昭和喫茶、来夢来人
「あれ? ツクヨは?」 じいちゃんが俺に向かって声をかけた。ツクヨを探して辺りをキョロキョロと見まわしている。 「ツクヨは、アケミたちとタピオカ飲みに喫茶に行ったよ。今日は畑に来ないよ」 「タビオカ?……ってのが流行っているのか?」 ツクヨが来ないと知ると、じいちゃんは残念そうな顔をした。 「タビじゃなくてピ! タ・ピ・オ・カ。なーんか、女子の間で流行ってるらしい……知らんけど。そういえば、あの来夢来人ライムライトって喫茶店。ずいぶん昔からあったらしいね?」 俺もタピオカの話を詳しく知らない。それよりも、ずっと昔から存在する喫茶店の歴史を俺は知りたくなった。 「来夢来人か……。先代の現役...