夏に向けてキジとら事務局のレイアウトを一新したら、愛猫サヨリが身を眩ませた。
愛すべき炬燵も片付けて、懸垂マシンをドンと配置した筋トレ仕様が今の事務局。軽くスポーツジムっぽくなっていて、パソコンを使ったお仕事をする環境にはとても見えない。初めてのお客様は、きっと困惑するのだろう。
だがしかし、僕のボテッとしたお腹の早期改造が最優先で、夏までには何とかせねば。やるからにはブログで宣言するのはお約束。なので、「夏までに痩せる室内レイアウト」という記事を書いて闘魂注入、元気ですかぁ〜。
そんな記事を書いてお腹が凹むなんてと突っ込みを入れられそうなのだけど、ブログで宣言してしまうとリアル世界からの熱い視線を浴びて、否応なしにも筋トレをやらざるを得なくなってしまうのだ。それと同時に、懸垂マシンはサヨリのキャットタワーとしての役目も請け負った。
今日から僕はドMだよ。
以後、事務局に訪れたお客さんのリアクションも様々で、キョトンとする淑女もいれば、いの一番で懸垂マシンにぶら下がっている紳士もいる。反応は皆様々なのだけれど、無理してでも懸垂をしなければならない舞台は出来た。
困った事に、レイアウトを変えた事で台座として使っていたプラスチックコンテナが17個ほど行き場を失った。なので、事務局の隅っこに積み上げて再配置。結果的に唯一の採光部を失う事になるのだけれど、今年の夏は猛暑っぽいので逆に好都合だった。
事務局のレイアウトを変えてから3日目。忽然と愛猫サヨリは姿を消した。
サヨリ、ちゅーるに釣られる
いつもなら僕の膝の上に纏わり付いて離れない可愛いやつ。今日はどこに隠れているのだろうかと殺風景な事務局の中に目を配るものの、可愛いサヨリの姿が見当たらない。入り口のドアは締め切られていて完全密室状態なのだけれど、神隠しにでもあったようにサヨリの気配が消えてしまった。江戸川ならどう推理するだろうか。
おいおい、異次元にでも召喚されちまったのかよ。ラノベでもあるまいし。
そんな時はちゅーるの出番。サヨリ専用コンテナ(別名 食料庫 サヨちゃん)からちゅーるを引っ張り出して振り回す。いつもなら何処に隠れていてもちゅーるに釣られてヒョッコリはんなのだけれど、どうやら今日は勝手が違うらしい。ゴソリとも音がしない事務局で、不安が募るだけだった。
それでも、ちゅーるを振りながらしばらくすると、ニャッニャッっといつものサヨリの小刻みな鳴き声。それ見ろ、キミはちゅーるには勝てないんだよ。いつもと違うのは、その声が遥か上空から聞こえて来た事だ。
天空の猫、サヨリ
サヨリの声がする方向に目をやると、積み上げられたプラスチックコンテナのテッペンから、僕を見下ろすサヨリの顔が。もうね、見てたね、ガン見してた。ドヤ顔でこっち見てた。今思えば見下されていたのかも知れない。でも、どうやって登った。まさかだけれど自力でクライミングしちゃったか。貞子が井戸を這い上がるように登ったのか。
ってか、鼻水垂れてるで、おまいさん。
サヨリは昔からそうだった。これまで高い所に登って降りられなくなるパターンを幾度となく繰り返して来た猫だった。仕方がないのでアルミ製の脚立に登って下ろしてやろうとすると、自分でスルスルと床に着地して得意げな顔で今度は僕を見上げる。
サヨリ選手、10点満点が出ました。
どうやらコンテナと目隠し用のダンボールとの配置が良かったらしく、僕の外出中にコンテナのテッペンまで登り降りしていたようで、慣れた足取りで降りて行った。彼も僕同様に筋トレに励んでいたようだ。
思い返せば、昨夜の散歩に出ても歩こうとしなかったのはコンテナタワーのせいだったのかも知れない。
自作?プラスチックコンテナキャットタワー
僕の我儘ボディ改革から始まった事務局の模様替え。僕ら念願のキャットタワーが偶然とはいえ出来上がってしまったようだ。偶然にせよ自作は自作のキャットタワー。そして、それにサヨリが登るのは自然で必然だったのだろう。
僕の肉体改造が終わったら、事務局のレイアウトを元の配置に戻す予定だったのだけれど、彼のお気に入りなら真冬までこのままにしておこう。
兎にも角にも、サヨリが僕を見下ろす姿がこの夏の日常になりそうだ。そして今も、サヨリはコンテナタワーの天辺で寛いでいる。
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