2023-12-01

小説始めました

のんちゃんのブログ王〝000 プロローグ〟

000 プロローグ ───いつか、あなたの小説が読んでみたいの……無理を言って、ごめんなさい。忘れてね……。  彼女は俺のブログの読者であった。顔も知らない、声も知らない。文字を介した交流から6度目の秋。その言葉に心臓が揺れた。ブロガーに小説が書けるのだろうか? それは、今でも心の中で燻くすぶっている。  秋が過ぎ去り、雪の季節。俺は彼女の街に来た。彼女の望みを叶えるために。クリスマス、待ち合わせの場所。そこで、俺は彼女に声を掛けた。口から心臓が飛び出すような、そんな緊張を隠しながら。 「はじめまして」 「は……はじめまして」  彼女の透きとおる肌が眩しく見えた。彼女の声はやさしかった。 「ク...