───どうしよう、どうしよう、どうしよう……。
あれが、これ? 枯れた苺に顔面蒼白な僕がいた。
その原因は水切れだった。定期的に雨は降った、でも、それでは足りなかった。ベリーポットでは保水力が少なすぎたのだ。つまり、僕の管理不足が原因だ。猛省しながらも頭を回す。僕は諦めの悪い男なのだから。頭に過ったことは全てやる……そう、脳汁絞って全部やる。今すぐに! でなきゃ、あんなによつぼしに歓喜した友人に申し訳が立たねぇーよ!!
赤く染まった茎を切り、根っこを畝に植え付けた。まだ少しだけ緑の部分があったから、可能性はゼロじゃない。可能性は自分で決める! このよつぼしだけは特別だ。諦めきれない一心で、根っこに水を与え続けると、そこから小さな葉が伸びた。枯れたよつぼしは、復活の兆しを見せ始め、小さな緑に生命力を僕は感じた───まだ生きている。
けれど、これからが夏本番。カラッカラの夏が来る! 不安しかない夏の始まり……。
僕の心配に反して路地の保水力は本物だった。一日一度の水やりだけで夏の猛暑を乗り切れた。雨の日はお休みで、今日もサヨリは元気です(笑) 死の淵に立ったよつぼしは、サイヤ人と同じである。華奢に見えても苺は強い。その噂に嘘はない。大地にしっかり根を張って、やがてランナーを伸ばし始める。いただき物の二本の苗。それ以外は、枯れたよつぼし。ひと夏で、ランナーから育つクローンの数。数えてみると三十本を超えていた。秋になって、ここでようやく一安心(笑)
秋を抜けて冬を越え、春を前に花が咲く。枯れた苺と笑顔の花。それは小さな花だったけれど、やがて大きな実を付けるだろう。友人がカレンダーに書いた文字。だいじょうぶます。こわくない! 授粉もわかるし、ハチもくる。枯れた苺でも諦めなければ花を咲かせて実を結ぶ。
元々、僕がキチンと水をあげていれば、こんなことにはならなかった。でも、僕がキチンと水をあげたなら、この規模にもならなかった。そう考えれば、これはこれで正解だったのかもしれない。だって、そうでしょ? 今のよつぼしの畝はね……。
四月十四(日)午前六時。
たとえ苺が枯れても諦めてはいけないよ。だって今、こんな感じなのだから(笑)
コメント
すごい!枯れても元気いっぱいに生き返ったよつぼしに感動しました。ベリーポットからこの規模になったなら、結果的には大正解! 友人人もめちゃくちゃ喜んでいそうですね。
あ、一つ “人”が多かった…。ごめんね。よつぼしに興奮して、うっかりしました。
お気になさらず(笑)
全然大丈夫ですよ(汗)
苺って可憐だけど強いのですね。
最後の右上の光がさしてる写真が素敵!
何で撮ってるんだろ( ´∀`)上手
露地栽培では、枯れたけど復活したの話があるようです。
ベリーポットで水切れたら分からんと言われました(汗)
日差しの写真は、日の出のタイミングでしか撮りました(笑)
撮影機器は、Nikon1 S2って名前の古くて安もんのカメラですよ。
はい。
キラキラした瞳で写真を見ていると思います。
枯れたときはギョエっと思いましたが、
ここまで育ってくれてよかったです(笑)