水曜日に投稿した〝飼い猫信長と野良猫家康(出会い)〟は、これまで温めた物語……ではなかった。締切に追い込まれた結果、偶発的に生まれたイレギュラーが彼らである。だって、そうでしょ? ポンポンといい感じのストーリーなんて思いつかない。言葉が通じない人間と猫との組み合わせにも無理がある。エグい描写のホラーなら、何本か書けるしアイディアもある。でもそれは、僕のスタイルじゃない。少なくとも、それを書くのは今じゃない。水曜日の投稿当日。筆が止まって何も浮かばず、今日もサヨリは元気です(笑) うん、ピンチだ(汗)
───二匹の猫が会話する。
その発想へ辿りつたのは、仕事を終えた午後の五時。仮にこの案で書き進めるとしても、猫の背景と舞台の設定。読者にそれを説明しなければならない。つまり、それなりの文字数が必要だ……え? なのに、これからプロット固めるの? まぁ、僕の場合。これは珍しくもないのだけれど、一時間で考えて、二時間でモノになるのか? 案もなく、設定もなく、オチもなく……でも、イケイケでやるしかない。脳内で二匹の猫に会話をさせると、名もなき猫が会話を始めた……。
───とにかくオチて。お願いだ!
そう、僕はオチから考える。だからオチありき。猫の会話はどのルートを通っても、どんな会話から始めても、女の話で帰結する。となれば、メス猫が必要なのか? 演者が増えると辛いのだけれど(汗) まぁ、猫だから、お高くとまった美猫がいいな。漠然と、そう思う。となれば、美猫を奪い合う? それも違うな。あわよくば、シリーズ化したい気持ちが強い。だったら、どうにかして友人関係に持ち込もう。上手くいけば、来週も……てな、欲も出る(笑)
だったら、若者とおっさんだよな。跳ねっ返りの若猫と、落ち着いたおっさん猫だ。この組み合わせなら、会話だってエンドレス。自分の日常生活を、そっくりそのまま落とし込めばいい。これで、ひとつ決まった。
キジトラ猫はおっさんで、茶トラ猫は若造だ。ふたつ決まった。問題は名前だ。何気に名前は大切だ。けれど、考えている時間がない。すぐに覚えてもらえて、忘れない名前……太郎、次郎、三郎……太郎はイメージがよろしくないな。だったら戦国武将だな! 若猫が信長で、おっさんつーたら家康だ。
ここまで来ればベタである。ベタな設定で突き抜けよう。舞台も決まった、ありきたりな屋根の上。その瞬間、飼い猫VS野良猫の構図が決まる。イケるかも? 坂道を下る自動車のように、ここまで決まれば惰性で書くのみ。ゴールまでアクセルもブレーキもいらない。ハンドル操作で逃げ切ろう。
そんなぶらりドライブ気分で、ベタベタなお話を書き始めて我思う。マドンナは白猫だよな? ベタだもの。信長、家康とくれば……マドンナの名前は〝ねね〟だよな? この段階で〝秀吉〟の構想も芽生えていた。信長の恋敵の設定として(今は違う)……。
つまり、コンビで始まりトリオで固める。それぞれのキャラクターは、鳴かぬなら……ホトトギスで決めればいい。令和の信長、平成の秀吉、昭和の家康。歴史と設定が逆だけど、それなりのカタチにもなるだろう。つまり、滑り出しは〝令和VS昭和〟の構図にすれば、短時間で僕にも書ける。ここから先はいつものとおり。
───いつもそう、いつだってそう。演者が話を進めてくれる。
そうやって、〝飼い猫信長と野良猫家康(出会い)〟を書き上げた。公開時間の10分前……ん? 読み返すと何か違う……。白猫の名前は、前回登場したケイティだ。急遽、そこから修正を加えると、公開時間を遅刻した(汗) こうして生まれた猫のコンビ。ベタベタなコンビだけれど、書き続ければ面白そうな気もしている。
スピンオフの世界で近い将来、二匹は放課後クラブとクロスオーバーするのだろう。幼いツクヨと忍にみつからぬよう、神に祈るばかりである(汗)
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