「その小汚い物体は何ですか?。」
「マンモスの肉だよ、サヨリちゃん。」
「マンモスって・・・太古に絶滅したとされる毛の長い像みたいな動物のお肉?。」
「そうそう。」
「そんなの作ってどうするの?。」
「トムとジェリーのチーズ作ったでしょ?。チーズを作っている途中で、はじめ人間ギャートルズのマンモスの肉が頭を過ぎったから作ってみたんだ。」
「はじめ人間ギャートルズ?。」
樹脂粘土でマンモス肉は失敗作
「はじめ人間ギャートルズもトムとジェリーくらい古い時代のアニメ作品だよ、サヨリちゃん。」
「こんなの見たこと無いです。」
「当然だろうね、40年以上昔のアニメだから。でもね、」
「でもね?。」
「今とは違って、テレビで放送されるアニメーションの数が少なかったから、当時の子どもたちの記憶には残っているんだよ。いわゆる共通記憶っていうのかな?。ラジオ体操みたいなものだわ。」
「ボクにはお父さんの言っている意味が今ひとつ分かりませんが、多くの人たちの記憶の中に生きているアニメーションという事ですね。」
「そうそう。」
「記憶を元に作ってはみたのだけれど、これはギャートルズのお肉とは違うね。」
「敗北宣言した!。お父さん、あっさりと敗北を認めた!。」
「質感が全然違うんだよね。もっと、タイヤみたいな感じなんだわ、マンモス肉。やる気が出たら再チャレンジしてみるよ。」
「諦めてはいないんだぁ~。」
「でもね、」
「でもね?。」
「お父さんは新しい発見をしたよ。」
「何でしょう?。」
「この作り方でコンニャクが出来ます。」
「そうですね、側のグレーの部分はコンニャクですよね。」
「おでんとかおでんを作る時に役立つ情報だよ、サヨリちゃん。」
「おでんしか作らないという事で受け取りました。お父さんの頭の中でのコンニャク料理はおでんだけなんですね。」
「という事で、キミにはちゅーるを進呈しよう!。」
「いや、これはトムとジェリーの時にもらった残りですにゃ!。まぁ、いいけど・・・。」
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