2024-05-19

日曜日(ブログ王スピンオフ)

ツクヨとオッツー、海の約束

───オレのお嫁さんになればいい……。  オッツー家からの帰り道、それをツクヨは思い出す。三縁さよりとオッツーとの三人で、釣りに出かけた夏の日を……。 「ねぇ、オッツー。わたし……どうおもう?」  ツクヨはおませな小三だった。 「可愛いぞぉ~」 「エヘっ!(笑)」  オッツーからの予期せぬ言葉に、ツクヨは頬を赤らめた。 「リュックのペコちゃんが」 「そう……ですか……」  気まずい空気が防波堤ぼうはていを駆け抜ける。気まずいのはツクヨだけ……。釣りに夢中のオッツーは、ツクヨの変化を気にも留めない。  一緒に来ていた三縁はというと、ツクヨをオッツーに任せっきりで、秘密のポイントで竿を振っている。...