「それは何ですか?、お父さん。」
「ハロウィン仕様のマントだよ、サヨリちゃん。クチュリエールさんからサヨリちゃんへのプレゼントだって。OIDENYAI さんが届けてくれたよ。」
「2つもですか?。」
「そんなに世の中、甘くは無いぜよ。どちらか片方だけだよ。」
「ですよねぇ~。」
「それはそうと、サヨリちゃん。ちゃんとクチュリエールさんにお礼を言いなさい。」
「クチュリエールさん、マントありがとうごニャイました。棒ラーメン、いかが?。」
お父さんが選んだハロウィンマントは文字入りの方
「で、お父さん。紫色のマントを選んだから。サヨリちゃんの為に選んでおいたから。」
「ボクはお父さんの目立てに従いますが、どうして紫の方にしたのですか?。」
「ジャック・オー・ランタンがもっとホラーチックなデザインだったら迷う事も無かったのだけれど、ひと目でハロウィンが分かるという点ではパープルの方だったからさ。インパクト重視です。」
「そうなのですか?。それはそれで良いとして、ジャック・オー・ランタンって何?。」
「あぁ、ハロウィンで飾るオレンジ色のカボチャ提灯があるでしょ?。ジャック・オー・ランタンは、そのカボチャの提灯の名前だよ。詳しい事は、またでゆっくり説明するとして、そういう事だから。クリスマスにはサンタクロース、ハロウィンにはジャック・オー・ランタンって感じかな?。」
「ボクは文字が読めませんが、マントに何て書いてあるのですか?。そんな事は無いと思いますが、変な言葉だったら嫌ですよ。」
「そっか。これはね、英語で『ビチクソ丸』って書いてあるんだよ。」
「マジか!、このクソ野郎め!。」
「冗談だよ、サヨリちゃん。英語で書いてあるのは本当で、日本語に直訳すると『お化け祭り』と書いてあるんだよ。」
「ゴ〜スト フェスティバァ~ルですニャ♪。」
『マントの裏側はこうなっています。普段から首輪を付けている動物なら、犬でも猫でも問題無いよね。魔女のとんがり帽子は脱着式になっているので、帽子を被らなくても大丈夫な作りになっているよ。』
「ボクは被り物が苦手です。お父さんたちが試行錯誤したベストサイズの帽子で無ければ、大人しく被ってなんていられませんよ!。」
「そこが心配のタネだったのだけれど、最悪、マントと一体化すれば問題は解消されるのでご心配なく。」
「それも、そうですね。首輪やマフラーなどは普通にいつまでもしていられるので、ボクも安心です。」
「ちなみに、とんがり帽子はゴム紐で引っ掛ける作りになっています。」
「ボクは首に引っ掛けるタイプの帽子は苦手ですから、あまり期待はしないで下さいよ。何でも出来るワケでは無いのですから。分かっていますよね?、お父さん。」
「はいはい。」
「では早速、ハロウィンマントの試着をしてみましょうか?。いや、試着をしてあげようか?。」
「どうしたんだい、サヨリちゃん。今日はヤケに積極的だね。何か良い事でもあったのかい?。それとも何か企んでいるのかな?。やる気満々のところ残念なのだけれど、試着はしばらく先送りです。」
「は?。どうしてですか?、お父さん。」
「暑いわ。どんなにサヨリちゃんがやる気を見せても、もう少し気温が下がらないとダメだよ。そろそろ、新作マフラーとかも届けられると思うので、試着はそのタイミングで良いと思うんだ。」
「でも、ネット通販するのでしょ?、猫マント。出し遅れる事は無いのでしょうか?。」
「サヨリちゃんは心配症だね。でも、だいじょうぶだよ。だって、サヨリちゃんが一度試着した商品は販売出来ないからね。なので、OIDENYAIさんに渡す写真はサヨリちゃん抜きで撮影しているから。この前の浴衣の写真だってそうしているよ。そんな事より、サヨリちゃん。そろそろ商品写真もOIDENYAIさんが自分で撮影してくれると助かるのだけれどね。お父さん、助かっちゃうんだけれどねー。」
「ねーー。」
「ねーーー。」
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