。懐かしの文字の中に、コ...
畑の話

芋掘りしたよ(2024)

───2024年10月16日。 人生で、三度目の芋掘りを決行しました。そもそも僕が畑を始めた理由は、他でもなく、ダイエットが目的のサツマイモでしたので、てか……畑の全てがサツマイモでも構わない。むしろ、そうしたい! 当初は、そんな気持ちだったのです。つまり、僕にとっての芋掘りは、原点にして頂点と言っても過言ではありません。ようやっと、今年も無事に芋掘りを終えることができました。サツマイモは手間いらずなので、今季も放置プレイで収穫の運びとなりました。〝つる返し〟さえしませんでした(汗) 収穫量は去年と同じで、コンテナ1個分ありました。思い入れのある本丸の苗は、芽出しに成功した苗を二本だけ植え付け...
雑談

ロリポップ〝データベース接続確立エラー〟が表示された件

───データベース接続確立エラー 2024年10月16日に差し掛かる頃。僕のブログへのアクセスが不可能になった。管理画面にすらアクセスできない。あらら……愛猫サヨリの身に何かあったか? 心霊とか、UFOとか、予言、占い、スピリチュアルに至るまで。全く信じていない僕だけれど、虫の知らせと、サイバー空間が高次元に繋がっていることだけは、経験上、何となく信じている。まぁ、「エビデンス、教えてもらっていいですか?」と問われれば、お話にもならないので、あくまでも個人的な主観です(笑) ブログへアクセスできない可能性はふたつしかない。ひとつは僕のヒューマンエラー。もうひとつはサーバーに不具合が発生した場合...
猫の話

初七日

元気か? サヨリ! 父ちゃんは元気だ(笑) つーのも、変な言い方ではあるのだけれど、キミがあの世へ旅立ってから一週間が経ちました。友人とは逢えたかな? きっと、逢えたに違いない。だって、今日。僕は友人から手紙を受け取りました。懐かしい文字を見て、とても不思議な気持ちになりました。 キミが逝った翌日。キミの旅立ちの準備をして、畑にキミのお墓を作って、全てを済ませて仕事に出かけて……深夜作業から戻ったのは、午前四時を過ぎていました……なんたるブラック(汗) 習慣とは恐ろしいもので、無意識に事務所へ足が向かいます。そーっと……事務所のドアを開いて闇の中。いるはずのないキミの姿を探していました。まぁ…...
猫の話

ごめん、ごめん……

事務所のドアを開くといつだって、事務所の中にはサヨリがいて、音も立てずに僕の足元に纏わりつくものだから、尻尾なんか踏んじゃったりして───ごめん、ごめん(笑) こんな毎日が日常でした。サヨリに向かって「ごめん、ごめん(笑)」と、僕が言うと「にゃー!」っつーて。サヨリ様がお怒りになるものだから「ご・め・ん・な・さ・ぃ~!」っと、謝罪するのが常でした(汗) 二日前。サヨリが自分で立てなくなって、自分で歩けなくなって、自分でトイレにも行けなくなって……お尻をオシッコで濡らしちゃって。自分でご飯も……食べられなくて……。事務所のドアを開ける瞬間、嫌な予感ばかりがして……。あ、オムツ買うの忘れてた。ごめ...
猫の話

八年間、ありがとうございました

サヨリは今、僕の膝の上で眠っています。今夜はずっと、そうするつもりで、サヨリの体を抱きしめています。辛気臭いのは嫌なので、文面に嫌な表現や不謹慎などがあればお許しください。 2024年10月8日22時34分。 サヨリは虹の橋に向かって旅立ちました。僕はずっと、サヨリの隣にいたけれど、少しだけ目を離した隙に、眠るように……苦しむこともなく……静かにこの世を去りました。いつもの「今日もサヨリは元気です(笑)」が……もう、永遠に書けなくなりました。「ひと言ぐらい、言って逝け」 そう思うほど、サヨリは安らかな顔をしています。とても静かです……寝てんじゃね? サヨリの小さな体を揺すってみたり、何度も胸に...
猫の話

猫の恩返し

真夏には、ギュイーンと伸びて木陰で転がり。真冬になるとま~るくなって、ブロック塀の上に座って日向ぼっこ。時には狂ったように背中をアスファルトに擦り付け、絶対に視線を合わせず、何を考えているのかも分からない。未知の存在。それが、僕にとっての猫でした。好きか嫌いかと問われれば、まぁ、飼う気にもなれない存在です。あの縦細い、ヘビのような目が嫌い。 だって、そうでしょ? 呼んでも来ない生き物だもの。そんな僕が十年近くも、猫のお世話しているのですから、人生なんて、先に何が起こるか分かりません(汗) うちの猫の名前は、サヨリと言います。冒頭のちゅーるを持ったサヨリの画像は、このブログを始めた頃の姿です。今...
小説の話

主人公の背景描写が甘すぎた

まだまだ、書き込みが足りぬ……。 ほかでもない、僕が書いている小説の主人公の話である。のんちゃんのブログ王シリーズの主人公は、飛川三縁ひかわさよりさんなのだけれど、趣味趣向に対する描写が少ない。それは常々思っていたのだが、大所帯になりすぎて、三縁への愛が足りなかったようである。それは、全体的に言えるのだけれど……。 漫画好きとか、アニメ好きとか、そんな描写を盛り込んでいれば、使える単語の幅も広がっていたのに、そこまで気が回らずにここまで書いた。それが僕のミスである。オッツーの変身ベルトくらいやっときゃよかった(汗) 昭和の世界では、共通認識が多くあった。松田聖子、ツッパリ、ヤンキー、アラレちゃ...
ブログ王スピンオフ

女の子同士のひみつ

オッツーが美男子になった翌朝、のんが俺の家に来た。「おはようございます。わたし……早川花音はやかわかのんと申します。三縁さよりさん、いらっしゃいますか?」 玄関に爽やかな風が吹き抜けて、オカンの奇声がこだました。「さ、さ、さ───三縁ぃぃぃぃぃ! 美人が来たよぉ~!」 それはたぶん……絶叫だった。二階の部屋から階段を降りると、オカンがすがるような目で俺を見る。オーバーオールに白いパーカー。白い野球帽を手に持って、ボーイッシュな出で立ちから、滲にじみ出る美しさ。のんである。そうかい、そうかい。それは、そうなのだろうけれども。可愛い我が子に、そのリアクションは酷くはないか? 階段から降りる俺を見た...
ショート・ショート

明晰夢(アタエ)

日曜日から月曜日に日付が替わる直前で、今夜は寝ないと心に決めた。金閣寺に興奮して眠れないのだ。書きたい、書きたい、書きたい……腕がうずいて眠れない。机の上に原稿用紙の束を置き、その横に新聞広告に書いたメモを添えた。もう、舞台は整った。さぁ、書こう。パン、パン、パン。気合を入れて頬を叩く。すると、俺の脳裏に不安が過った。アタエ……俺に小説が書けるだろうか? お前が満足するような小説を……。 一度目の人生で、俺を陰で支えたアタエはいない。俺の最高の理解者だった。アタエとの二人三脚に慣れ切った俺が、ひとりで小説を書けるのか? だが、今の俺にはアタエがいない。腹を括くくって、芥川あくたがわの万年筆……...
雑談

どうしましょう、太宰さん(笑)

筆が止まった───洒落にもならん(笑) 書くには書くけど、書いた文章が暗いのだ。どうやっても明るくならない。だから書くのを途中でやめる。書いては保存、書いては保存。僕は書いた文章を絶対に捨てない。どんな駄作であったとて、いつか日の目を見るだろう。そんなケチな思いがそうさせるのだが、それはいつもの〝読む読む詐欺〟で、読み返すこともないのだろう。書いては保存。それは、僕の無意味な癖へきのようなもので、今日もサヨリは元気です(笑) だから取りあえず、保存である。 で、こんな状態に陥った原因も理解している。それは、秋の夜長のお友だち。太宰シリーズがエヴァシリーズのように刺さるのだ。太宰さん、あんたすげ...
レビュー

ダイソーの読書台

相棒からの太宰シリーズ。文豪ナビ、ヴィヨンの嫁、斜陽……そしてようやく、走れメロス(新潮文庫)に差し掛かる。とはいえ、まだまだ序の口、序盤戦。まだまだ先は長いのだ(汗) これらの本は、お楽しみではなくお勉強。つまり、面白かったじゃ終われない。とはいえ僕だって、IQ201の当麻紗綾とうまさやではないのだから、そんなSPECなど持ってない。さらりと読んで、頭に記憶できるわけもない。つまり、原始的ではあるけれど、やっぱ、書いて覚える他に道はないようだ。凡人だもの、王道も、ショートカットの道はない。 もうね、こんなの、ノート如きじゃ追いつかなくて、今日もサヨリは元気です(笑) コスパ重視でコピー用紙に...
猫の話

飼い猫信長と野良猫家康(悪魔の子)

悪魔…… 信長のぶながの寝息を背に感じながら、閻魔えんまは己の過去を振り返っていた。それは、楽しくも悲しい過去であった。閻魔がチャッピーと呼ばれていた過去の記憶が蘇る……。「今日から貴様は、俺の仲間だ!」 あの日から、わたしは光秀みつひでのグループに入った。そして、わたしは光秀を兄様あにさまと呼んで、心から慕っていた。わたしには、新しい世界が広がって見えた。仲間と寝食を共にする。共にじゃれ合い、共に笑う……みんな気さくで優しかった。だが、それも長くは続かなかった。わたしは日を追うごとに大きくなった。我が子のように遊んでくれた、姉あねさんたちの優しい目が、わたしが大きくなるにつれて冷ややかになっ...
雑談

仏の顔も三度まで

金曜日。 バディから電話が入る。来週、二日ほど体を貸してほしいのだとか。僕はスケジュールに目を通す。目を通しながら日時を訊く。「何曜日?」「もう……体がだるくて、月曜日は休みたいんや。だから、火曜日と水曜日で構わんか?」 蚊の鳴くような声で言う。こりゃ、夏バテだな……と、僕は思って、今日もサヨリは元気です(笑)「火、水ね? 間違いない?」「お、おう……」 バディも年だ、仕事を休むのは構わないのだが、日時はカッチリしておかないと。僕は再確認を怠らない。これまで、幾度も泣かされてきたからだ。仕事の詳細を聞きながら、合間、合間で、僕は口を酸っぱくして確認を怠らない。「火、水ね? 間違いない?」「お、...