コタツ恋しき冬も終わり

コタツから脱出した猫
水曜日(猫の話)

 コタツ恋しき冬も終わり……か?

 水曜日は猫の話

 事務所の室温が20度を維持し続けている。日が沈み外の気温が下がろうとも、鉄筋コンクリート造の建物は夜の室温が高くなる。そんな性質があるのだろう。夏になると嫌でも体感できるのだけれど、室温32度を超えた記憶がまるでない。そんな意味からも、この部屋は割と快適だと思っている。

 狭いコタツで冬を過ごした愛猫サヨリも、室温の高さに乗じて室内でウロウロしている。つーか、気に入った場所を見つけては転がっている。床、デスク、コタツの天板、リクライニング。ノマドワーカーのように移動を繰り返しながら、気がつけば僕の膝の上───お前、絶対に太ったろ?……僕の太ももが、凄く重いと言っている。

 今日は、ひんやりとした床の上がお気に召されたようである。そっかそっか、春ってことは……アナタ、そろそろ換毛期ですわね? それに気づいてハッとした。そうだった、そうだった。これから……毎日、ブラッシングの日々が続くのだ。猫飼いにとって、それはとても大切な行事である。猫のブラッシングを怠ると、ふたつの意味で困るのだから。

 ひとつめは、猫の体調管理である。四六時中、猫は毛づくろいをする生き物だけれど、老猫になると頻度が減る。極端に減ると思って間違いない。人と同じで老いれば体が硬くなる。エクソシストか? ってくらい、猫は首が回るのだけれど───どうした、サヨリ? ウシジマくんにでも借金したか? ってくらい、首の可動範囲が狭くなった。

 首の外に全身までもが硬くなるのだから、大切な部分の毛づくろいですら滅多にやらない。想像してみよう、耳の裏を後ろ足で掻く猫の姿を……うちのサヨリだって、それをやる。今でもやる。だけれど、耳の裏に後ろ足が届いていない。10歳くらいまでは辛うじてだが、この数年間は、ずっとエア耳かき状態である。もう少しなのに届かない。

───ヨガでも習うか?

 そんな気にもなるのだが、そうなってしまうと余計に欠かせないのがブラッシング。これから、日々のお勤めが始まるのだな。ブラッシングをしながらノミもチェックしなければ……。猫のノミ対策はブラッシングが基本なのデス。ゾンビのように猫ノミが大量発生したのなら……? あれは地獄です、生き地獄です。これが分かるアナタ。ノミの修羅場を渡りましたね?(笑)

 ふたつめは、室内の環境管理である。そよ風で空中を漂うほど、猫のうぶ毛は細くて軽い。こまめなブラッシングで抜け毛の管理をしなければ、室内が猫の毛で大変なことになってしまう。見た目とかの問題ではない。僕が不快になってしまう。気温が上がれば人間は汗をかく。つまり、僕も汗をかく。皮膚の何処かにうぶ毛が付けば、それはちょっとした拷問だ。もっとも不快なのは首の後ろ。そこに猫の毛がくっ付くと、それがとてもかゆいのだ。不快指数53万。そんなフリーザ様が相手では、僕の我慢が耐えられない。ネットからの情報によると、うぶ毛が飼い主の肺に溜まった事例もあるのだとか。それは猫よりも、お世話を怠った飼い主側の問題だけれど。

 これらの理由から、気を引き締めてブラッシングをしてあげないと。幸いにも、うちのサヨリはブラッシングを嫌がらない。猫にしては珍しく爪切りだって嫌がらない。僕はよき猫に恵まれたようである───じゃ、ブラッシングを始めようかね(笑) 床で寝転ぶ愛猫と目を合わせると、違和感を感じる僕がいた……。

───おい、お前。

 今日はアディダスの敵みたいだな(汗)

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