お猫のお耳のマッサージ

猫耳マッサージ
水曜日(猫の話)

 水曜日は猫の話

───うぉーい、肩こったなぁ~ガチガチじゃ!!!

 肩はこれども金はない。マッサージなんて、何年も行った記憶がまるでない。その僕が、飼い猫にマッサージしているのも不思議です。

 おい、幸せそうだな(笑)

 猫には肩の概念がない。猫の鎖骨が小さく退化している。だから、肩の柔軟性が異常に高い。猫はね、あの小さな頭が通る空間があれば、全身が通りぬけられるんだよ。とはいえ、昨今の飼い猫は、ふくよかだ。だから、その限りではないのだけれど……。腹が引っかかる猫もいる。

 つまり、僕がマッサージしてるのは、肩ではなくて首である。猫も首が凝るらしい。首をモミモミするだけで、目がとろーんとなって、ユートピア気分の表情をみせるのだ。銭湯で湯船に浸かったじいちゃんみたいな顔をしている。

 数年前から、僕は猫の専属マッサージ師になっていた。にゃんこのスポーツトレーナーだった。ちなみに僕の握力は、ぼくらのマジンガーくらい強い。左右共に50キロを超えている。右利きだけれど、左の方がもっと強い。だから、猫のモミモミくらいはお安いものだ。たまに代わって欲しいと思うけれど、あの表情には代えられない。

───耳が好きかい?

 猫の耳へのマッサージは、首よりも嬉しそうである。それは、最近の発見だった。首が終わると幸せな顔で、耳が終われば男前が一気に上がる。眼光が強くなってキリっとした顔になる。人間だったら、10歳くらい若く見えるって、エステかよ? サヨリは数時間だけ若返る。

 猫の耳は、12種類以上もの筋肉で構成されている。猫を飼っている人は理解できるだろうけれど、猫の耳は絶えず動いている。シャキーン!となったり、高速でブルブル震えたり、横に広がったり、前や後ろに倒れたり。いつも器用に動いている。

 つまり、耳への疲労も相当なものだろう。ということで、肩こりならぬ耳こりなのだ。猫の首。その筋肉に指を当てる。するとサヨリは、僕の指にポイントを当ててくる。もうこれが、癖になっちゃっているのだろう。ゴロゴロと鳴らす喉のボリュームも高くなる。

 きっと、マッサージをしながら、マッサージをさせられながら。癒されているのは、僕なのだろうな。兎にも角にも、今日もサヨリは元気です(笑) きっと、ずっと元気でしょう(笑)

 ちなみに、うちのサヨリの腹の香りはバニラ味がしています(笑)

コメント

ブログサークル