真冬のイチゴ(よつぼし)

水切れを起こした苺
畑の話
この記事は約4分で読めます。

 冬の畑は寂しいな……毎日、寒い日が続くけれど、今日もサヨリは元気です(笑)

 とはいえ、真冬の畑に変わった変化がまるでない。収穫もなければ、やることもない。寒いだけの日が続く。土づくりも、種まきも、畑を動かすのも少し先。去年は落ち葉を運んだけれど、今年はそれに費やす時間がない。

 つまり、放置プレイ続行中である(汗)

───あのイチゴはどうなったんな?

 そういえば、イチゴの話を書いてなかった。去年は初めてのイチゴ栽培だった。株の値段が高額なので、3株だけ買ってベリーポットで育て始めた。イチゴ栽培は、いつもの気まぐれであった。

───わたし、イチゴ大好きなんです(笑)

 よつぼしの記事を書いた夜、友人からのメールが届く。いつも冷静な文脈が、興奮で踊っていたのも懐かしい。文字がピョンピョンと跳ねている。イチゴの知識がわんこそばのように、次から次へと飛び出した。その日から、よつぼしの成長が友人の楽しみになった。だから、記事の中にもさりげなく、よつぼしの写真を紛れ込ませた。

 よつぼしは、大きなトラブルもなく冬を越す。そこまでは、素人目にも順調に思えた。けれど、ふたを開ければ15粒しか採れなかった。1株5粒の計算になる。これが多いのか、それとも少ないのかは分からない。気持ち的には〝たった、これだけ?〟な気分で終わる。

 とはいえ、たったの15粒では面白味に欠ける。だから、クローンを育てようと企てた。来年は、数で勝負なのである。よつぼし倍増計画を実行に移そう(笑) 難しく考えることはない。ランナーの先をポットに乗せるだけなのだから。根付けばクローンの出来上がりである。

───オーマイガー! ベリーポットが緑じゃない!

 ベリーポットの保水力では、水が足りなかったのだ。2~3日ほど畑を開けたら、緑だった葉っぱが茶色くなった。水切れを起こしたよつぼしは、いとも簡単に枯れ果てた。それはまさに〝げっ?!〟である。常夏の畑に冷気が流れ、背中の汗が冷たく感じる……。たぶん、これが本物の冷や汗だ───シン・ヒヤアセってやつである。

 やてもうた……。

 でも、このまま捨てるのは忍びない。てか、友人にこの事実を報告できない。女の子を泣かしてはいけない。たとえ、メールができても、これは無理。どうしよう? 何処かでよつぼしの苗を探そうか? 秋にはあんなにあったのだから、何処かの畑にあるかもしれない。だから大丈夫、大丈夫……そんな考えが頭をよぎる。お主も相当のわるよのう……なのである。口が裂けても、これだけは言えない。

───イチゴはナンボでも増えるでぇ~。

 イチゴは見かけによらず強い。枯れても復活させたこともある。桃畑で得た記憶。それが頭の隅っこにあった。嘘かもしれない、ダメかもしれない……でも、可能性は残ってる。即座に僕はうねをこさえた。その後で、よつぼしの根っこをベリーポットから引き抜いた───何だか立派じゃ……密集した根の塊に、根っこが生きてる気がしてきた。畝に根っこ埋めてから、これでもかと水をかけた。何事も諦めない心は大切だ。その実、この場を取りつくろっているだけである。だがしかし、この判断が好手となった。それからは、毎日が水やりである。時間がなくても夜中でも、僕はよつぼしに水を与え続けた。

───そして、枯れたよつぼしに奇跡が起こる。

 茶色の中に緑が見えたのだ。そこから芽が出て葉っぱになって、3株のうちの2株が復活を遂げ、さらに───ランナーまでも伸ばし始めた。ここまで育てば大丈夫。この大事件をブログで語ったのは、事件発生から1ヶ月後のことである。この気持ち、武士の情けでご察しくだされ(汗)

 そして今、よつぼしの苗は30株ほどに増えている。知人から貰った2株も元気である。クローンはホムセンで販売している株よりも、幾分か小ぶりであるけれど、株が増えた事実には変わりない。株数が去年の10倍になったのだから、ここは素直に喜んでおこう。あとは、友人のカレンダーに書かれた指示に従うのみである。

 3月の 末くらいの いちご花
 授粉わかるし ハチもくる
 だから、こっちは大丈夫(笑)

 よつぼしの苗が急成長し始めるのは、3月に入った頃からである。去年と同じように育つのか? それとも小さいままで終わるのか? それは少し先のお楽しみ。まずは、目標15粒でいこう!(笑)

コメント

ブログサークル