ツクヨとオッツー、海の約束
───オレのお嫁さんになればいい……。 オッツー家からの帰り道、それをツクヨは思い出す。三縁さよりとオッツーとの三人で、釣りに出かけた夏の日を……。「ねぇ、オッツー。わたし……どうおもう?」 ツクヨはおませな小三だった。「可愛いぞぉ~」「エヘっ!(笑)」 オッツーからの予期せぬ言葉に、ツクヨは頬を赤らめた。「リュックのペコちゃんが」「そう……ですか……」 気まずい空気が防波堤ぼうはていを駆け抜ける。気まずいのはツクヨだけ……。釣りに夢中のオッツーは、ツクヨの変化を気にも留めない。 一緒に来ていた三縁はというと、ツクヨをオッツーに任せっきりで、秘密のポイントで竿を振っている。近くにいるのだろうけ...