「フランケンシュタインのイラストなのはわかりますけど、お父さん。バケツの他に何か方法は無かったのでしょうか?。」
「簡単に言うけど、サヨリちゃん。猫をフランケンシュタインにするのは思いの外、難しくってね、丁度、奇譚クラブのガチャガチャ写真の撮影中に、パッと閃いたのがバケツだったんだよ。バケツなら、何にでも転用出来るから便利だとも思って。バケツにしました。困った時のバケツです。」
「そんなのに頼ってしまうと、画力が上がらないと思うのですが、そんなので良いのですか?、お父さん。」
「何だか分からないよりは、遥かに良いとおもうよ。」
「でもね。」
「でもね?。」
猫のフランケンシュタインは、色を塗らないと分からない
「フランケンシュタインの色を外すと、フランケンシュタインに見えませんよね、お父さん。」
「そうなんだよね、サヨリちゃん。フランケンシュタインに見えないよね〜。」
「フランケンシュタインに見えないよね〜、じゃねぇーよ。これじゃ〜不完全ですよ。」
「そんな事より、サヨリちゃん。お父さんはゾンビも描きました。今回は、二本立てだよ。」
「二本立てって、昭和の映画館みたいですね。でも、メインとおまけの組み合わせが多かったみたいですよね。大丈夫ですか?、お父さん。」
「そうだったねー。みたい映画とおまけ映画だったから、先におまけ映画を見ていたよ。でもね、高校生くらいになってからは、メイン、おまけ、メインで見るようになったよ。デート以外ではだけれど。」
「一瞬、青春の甘酸っぱい香りをほのめかせてはいますけれども、お父さん。デートでどんな映画を観に行ったの?。やっぱり定番のラブロマンスでしょうね。」
「宇宙戦艦ヤマト 完結編!。」
「ダメダメですね、ダメダメ。もうダメ、全部ダメ。そんなセンスでは、ゾンビのイラストも危ないものです。じゃ、見せて下さい、ゾンビ猫。」
「青鬼かっ!。青いだけじゃ無いですか。線画になったらただの猫ですよ、お父さん。線画を見せて下さいよ。」
「そうだったねー。ただの猫だよね、サヨリちゃん。楽しそうな猫にしか見えないね。ホラー要素ゼロだよね。でもね、色を変えると幅が広がるよ。ゾンビって特徴が無いからなー。」
「そんなんじゃ、あんたの事なんて誰も認めちゃくれないよ!。フランケンもゾンビも線画だけで分からなきゃ、本当のイラストとは呼べないね。もっと、気合を入れなっ!。あんたそれでも江戸っ子かい?。ところであんた、コピーライトが入ってないじゃ無いか!。相変わらずの詰めの甘さだね〜。」
「その声は?。」
「サヨリ姐さん!。」
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