猫を初めて目撃した農夫の証言
この文献はUMA(未確認生物)を目撃した、とある農夫の貴重な証言記録である。そして、この証言記録は紛れもなくフィクションである……。 あれは蒸し暑い夜の日の出来事でした。妻が私に言うのです。「ネズミの姿を最近見かけない」 と。皆さんもご存じのとおり、ネズミは穀物を食い荒らします。農夫の私にとって、ネズミは敵である存在です。去年もネズミにかなりやられましたから、ネズミが姿を消したのは大歓迎です。でも、あの年は異常でした───あんなにいた、ネズミが忽然と姿を消したのですから……。「これは天変地異の前触れに違いない」 ってね。あまりにも妻が心配するものですから、私は夜を見計らって調査に向かったのです...