「コンニャク買ってきたよ、サヨリちゃん。さぁ、写真を撮ろ!撮ろ!。」
「マジで買って来たの?、お父さん。フットワークが軽いですね。で、何に使うんでしたっけ?。」
「この前の『この差って何ですか?。』であったじゃない。お肌のだよ、お肌の艶の話。

この時、トンカツとコンニャクの写真が無いねってなったじゃない?。忘れたの?。」
「猫は1時間前の事ですら忘れる生き物ですよ、お父さん。」
「じゃぁ、1時間おきに顔を見せないとね。」
「鬱陶しいわ!。」
スーパーで田舎こんにゃく買って来た!。そして食べたった。
「い・な・か・こ・・ん・に・ゃ・く…これ食べられるの?。不味そうですね、お父さん。」
「サヨリちゃんは、コンニャクを見るのは初めてだったっけ?。コンニャクには味は無いよ。味付け次第で美味しく頂けます。」
「へぇ~。で、食べたのでしょ?、コンニャク。」
「食べたよ。」
「美味しかったですか?。」
「普通にお腹の中に入って行ったよ。食物繊維とグルコシルセラミドを身体に入れただけだよ。」
「そう言えば、お父さん。筋トレしている人って、食べ物を食べるとは言いませんね。入れるって言っていますよね。何でそんな言い方をするのでしょうか?。不思議です。」
「言われてみれば、そうだよね。味に対して拘りを持たないからじゃないかな?。美味しいって思いながらご飯を食べていないから。ビタミンと食物繊維とタンパク質と炭水化物って目で見ているからだろうね。味わうから食べる、栄養を補給するから入れる。そんな感覚だと思うよ。」
「美味しく食べれば良いじゃないですか?。どうせ食べるのだから。」
「美味しく食べる事には問題が発生するんだよね、サヨリちゃん。」
「はぁ?。」
「美味しいと食欲が止まらなくなるんだよ、サヨリちゃん。果てしなくね。」
「筋トレって、人生の楽しみのひとつを奪う行為だったのですね、お父さん。お気の毒。」
「だから、田舎こんにゃくは蒸して食べました。味付けも無しだったよ。明日の朝が楽しみだ。」
「マジ?。」
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