「何ですか?、その黒いの?。」
「これはアレだよ。マイタケさ。」
「マイタケ?。」
「もとい、マイタケの入っていた容器さ。毎日マイタケを食べているからね、この容器をの使い道が無いものかと思っていたのだけれど、粘土で細かい作業をする時に使うと便利だって事に気づいたんだよ。」
「そんなに便利には見えませんけどねぇ。」
「サヨリちゃんは、粘土の恐ろしさが全く分かって無いね。」
粘土細工でストレスが溜まる原因は?
「でも、どうしてイライラするのでしょう?。不思議ですねぇ~。」
「右京さん口調で聞かれても、イライラするものはイライラするんだよ。それなりのサイズのものならそうでもないのだけれど、サヨリちゃん。12分の1スケールの細工は寿命を縮めるぞ。」
「どんなところが?。」
「飛ぶんだよ。パーツが飛ぶんだよ。ピンセットで掴んで下手を打つと、パーツがどっかへ飛んでくんだよ。それなりに小さいパーツが飛んでいったら、それを探す作業が地獄なんだよ。特に目が悪いお父さんにとってはストレスが溜まる原因にしかならないのさ。」
「あ・・・たまにデスクの下で何かを探しているのはそういう事だったんですね、お父さん。何やっているのだろう?って思ってました。」
「小さなパーツと言えども、サヨリちゃんが食べちゃたら大変だからね。すぐに見つかったら良いけれど、見つからなかったらホウキで掃除が始まっちゃうよ。そして、マックの袋に頭を突っ込むのは止めなさい。」
「それとマイタケとどんな関係がお有りだと?。」
「この中で作業をすると、ピンセットでつかもうとしてパーツが飛んでもデスクの下へ落ちる可能性が小さいからね。それに、」
「それに?。」
「作業別にパーツや材料を分けておいて、片付ける時に重ねる事が出来るんだよ。キミが事務局に来たら、出かける度に片付ける必要性があるからね。何気にそういうメリットは大切さ。」
「全てはボクの為ですか?。」
「そうだよ、全てはキミの為さ。」
「隣では何を作ってるの?。」
「この流れで、そっち行くかぁ・・・。これは目玉焼きです、サヨリちゃん。」
「目玉焼きですね、お父さん。でも、意味なく作ってませんよね。」
「当たり前だよ。この目玉焼きの形を、よーく見てご覧よ。」
「ファイヤーシスターズ!!!。」
つづく…。
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