完熟もみ殻に雑草が生えると?

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元気な雑草
自家菜園

――えっさ、ほっさ。 

 久々にもみ殻を拝借に行くと圧巻であった。去年も見たはずの景色なのに、なんか今年は見え方がまるで違う。雑草が……蒼い。ミドレンジャーくらいみどりが深い。雑草の戦闘力がレベチに見える。「貴様、一体、どんな修行を積んできたのだ!?」悟空を見るたび驚くピッコロさんの気持ちが今なら分かる。雑草が輝いて見えた。

――昨年の今頃。

 もう少し先の未来。畑を始めるにあたり僕が重視したのは土である。化学肥料を使わない土、それが理想。そのカタチを探し求め、ひすら雑草と、もみ殻と、米ぬかを畑の中に放り込んだ。畝のみならず全体にであった。この地味な作業を正月にまでやっていたのだからどうかしている。その記事を書く度に、友人が喜んでいたのだから、まっ、いっか(笑)。

 せっせと、土嚢袋に詰め込むもみ殻は、師匠の倉庫の前に山積みされているものである。新しい山と古い山。新しい山は1年未満。古い山は何年もユンボでかき混ぜた完熟モノ。言うなれば、もみ殻追肥の完成形。ワインに例えるならロマネ・コンティ。香りや舌触り、甘み、酸味、渋み、長澤まさみ。その全てが極上と認めざるを得ない仕上がりに、今日もサヨリは元気です。

 極上なのは、頭では理解しているつもりであった。僕だって馬鹿じゃない。しかし、百聞は一見にしかず。太い茎、大きな葉、深いみどり。視界に飛び込む雑草の力強さに圧倒される。これは雑掌なんかじゃない!、野菜だ!。立派な雑草に目を奪われる。今更にして我思う。

――失敗である。

 バカであった、アホであった、観察力が足りてなかった。去年気づけばこの敗北感など無かったろうに。気づきさえしていれば、逆にウハウハしていただろうに。僕がせっせと運んだもみ殻。その大半は新しい山から運んだもの。何十往復したのかも分からぬほどに、額に汗を流して運んだもみ殻であった。

 目前の太く大きい茎と葉を見れば、その答えは一目瞭然。運ぶべきは反対側。つまり、古い方。誰が見ても土のポテンシャルがまるで違う。自分、涙いいっすか……。半べそで、なびく雑草をかき分けて、僕は土嚢袋に良い方のもみ殻を詰め込んだ。今日のは男爵芋の土寄せに使うから。

――なんとかなるよ。絶対大丈夫だよ。

 とは言え、餅は餅屋、もみ殻はもみ殻である。新しいもみ殻だって、いずれはロマネ・コンティに姿を変える筈である。今年に限り元肥の役目を果たせないのが残念だ。でも、追肥という思考にシフトさせれば問題も無かろうて。今年ダメでも来年の肥やしになるのは確実である。今からでも遅く無い。世の中に無駄な事など何も無い。だから失敗なんかじゃない……はずである。

――これも拝借していくか。

ひまわり

 もみ殻の山で森のように茂った向日葵。来月になると、もみ殻に伏せ込まれる哀しきサガを背負う緑肥たち。その若い苗を数本もみ殻と共に持ち帰る。そして、過去記事での予告通り、畑の入り口に植えつけた。活着するかは分からない。けれど、向日葵に生きる意志が強いのならば、夏には花を咲かせるだろう。期待すれどもアテにはしない。自然にお任せするっきゃないのだから。

 夏の夕暮れ、おぼろ月夜と向日葵の花。
思いを隠して浮かび消えゆく記憶を辿ろう。今年は今年、来年は来年。何もかもがこれからの話。さてさて、今年の野菜の出来映えは如何ほどに?(笑)。

コメント

  1. 畑は様々な考え方があると思いますから、あくまでも個人的な考えです。雉虎さんの畑は最初、粘土質で草もろくに生えない畑だったとか。粘土質の土壌に生籾殻を使えば排水性と通気性の改善に役立ちます。分解に時間がかかるので効果も持続します。籾殻でチッ素飢餓になるという話しも聞きますが、それぞれの土壌と量の違いもあります。畑の土壌分析データ帳によれば「メリット、デメリットを考慮して土壌の状態により適切、適量を上手く使えば土壌改善効果に良い結果が得られる。分解に時間がかかる為に、窒素の測定値が窒素飢餓を表す数値にまで急に下がる事もなかった(この人、色々な測定値を持ってます)2年目以降になり土壌の団粒化が進んでいけば注意が必要」。入れ知恵と個人的な畑のノート参照の考え方ですが、雉虎さんの判断は正しかったのでは?。今は畑の状態が改善したようですし、そんな2年目にはご自身で気が付いたし。友人が「よかよか~」って喜んでいるでしょうね。実にタイムリー。偶然?。偶々?。たまたまが3回以上もあれば、たまが6個で第6感。もう、たましいの友人です(雉虎さんのフレーズ拝借しました)きっと魂の、運命の…。今でも、ずっと…。あぁ~、ひまわり咲いて欲しいなぁ。

    • 追記。急な窒素低下はなくても水はけがよくなり過ぎて肥料分が流れやすくなる事はあるそうです。土壌の状態と用途に応じて、雉虎さんのように籾殻を使い分けるのが効果的、のようです。昨年と今年は違いますしね。

      • 全ての野菜に共通していますが若干のピンチがありました。けれど、今のところ持ち直して順調に育っています。ウリハムシに喰われたきゅうりも元気に戻りました。そして、ひまわりも活着したようで元気です。全部が開花すればちょっと見応えのある感じになりますよ。乞うご期待(笑)。

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