雷電とよつぼしに夢を乗せて

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雷電とよつぼしに夢を乗せて
雑記・覚書き

――雨が上がった。

 一昨日、昨日と、啜り泣くように降り続いた雨が上がった。友人との約束を果たすべく、畑に向かって僕はバイクを走らせた。大空に飛ぶ雷電を友人に見せる為に。覚えていますか?、2月のメール。

『夜分にごめんなさい。いやもう、びっくりしました!。雉虎さんが雷電のプラモを作って写真撮ってくれるの?。めちゃくちゃ嬉しいです!。』

 必ず敬語を使う人なのに、その一文だけがタメ口だった。最初で最後のタメ口だった。それほど嬉しかったのだろうと今更思う。だからこそ、今日しか無いと決めていた。今日で無ければダメなのだ。その為だけにコツコツ作った雷電である。5月8日。それは、初めて友人からのメールが届いた特別な日。

 サプライズっすよ、サプライズ(笑)。

――12時間前。

 しみじみと雷電眺めて我思う。小学生が作ったようなプラモの出来映えに溜息漏れる。下手っぴにも程があるなと涙出た。友人はプラモの腕前がプロ級だと聞き及んでいる。僕のは水彩絵の具でペタペタ塗っただけの雷電である。夏休みの工作レベル。若しくはそれ以下。こんなのを人様に見せても良いのだろうか?。放送コードに引っかからない?。JAROに電話されない?。悪い事など1ミクロンだってしていないのに、軽く不安と罪悪感に襲われるのが不思議です。

――前日になって腰が引けた。

 あれだ……水彩絵の具って、塗っても塗っても下地の色が消えないんだな。特に白色。何度塗っても下地のグリーンが透けて見えるのな。塗っては乾かし、塗っては乾かし。もうね、漆職人くらい絵の具を重ね塗りました。甘かった、馬鹿だった、無知だった。2,3回でイケそうな考えが練乳くらい甘くって、今日もサヨリは元気です。

 でも大丈夫。見てくれはこんなだけれど、夢と希望と優しさを精一杯込めて作った自負はある。優しさなんてバファリンくらい水彩絵の具に詰め込んだ。何が言いたいのかと言うと、このプラモの半分は優しさで出来ていまぁ~す(笑)。

――雷電飛ばすぜ!、待ってろよ(笑)。

 お待たせしました。お待たせし過ぎたのかも知れません。雷電片手に意気揚々と畑に立った。ガンダムくらい大地に立った、飛ばせなかった、強風だった、何でだよ?。雷電が風に吹かれてじっとしない。テグスに吊した雷電の暴れる君が止まらない。その勢いにテグスが今にも切れそうである。

 所詮、プラスチック製のプラモである。超合金でも何でもない。何かの拍子に落下でもしたら100パー壊れて当たり前。ついでに僕の心も1000パー折れる。しばらく立ち上がれなくなる未来しか見えない。それは良くない。

――ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

 手早くテグスを外して途方に暮れた。どないしよ……。飛ばせなくても指定席なら。よつぼし苺が位置する横は畑が見渡せる一等地。ならば、今からここをキャンプ地とする。今日の所はここで勘弁してもらおう。アナタが見たかった畑が一望出来るVIP席ですよ。席の隣には興味津々だったよつぼし苺ですよ。どうですか?、良き眺めでしょ?(笑)。覚えていますか?、あのメールの続きの事を。

雷電とよつぼしに夢を乗せて

『さて、よつぼし苺に雷電、結果はこれから。まだまだ、死ねない(笑)。』

 雷電の乗り心地はどうですか?。

 よつぼしの葉っぱが元気でしょ?。

 畑の眺めはどうですか?

 喜んでくれましたか?。

 満足してくれましたか?。

 この夢は叶えられましたか?。

 また、メールくれますか?。

 今日は無理だったけれど、抜けるような青空の日を選んで、一緒に雷電を飛ばしましょう。これからは、雷電があるからね、いつでも好きな時に畑の様子を見に来て下さい。もう少しすれば、雷電から見下ろす場所に好きだった向日葵の花も咲くでしょう。

 トウモロコシ、スイカ、さつまいも……。畑はこれから賑やかに。お楽しみは、まだまだこれから。こんなつまらない事しか出来ない僕だけれど、久々に友人へのサプライズの記事でした。

――次は12月の誕生日。

 絶賛執筆中!(汗)

コメント

  1. 強風って笑笑
    って笑ってるよたぶん。
    やっぱり持ってる
    すべての出来事にネタがある
    さすがです

    • これねー、ホント、近くに住んでる人も読んでるブログだから嘘つけないんです(汗)。時間を作って畑に行って、晴れなのに強風って…こんなのある?。糸に吊るして写真撮るだけなのにね。長らく待ったお楽しみだから引き伸ばしたいのかも?。

  2. 頑張って頑張って作った挙げ句に、強風で雷電のあばれる君…そんな…。ごめんなさい。ちょっと笑ってしまいました。多分、友人もめちゃくちゃ喜んで笑っているでしょうね。。「まだまだ死ねない」状況的に正確に言うなら「死にたくない」だったと思います。でも似て非なる言葉の違いは、雉虎さんの優しさがあるからこその違いだったのでしょう。今回、雷電の写真を待ち受けにしようと思っていたから残念ですが、今はよつぼし苺が待ち受け画像です(笑)

    • そうですね、笑ってくれていると思います。少し長く眠って、目覚めて書いてくれたメールでした。日付は2月13日。たぶん、すぐに書いてくれたのでしょう。今思えば、直ぐに雷電を仕上げるべきでした。でも、冬空よりも、若葉息吹く皐月の空の方が喜んでくれるかも知れません。写真が出来たら記事に書きますね(笑)。

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