本棚に2冊並んだ〝神様のレストランで待ち合わせ(橘しづき)〟

雑談
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 世の中は不思議なことで満ちている。

 この数年の体験だとて、数え上げればキリがない。それを友人は〝神さまの伏線〟と呼んでいて、僕は〝神さまの気まぐれ〟と呼んでいる。僕にとってこの本も、神さまの気まぐれのひとつだろうか? そう、信じていたいけれど……

 本棚に並ぶ2冊の本。これは、〝神様のレストランで待ち合わせ(以下、神レス )〟という題名の小説だ。片方が改訂版なら腑に落ちる。けれど、国際標準図書番号(ISBN)もまったく同じ。そこに大きな違和感を感じてしまう……らしくない。何事にも几帳面なアニキである。それが、書籍となれば尚更だ。本が本命の彼である。こんなミスを犯すなどあり得ない。だとすれば……意図的に? もしかして……何かのクイズ? そう考える方が自然だった。

人生の最後にもう一度、だれかひとりに逢えるとしたら だれに逢いたいですか?

 帯に書かれた文章に、「ふたりと一匹いるんですけどぉー、ダメっすか?」そんなツッコミを入れながら、僕は本文に目を通す。すると、秒で理解した。あらら……こいつぁ~、すべからく泣くやつじゃん。ざっくりとしたあらすじは、以下のとおり。

 現世と天国との間にある町。そこには、逢いたい人を待つ人々が住んでいる。その町のレストランで働きながら、様々な再会を見つめながら、逢いたい人を待つ青年の物語───。

 物語を読み進めるほどに、仮定が確信に変わってゆく……単純なミスじゃない! やっぱりこれは意図的だ。確固たる確信を抱きつつも、僕は確認をしなかった。あれだ……その一手は、野暮ってものだ。これも冥土の土産にしよう。それは、季節もすっかり秋めいて、芋掘りをしていた頃の出来事だった。

 つい最近のことだけれど、話の流れで天道さんに問うてみた。かくかくしかじか……。え、そうなの?……それは僕の壮大な勘違い。諸事情は割愛するけど、人為的なミスのようだ。それだとて───やっぱり解せぬ。

 夏目、芥川、谷崎、川端……文豪の名もあれば、有吉・阿川のダブル佐和子。川上未映子、江國香織、村上春樹、星新一、新井素子、山口未桜、朝井リョウ……様々な作家の名が並ぶ。神レスは、数十冊にも及ぶ書籍の中のひとつだった……てか、この数を僕が読むの? 本の数に圧倒されて、遠い目で天を仰いだ記憶ある。これはもう、年単位のミッションだ。やれるのか? おい!(汗)

 それに漫画を加えれば、100作品をゆうに超える。もし仮に、神レス以外の作品ならば……たとえば、ぐうの音も出ない〝もう別れてもいいですか(垣谷美雨)〟とか、コメントに困る〝疼くひと(松井久子)〟ならば、すんなりとヒューマンエラーを受け入れた。それなのに……このチョイスが狙ったように、今の僕にはドンピシャなのだ。偶然で片付けるには、都合がよすぎてあり得ない。

 何かしらを書く身としては、この低確率の偶然を、友人の言葉を借りて〝神さまの伏線〟なのだと信じたい。だって、そうでしょ? 僕の解釈が正しければ、そっちの方が夢がある。遥か14万8千光年の旅に出た、ヤマトの真っ赤なスカーフと同じだよ。誰のためでも、いいじゃないか。みんなその気でいればいい。

「なぁ、アニキ。どうして2冊になったと思う?」

 その答え合わせは、まだまだ先になるのだけれど、神様のレストランでやりましょう。その時はもちろん、みんなでね(笑)

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